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鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第115回:3月27日~3月31日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


3月28日

■■本田雅一の週刊モバイル通信
  第45回:PDAを捨てたあとのPDA
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000328/mobile45.htm

ASP(Active Server Pages)(Application Service Provider)
エーエスピー

  1. 「Active Server Pages(アクティブサーバーページ)」
     Microsoftが開発した、サーバー側でスクリプトを実行し、Webページを動的に生成する技術。

     クライアント側のWebブラウザがスクリプトを解釈し実行する技術に、ダイナミックHTMLと呼ばれるものがある。ASPは、同様の機能をWebサーバー側に持たせたもので、同社のWebサーバー「IIS(Microsoft Internet Information Server) 3.0」からサポート。「.asp」という拡張子を付けたテキストファイルに、VB ScriptやJavaScriptを使ってスクリプトを記述しておくと、サーバーがスクリプトに従った処理を実行し、その結果をクライアントに送信する。従来からある、CGI(Common Gateway Interface)を使ったスクリプト処理を、サーバー自身が行なうものである。

    【参考】
    □ダイナミックHTML
    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971014/key2.htm#dhtml
    □JavaScript
    http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991022/key95.htm#JavaScript

  2. 「Application Service Provider(アプリケーションサービスプロバイダ)」
     ネットワークを通じて、アプリケーションの機能を提供する業者。

     従来のアプリケーションは、ユーザー自身で購入し、セットアップや管理を行なうのが一般的だった。ASPは、サーバー上にアプリケーションを用意し、ユーザーがWebブラウザなどを使ってその機能を利用するサービスを提供する。

    □ASP Industry Consortium
    http://www.aspindustry.com/


■■一ヶ谷兼乃のデジタル de Go!Go!
  【ADSL導入記】:開通まで待たされても、つながれば快適!
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000328/dgogo11.htm

ベストエフォート(best effort)

 エンド to エンド間でのスループットやデータの遅延、信頼性などのサービス品質(QoS~Quality of Service)を保証しない通信形態。

 一定のサービス品質を保証(guarantee)するタイプの通信形態を、ギャランティー型という。ISDN回線をはじめとする従来の通信サービスの多くは、エンドツーエンド間で一定のリソースを占有するスタイルを採っている。すなわち、与えたリソースに応じて帯域や品質を保証する、このギャランティー型の通信サービスである。

 一方、インターネットのように、複数のユーザーが一定のリソースを共有するスタイルの場合には、与えられたリソースを上限に、同時に使用するユーザー数やデータ量に応じてスループットなどが変動する。このようなサービス形態を、最善は尽くすが保証はできないということで、ベストエフォート型と呼んでいる。NTTの専用線サービスではOCNがこのタイプで、帯域を保証しない代わりに使用料を低く抑えている。

【参考】
□OCN(Open Computer Network)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971007/key1.htm#ocn


グローバル/プライベートIPアドレス(global/private IP address)
グローバル/プライベートアイピーアドレス

 TCP/IPネットワークで使われる、インターネット上で一意に割り当てられたグローバルなアドレスと、プライベートなネットワークで自由に利用することができるアドレス。

 IP(Internet Protocol)アドレスは、ネットワークに接続されたデバイスを識別するための32bitの数値(※1)で、一般に「192.168.1.1」というように8bitずつ4つに区切り、10進数で表記している。文字通り、パケットの送信元や送信先を示す住所にあたる情報であり、ネットワーク間を世界規模で接続したインターネット上では、国際的に管理された(※2)一意のアドレスが用いられている。

 32bitの値は、各ネットワークを識別するネットワーク部と、そのネットワーク内のホストを識別するホスト部に分かれており、古くは、次のように両者の境界を固定的に扱う「クラス」と呼ばれる方式が採られていた(※3)

クラス上位8bit(使用範囲)アドレス境界プライベートIPアドレス空間
A0xxxxxxx( 1 - 127)8bit(n.h.h.h)10.0.0.0 ~10.255.255.255
B10xxxxxx(128 - 191)16bit(n.n.h.h)172.16.0.0 ~172.31.255.255
C110xxxxx(192 - 223)24bit(n.n.n.h)192.168.0.0~192.168.255.255
D1110xxxx(224 - 239)特別なアドレス
E1111xxxx(240 - 255)特別なアドレス

 この中のクラスA、B、Cが一般に使われているアドレスで、それぞれの「プライベートIPアドレス空間」が、インターネットと直接通信することのないデバイスに利用できるプライベートIPアドレス。これらを除いた残りが、インターネットの接続に使われるグローバルIPアドレスである。

(※1)現在広く使われているIPプロトコル「IPv4(Internet Protocol version 4)」は32bitだが、「IPv6(Internet Protocol version 6)」は128bitのアドレス空間を持つ。
(※2)管理・割り当ては、IANAをトップに、地域別のレジストリ(Regional Internet Registry[RIR])、国別のレジストリ(National Internet Registry[NIR])、ローカルレジストリ(Local Internet Registry[LIR])と階層的に業務を行なっている。アジア太平洋地域のRIPはAPNIC、国内のNIRはJPNIC、LIRは接続業務を行なっている各ISP(Internet Service Provider)で、ユーザーは通常ISPからIPアドレスの配布を受ける。
(※3)古くはこのクラス単位で管理・配布が行なわれていたが、現在は、アドレス空間を効率的に利用できるように、境界のビット数(マスク長あるいはプリフィクス長)を可変長にしたクラスレスアドレスが用いられている。例えば、「192.168.1.0/28」という場合には、ホスト部は28bit(サブネットマスクでいうと255.255.255.240)、配布されるアドレスは「192.168.1.0~192.168.1.15」の16個になる。

□IANA(Internet Assigned Numbers Authority)
http://www.iana.org/
□APNIC(Asia-Pacific Network Information Center)
http://www.apnic.net/
□JPNIC(Japan Network Information Center)
http://www.nic.ad.jp/jp/index.html
□RFC1918 - Address Allocation for Private Internets
ftp://ftp.nic.ad.jp/rfc/rfc1918.txt
ftp://ftp.nic.ad.jp/jpnic/ipaddress/rfc1918-jp.txt
【参考】
□TCP/IP
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980729/key40.htm#TCP/IP
□NAT (Network Address Translator)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971105/key5.htm#nat


カッド(quad)

 電話の配線などに用いられる、2対4本の芯線を1つにより合わせたケーブル。

 2組のより線を1つにまとめることにより、収容面積(外形)の削減を狙ったもので、国内の電話回線に広く用いられているほか、オーディオ用のケーブルにもしばしばこのタイプが使われている。2組のケーブルをより合わせることにより、錯交磁束がキャンセルされ(※1)近端漏話を最小限に抑えられるとされている。しかし実際には、同一カッド内で大きな信号の漏洩いが生じることがあり、ISDNとADSLなどを同一カッド内に収容した場合には、重複する周波数帯域が干渉しADSLの速度低下を招く。

(※1)より合わせることにより、1ピッチごとに磁束方向が逆転するので、互いに打ち消し合い、線間の影響がキャンセルされる。

【参考】
□ADSL (Asymmetric Digital Subscriber Line)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980202/key16.htm#ADSL


3月29日

■■後藤弘茂のWeekly海外ニュース
  2つの新CPUが登場したIntelのサーバー&ワークステーションロードマップ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000329/kaigai01.htm

ソースシンクロナスクロッキング(Source Synchronous Clocking)

 同期式の伝送において、送信側がデータとタイミングクロックを送る方式。
 共通のタイミング信号を供給し、これに同期して伝送を行なうスタイルをコモンクロッキング(Common Clocking)方式という。システム全体の足並みを揃え、規則正しく処理させることが容易に実現できるため、PCの内部バスや拡張バスインターフェイスのほとんどがこの方式を用いている。しかし、伝送距離が長くなったりクロックが高速化するに連れて、クロックの遅延(スキュー[skew])や揺らぎ(ジッタ[jitter])の影響が増大し、データ伝送に支障を来すようになる。

 極論すれば、通信回線のようなシリアルな長距離伝送においては、共通のクロックを供給すること自体不可能であり、送信側がデータと一緒にタイミング情報を送信するスタイルが用いられる。このような方式をソースシンクロナスクロッキング、あるいはソースシンクロナス伝送、ソースシンクロナスインターフェイスという。

 高クロック化にともない、システムバスやメモリバスなどのPCの内部インターフェイスにもこのようなタイプが登場。身近なところでは、AthlonのEV6バスやRDRAM、DDR SDRAMがソースシンクロナスクロッキングを採用している。

□DRDRAM(Direct Rambus DRAM)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980610/key33.htm#Direct_RDRAM
□DDR SDRAM(Double Data Rate Synchronous DRAM)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990121/key61.htm#DDR
□EV6
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991224/key103.htm#EV6

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp