ネットブックはBluetoothを標準搭載しているものも少なくない。そこでBluetooth対応の周辺機と組合わせてネットブックを楽しみたい。とりあえずキーボードやマウスが一般的であるが、筆者が選んだのは“音”。その1は、Skypeなどであったら便利なヘッドセット……のつもりだったのに、最終的には音の良いヘッドセットへと大暴走してしまった。 ●Skypeをしていると 多くのネットブックは、スピーカーはもちろんWebカメラやマイクを内蔵し、即Skypeができる環境にある。筆者は携帯電話で通話するより、Skypeで通話する方が圧倒的に多いヘビーユーザー。業界関係者から友人まで、何か用事があれば即Skypeとなる。 いつものようにSkypeをしてたとき、ふっと思い出したのは、昔購入したBluetooth対応のヘッドセットだ。Eee PC 901-XはBluetooth内蔵、これを試さない手はない。「確か何処かにあったはず……。」と、ごそごそ宝箱の中を漁っていると発見! 懐かしの「Bluetake BT400G3」を取り出した。 さすがに長年使っていない関係でバッテリ切れしている。充電して動くのを確認し、Bluetoothの儀式とも言えるペアリング開始。あっさりEee PC 901-X(Windows XP SP3)は認識した。 次はSkypeの設定だ。[ツール]→[設定]→[オーディオ設定]を見たところ、何とそれらしいデバイスの名前が文字化けしている(画面キャプチャ参照。本当は[Bluetooth オーディオ]となる)。他にBluetoothの文字も無いので、選択したところOK。無事BT400G3でSkypeができるようになった。 小一時間、この状態でSkypeしてたが、どうもエコーのかかった感じで音も良くない。もちろんプロファイルはHFP(ハンズフリー プロファイル)&HSP(ヘッドセット プロファイル)なので、音楽はモノラルで電話音質になってしまう。ネットで情報収集しつつ、近所の量販店へ新型のヘッドセットを見に行った。
●Bluetooth対応のヘッドセット 量販店へ行くと1万円程度のヘッドセットが中心で売られている。中でもソニー製が多いようだ。ざっと見渡して前から一度試してみたかった「ネックバンド型」の「DR-BT21G」を買ってきた。 この「DR-BT21G」はBluetooth Ver.2.0準拠、プロファイルはA2DP/AVRCP/HFP/HSPに対応している。バッテリは充電タイプだ。専用のACアダプタを使い、残念ながらUSBからの充電は出来ない。約3時間の充電で、最大11時間再生(待受けは最大100時間)となる。気になるネックバンド型の装着感は、ネックバンドの角度さえ合わせればいい感じなのだが、少しでも角度がズレると耳が圧迫され痛くなる。「まぁ、値段も値段だから、こんなものかな」と思いながら、ペアリングを開始。電源ボタンを長押しすればペアリングモードとなる。問題無く認識され、PINコード“0000”を入力すれば準備完了だ。 続いてSkypeのデバイス設定のパネルと開くと[Bluetooth 以降文字化け]の項目が2つになっている。調べたところ、文字化けの短い方が[Bluetooth オーディオ]、文字化けの長い方が[Bluetooth 高品質オーディオ]だ。つまり前者はHSP、後者はA2DPとなり、Skypeでは[Bluetooth オーディオ]を選択する必要がある(A2DPでは音が出なかった)。 準備もできたので友人をSkypeで呼び出し、BT400G3とDR-BT21Gの音質チェックに付き合ってもらった。結果、マイクの音質、そしてヘッドセット側のスピーカーの音も、断然DR-BT21Gの方がクリアで良い。気になるネックバンドの角度ズレも、Skypeしながらドタバタ動き回るわけでもないので、途中で角度がずれ耳が痛くなることもなかった。ただ、寝転がったりすると、ネックバンドの位置が簡単にズレてしまう。基本、椅子に座ったり、歩いたり、頭の位置が真っ直ぐの時は調子いいのだが、日頃行儀の悪い筆者には使えるシーンが限られるかも知れない。
●音楽聞くなら Skypeを一通り楽しんだ後、DR-BT21GはA2DPにも対応しているのでHSPの電話音質ではなく、ステレオで普通に音楽も聞ける。さっそくiTunesを起動し視聴開始となった。ヘッドホンとしての音質は価格相応と言った感じ。それなりに聞けるが、特に良い音と言うわけでもない。ただ変な癖やドンシャリ型ではないため、長時間聞いても疲れず飽きない音だ。 ちょっと感動したのは、パソコン上のiTunesを、AVRCPでコントロールできたこと。再生・停止、FF/REWなどが普通にヘッドセットから行なえる。ながら族の筆者としてはこれだけでもありがたい。 さて、そもそもの目的は達成したので、ここで終わればいいものの、筆者の悪い癖。音楽聞くならもっと音の良いヘッドセットが欲しい……と、思い出したらもう止まらない。予算は2万円。ネットを検索して、最終的に選んだのは「ゼンハイザー MM 200」。ヘッドホンの老舗であるゼンハイザーのヘッドセット、しかもベースになったモデルが、ネックストラップ式カナル型ヘッドフォン「CXL 400」なら音質も期待できる。早速オーダーしたところ、翌日の夜には届いた。衝動買いにはなかなか良い時代だ。 このMM 200、DR-BT21Gとは約1万円程度の差なのだが、パッケージからもわかるように、結構高級感が漂う。ケーブルなどの質感もなかなか良い。これは期待できそうだ。充電のベースはUSBから。ACアダプタは、単に付属のUSBケーブルに接続するだけの仕掛けになっている。マニュアルによると通常は約3時間でフル充電となるが、はじめの一回だけは4時間充電することを勧めている。ものが着てから4時間待ちは長いが、はやる気持ちを抑えてじっと耐えた。 ペアリング方法は多くのヘッドセットと同じで再生・停止&電源ボタンの長押し。問題無く認識され、音楽が流れ出した。DR-BT21G同様、AVRCPに対応しているので、手元のコントローラでiTunesを操作できる。イヤースリーブはS/M/Lサイズ付属しているが、筆者の場合は標準のMサイズでピッタリだった。マイクの付いている方がLチャンネルとなる。そして肝心の音質は……「これはいける! 」オーディオの音。ご機嫌なサウンドだ。また、イヤフォン部はケーブルがあるとは言え、ネックストラップ式なので全く気にならない。予想以上に好印象と言えよう。
さて気を良くして、Eee PC 901-X、MM 200共フル充電し、カバンへ入れ散歩に出かけた。MM 200の仕様としては、再生時間最大9時間、通話時間最大11時間、待受け時間最大300時間となっている。実際、何時間程度聞けるか試してみたかったのだ。結果は4時間を超え、家に戻ってしまったため実験終了。どちらもバッテリは残ったままだ。ちょっとした移動中の音楽鑑賞にも使える。iPodには及ばないものの、ネットブックと共に外出するなら、こんな感じで音楽を聞くのも悪くない。 ネットブックでBluetoothを内蔵しているモデルなら、Bluetooth対応のヘッドセットを用意するだけで、結構快適な音ライフが楽しめる。特にEee PC 901-Xなどもともとバッテリ駆動時間が長いものだと、歩きながらでも聞けるためiPodいらずだ。「Bluetooh ヘッドセット」で検索するとかなり多くの種類がヒットするので、自分の好みに合わせて購入するといいだろう。 さて、Bluetoothのヘッドセットで気を良くした筆者は同じく音もので次のターゲットを探し出したのであった(“音”編その2へ続く)。
□Bluetakeのホームページ (2008年11月21日) [Reported by 本城網彦]
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