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2000 International CES会場レポート その1
~ カシオ、腕時計型デジカメ、MP3プレーヤーを展示 ~

会期:1月6日~1月9日(現地時間)
会場:Las Vegas Convention Center
   Sands Expo and Convention Center
   Las Vegas Hilton
   Alexis Park


 「2000 International CES」が6日(現地時間)、米国ラスベガスで開幕した。6日も5日に続いて快晴。前日はあまり人のいなかった会場前も、多くの人が溢れている。特に開場直後は、登録受付を行なっているテントの前がごった返していた。しかし、Las Vegas Convention Centerの展示スペース内は、比較的ブース間の通路が広くとられているので、それほど混雑している印象は受けない。

 また、同じ会場で毎秋開催されている「COMDEX/Fall」とは異なり、会場以外の場所は比較的穏やかだ。COMDEX/Fallが、開催期間中はタクシーの看板から、近隣のホテルのカードキーにいたるまで、COMDEX/Fallの広告が入り、町全体がお祭りムードとなっていたのとは対照的と言える。

前日にはしぼんでいたバルーンが膨らみ、その正体が「CASSIOPEIA」であることが判明 登録所は、黒山の人だかりとなっていた 通路が広くとられているので、会場内は歩きやすい

 各企業の展示の方は、民生機器それも家電がメインとなっているので、パソコンそのものという展示はかなり少なく、ビデオカードなどのパーツ類、CPUや、チップセットの新製品ともなると、さすがにほとんど見かける事はない。

 今回は大きなブースを中心に、CESの開催に合わせて発表された製品や、参考出展されたものなどをレポートする。


●Microsoftブースは、使い方提案型

 MicrosoftはCESでも大きなブースを構えているが、IT系のイベントとは趣の異なったブース構成となっている。「The Microsoft Home」と名付けて、キッチンやリビングルーム、ガレージなどに部屋を区切って、それぞれのシーンでMicrosoftの製品がどのように使えるかを実演している。これまでのようにWindows 2000などを全面に押し出すようなアピールはしていない。

 発表されたばかりの、新型の光学式マウス「IntelliMouse Optical」も何の説明もなく、端末のPCにさりげなく接続されている。

 また、ブースの端に設置された「Hands On」のコーナーでは、MSN Webコンパニオンに対応したCompaqの端末を実際に操作できるようになっていた。

Microsoftブースではキッチンや、ガレージなど、それぞれの利用シーンごとに、どのMicrosoft製品が利用できるかアピールしている

Acer、Compaqなど各社のWeb Companion製品が並べられている 「IntelliMouse Optical」。IntelliMouse Explorerに比べ、ボタンも含め左右対称になり、左右どちらの手でも使える。色やデザインもおとなしくなった

「Hands On」のコーナーでは、MSN Webコンパニオンに対応したCompaqの端末を実際に操作できる

□「IntelliMouse Optical」のニュースリリース
http://www.microsoft.com/presspass/press/2000/Jan00/LendaHandPR.asp


●カシオ、腕時計型デジカメ、MP3プレーヤーを展示

 カシオでは、6日に発表した腕時計型デジタルカメラ「WQV-1」と、腕時計型MP3プレーヤー「WMP-1V」の実機を展示している。いずれも、自由にさわれるようになっていたが、WQV-1の方は発売が5月とまだ先な事もあり、実際には撮影できない状態だが、パソコンから転送した画像を表示させることはできる。その画像はきれいとはいえないが、写真を確認できるレベルにはあった。

 WMP-1Vは発売が近いこともあり、完全に動作し、転送/充電用ドックに接続してMP3データを転送することもできる。両機種とも、人気はそこそこあるものの、少し奥まったところにあるせいか、人垣ができるほどではなかった。

「WQV-1」。腕時計の側面の厚みの部分にレンズと、IrDAが並んでいるところが、サイバーな感じを醸し出している
「WMP-1V」。再生中には、液晶左下にアニメーションや文字がを表示される。ドックが少し大きいのが残念

 そんな中、カシオブースで一番アピールされていたのが、発表されたばかりの300万画素のデジタルカメラ「QV-3000EX」だ。実機が数台用意され、実際に撮影することができるようになっていた。

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【1月6日】カシオ、世界初の腕時計型デジタルカメラと腕時計型MP3プレーヤー
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【1月5日】米CASIO、光学3倍ズームを備えた300万画素デジタルカメラ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000105/casio.htm


●三洋も、MMC対応オーディオプレーヤーを参考出品

 カシオのWMP-1Vでは、MMC(MultiMediaCard)が内蔵されているが、三洋でもMMCに対応したプレーヤーを出展している。ポータブル型の「SSP-PD7」は3月に発売予定だが、ヘッドホン型の「SSP-HP7」はまだモックアップの状態だった。

 また試作品として、MMCスロットを2基そなえたカーオーディオタイプのものや、MMCとCD-R/RWドライブを両方そなえて、どちらにもMP3で録音できる据え置き型も参考出品されている。

