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Intelパット・ゲルシンガー氏がNehalem EPをアピール

Intel パット・ゲルシンガー氏

4月6日 開催



 インテル株式会社は6日、都内で記者発表会を開催し、サーバー/ワークステーション向けCPU「Xeon 5500」番台を国内に向けて発表した。

 Xeon 5500番台はNehalemアーキテクチャを採用した、デュアルプロセッサ向けのCPU。これまでNehalem EP(旧Gainestown)とコードネームで呼ばれていた。なお、この製品は、米Intelにより3月30日(現地時間)に発表済み。

 発表会ではまず、インテル株式会社 代表取締役 吉田和正氏が登場。Xeon 5500番台について、「Core i7で実現した革新をサーバー/ワークステーションセグメントにもたらすものである。インフラやクラウドなど、性能に対する要求が高まっているが、Nehalem EPはそれに応える。もちろん低消費電力や仮想化性能においても価値を提供していく」と魅力を語った。

インテル 吉田和正氏 Xeon 5500番台のウェハ。左はPentium Pro Xeon 5500番台

●インテリジェントなXeon 5500

パット・ゲルシンガー氏

 続いて、Intel 上席副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー氏が登場し、中国で開催されるIDFに先駆けて、Xeon 5500番台を紹介した。

 同氏はまず、Pentium Proを'95年に投入して標準量産型サーバーを確立した、と歴史を振り返る。そこから始まったサーバーが今では年間1,000万台規模に達し、80%以上がIAを採用しているという。にもかかわらず、同氏は「今回の製品はPentium以来、もっとも誇りに思う技術である」とその可能性に期待を込める。

 続けて、「現在では、150億以上のデバイスが人と人、人とマシン、マシンとマシンを接続し、これらがインフラを形成している。だがクラウドアーキテクチャは現在のインフラと全く違うものになり、サーバーの市場は倍になる。Xeon 5500番台はスケーラブルかつ高効率、動的な変化に対応というインテリジェンスを備えており、その核になっていく」と語った。

サーバー1,000万台の内80%以上がIAを採用 150億以上のデバイスがネットワークを形成しているが、クラウドは現在のインフラと異なるものになる

 次いで、Xeon 5500番台が備えるインテリジェンスについて同氏は説明する。Xeon 5500番台は45nm High-kプロセスで製造され高い性能を備えているが、それに加えて、動作クロック/並列性、省電力/パフォーマンス、ネイティブ/仮想化といった項目について、状況に応じて自動的に最適化する。それを実現するのは、ターボ・ブースト・テクノロジーやHT、強化された仮想化機能、インテリジェント・パワー・テクノロジーといった機能だ。

 パフォーマンスについては、デュアルプロセッサのXeon搭載サーバーとして最大のパフォーマンスを備えながら、プラットフォームレベルでアイドル時の消費電力をXeon 5400番台から50%引き下げていることを挙げる。また、Xeon 5500番台を搭載した各ベンダーのマシンが、各種ベンチマークで30を超す記録を塗り替えたことを紹介。Webやデータベース、HPCといった広範なアプリケーションで高い性能を発揮できるとした。仮想化についても、10GigabitのEthernetやSSDと組み合わせたプラットフォームで、Vmmarkで160%の性能向上を実現した。

Xeon 5500番台のプラットフォーム Xeon 5500は状況に応じて最適に動作する ターボ・ブースト・テクノロジー
Xeonシリーズ最大のパフォーマンスで、消費電力を50%カット 各種ベンチマークで30を超す記録を塗り替えた

 そして同氏は、そういったインテリジェントなプラットフォームをもって、インテリジェントな選択を呼びかける。現在のITインフラは予算の70%が保守に費やされており、まだ40%がシングルコア、40%がデュアルコアにとどまっているという。

 一例として、2005年のXeonサーバー184台と比較して、性能重視では184台のサーバーで9倍のパフォーマンスと18%の電力コスト削減を、効率重視では21台のサーバーで投資コストを8カ月で回収し92%の電力コストを引き下げることができるとメリットを強調した。

 また、IBMやSUNのRISC系サーバーと比較して、システムコストやパフォーマンスで大きなメリットがあり、行政や公的機関、医療分野、通信分野で今後もリーダーシップを拡大していくとし、Xeon 5500番台への乗り換えを呼びかけた。

IT予算の7割が保守に費やされている 性能/効率のどちらを重視しても乗り換えのメリットがある コスト比較

●今後もTick-Tock戦略を踏襲

 IntelはTick-Tock戦略に基づき、2009年末にNehalemアーキテクチャを32nmに移行したWestmere(コードネーム)を投入予定。今回のプラットフォームでもWestmereの6コアバージョンをサポートする拡張性を備える。今後は、2009年末に最大8コアのNehalem EXを投入し、次いでWestmereのEXを投入する計画だ。

 同氏は最後に、「Xeon 5500番台は最高のパフォーマンスを求めるデータセンターやコンピューティング環境における解であり、高いエネルギー効率はデータセンターやITオペレーターにとって理にかなった選択肢になっている、またROIの確保、仮想化についても景気が低迷する中最も素晴らしい解だ。Xeon 5500番台はサーバー向けにおいて最も素晴らしい製品になっている」とまとめた。

Tick-Tock戦略 2009年末にNehalem EXを投入し、次いでWestmereのEXを投入 Nehalem EXの構成

□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□関連記事
【3月31日】Intel、Nehalem EPことXeon 5500番台を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2009/0331/intel.htm

(2009年4月6日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

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