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ソフトボート システムコマンダー 2000 定番ブートマネージャが多彩な 新機能を装備してバージョンアップ TEXT：中嶋敦司　Atushi Nakajima

「OS Selection Menu」には基本的にいくらでもOSを追加可能。指定したOSの自動起動時間も設定できる

　1台のマシンに複数のOSを共存させ、その起動を可能にする、いわゆるブートマネージャの定番「システムコマンダー」シリーズがバージョンアップを果たし、「システムコマンダー 2000」（以下、SC2000）として新たに発売された。ブートローダー機能自体はWindows 2000/NT 4.0のNTローダーや、LinuxのLILOなどでも実現できるが、これらは起動時に選択可能なOSや扱うことのできるファイルフォーマットが限定されている。これに対して、SC2000は現行のほぼすべてのPC用OSのマルチブート環境を実現するだけでなく、より円滑、安全に複数のOSの共存環境を構築、メンテナンスするためのツールがまとめられた総合パッケージとなっている。

　SC2000のインストールはWindows 98/95、DOSから行なうが、これらがインストールされていない環境では、CD-ROMドライブをサポートしたこれらのOSのブートフロッピーから作業を行なうことも可能だ。インストーラは共通のDOSアプリケーションだがDOS自体の知識はとくに必要なく、いくつかの項目を選択するだけよい。インストール完了後にPCを再起動すると、SC2000の「OS Selection Menu」が自動的に立ち上がり、現在起動可能なOSの一覧が表示される。ユーザーはこのメニューから任意のOSを起動するというのが、本製品のブートマネージャーとしての基本的な機能である。

「OSウィザード」はマウスにも対応したグラフィカルなインターフェースのため、操作も簡単だ

　このOS Selection Menuに新しいOSを追加するのが「OSウィザード」だ。これはOS Sele ction Menuが表示されている際に呼び出すことができるもので、追加したいOSをWindowsライクなメニュー形式で選択する。このメニューで選択可能なOSは実に100種類以上にもおよび、Windows、DOS、Linux系のメジャーなものはもちろん、BeOSや超漢字、CP/Mまで、幅広く対応している。なお、今回のバージョンから新しくWindows 2000にも対応した。インストール先のパーティションは同一のものであっても、そのフォーマットに対応したOSであれば、いくつインストールしても構わない。既存のOSの設定やデータはすべて自動的に保護されるので、安心して新しいOSの導入が行なえるのだ。もちろん、それぞれのOSを異なるパーティションにインストールすることも可能だが、その際にはOSのインストールに必要な領域を自動的に確保することもできる。まず、OSウィザードは必要なディスク容量を計算し、パーティションを再分割後にフォーマットする。その後、既存OSのデータを新しいパーティション情報に合わせて書き換えるといった作業を自動的に行なう。その後は画面の指示に従い通常のインストール作業へと移るため、ユーザーがあれこれと設定する必要はない。

「BackStepウィザード」。指定した手順までのアンドゥ動作を自動で行なってくれる

　さらに、SC2000では「BackStepウィザード」を新たに搭載し、OSウィザードによってインストールされたOSの削除を行なうことができる。筆者としては、新規にインストールしたOSが原因で既存OSのデータが破壊された場合などにはBackStepでは回復不可能なため、バックアップソフトとの併用をお勧めしたいが、やはりアンドゥ動作のできる安心感は大きい。

　SC2000のもう一つの特徴は強力なパーティション管理機能だ。その項目は多彩で、パーティションの作成、削除、フォーマット、容量の変更、コピーなどの基本的な機能は、FAT、FAT32、NTFS、Linux EXT2などの各パーティション形式に対して行なうことができる。さらに、FAT－FAT32の相互変換、NTFS（Ver.4/5）をFAT、FAT32へと変換することも可能となっている。

SC2000はパーティション管理ツールとしても機能する。一般的にはOSから行なえない特殊な操作も可能な点が魅力だ

　Windows 2000の発売や近年のLinuxブームのため、既存のOS環境を残しつつ別のOSを使いたいという要望はますます高まってきている。SC2000はこういったユーザーの望みをかなえるだけでなく、OSの完全なアンインストールやパーティション管理などの、かゆいところに手が届くユーティリティソフトと言えよう。