ポータブル型の「SSP-PD7」。3月発売予定 「SSP-HP7」。こちらは完全なモックアップ

カーオーディオタイプの試作品 CD-R/RWドライブも搭載した、録音対応モデルの試作品

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【'99年10月6日】エレクトロニクスショー '99会場レポート 記録メディア編
~松下がSDメモリーカードをアピール~
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●クリエイティブ、NOMADシリーズに新モデル

 クリエイティブメディアでは、MP3にかなり注力しており、今回もポータブルMP3プレーヤーのNOMADシリーズの新モデル2機種を参考出品している。

 COMDEX/Fall '99で参考出品されていた「NOMAD II」の、新しいバリエーションにあたるのが「NOMAD II MG」だ。NOMAD IIでは記録メディアはスマートメディアのみだが、NOMAD II MGでは64MBのメモリを内蔵している。また、デザインも一回り小さくシンプルなものになり、初代NOMADに近いものになっている。米国での発売は4月頃で、価格は300ドル程度の見込み。

「NOMAD II MG」。デザインは初代のNOMADに近い。また、液晶も丸形に戻っている 「NOMAD Jukebox」。6GBのHDD内蔵。ラインインも装備し、録音機能もそなえている
 そして、全く新しいモデルが「NOMAD Jukebox」だ。2.5インチの6GB HDDを内蔵していおり、CD100枚分以上の楽曲を収録できるという。バッテリは単3×4本だが、どちらかというと、車の中や、家庭の中で使うことを想定しているという。600ドル程度で、今春発売される予定。

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【'99年11月18日】COMDEX/Fall '99会場レポート MP3編
~ ポータブルプレーヤーが多数展示 ~
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●松下はSDメモリカードに注力、DVD-RAMビデオカメラも参考出品

 松下は、SDアソシエーション設立の発表を行なったこともあり、SDメモリーカードの展示に力が入っている。松下はこのメディアを、次世代の記録メディアの主流にしようとしており、エレクトロニクスショー '99で見られたように、SDメモリカードを使ったさまざまな製品の概念モデルを多数展示した。また、ブース内にセットを組み、SDメモリカード対応製品をアピールしている。

SD インターネットレンジから、SDスロット搭載ノートPCや、PCカードアダプタなど、多数の概念モデルが展示されていた

SDメモリカード対応製品の、実演ステージ  なお、JVC(ビクター)のブースでも、松下が展示しているものとおそらく同じと思われる、SDメモリカードを採用したポータブルオーディオプレーヤーが参考展示されていた

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●ソニー、Network Walkman

ソニーブースは、ミーティングルームに設けられていた
 ソニーは1月6日に発表した「Network Walkman」を展示。Network WalkmanはMP3や、ATRAC3形式の音楽を内蔵メモリに転送して、音楽を聴く製品。これだけだと、既に発表され、もうすぐ日本で発売される「ミュージッククリップ」とデザインが異なるだけのように思える。しかし、ハードウェア上の大きな違いとして、「ミュージッククリップ」がプレーヤー側でMP3にも対応するのに対し、Network WalkmanはATRAC3のみに対応する点だ。MP3形式のデータは転送時にPC上のソフトウェアで変換される。そのため、元の音楽がMP3形式の場合、非可逆圧縮が2重にかかるので、音質が劣化することになる。

 係員の説明によれば「ソニーには、グループにレコード会社もあり、できればMP3をサポートしたくない」としており、今後もMP3のサポート強化は期待できそうにない。

 ただ、今回の製品はデザインが異なる事が重要で、ミュージッククリップのバリエーションモデルも参考出品されていた。「現在のWalkmanと同じように、デザインでも選べるようにしたい」とのことだ。

「Network Walkman」。使い捨てライターより、一回り大きい程度 ミュージッククリップのバリエーション。黄色のモデルが6月から、黒が3月から発売される

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【1月6日】ソニー、米国で「Network Walkman」を発表(Mobile Central)
http://www.watch.impress.co.jp/mobile/news/2000/01/06/nwe3.htm


●シャープ、パイオニアもメモリースティックプレーヤーを展示

 ソニーはどのイベントでも、メモリースティックを大々的にアピールしているが、今回は比較的おとなしい。その代わりというわけでもないだろうが、シャープとパイオニアが、Magic Gate対応メモリースティックを使用した製品を展示した。しかし、どれも、アクリルケース越しの展示にとどまっている。

 メモリースティック陣営も、外への広がりが始まっていることが伺える。

シャープのブースでは、Magic Gate対応メモリースティックポータブルプレーヤを参考出品している。いずれもモックアップのようだ

パイオニアからも、ソニーのメモリースティックウオークマンとそっくりのものなど、Magic Gate対応メモリースティックの応用製品のプロトタイプが参考出品されている

□2000 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/

(2000年1月7日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp