発売中 価格:オープンプライス 今年、ナンバーワンヒットは間違いなくネットブック。過去を見てもこれだけ同じカテゴリのマシンが一気に出荷され人気を集めた例は無い。そこでネットブックを活用するにあたって、あれば便利な周辺機やアクセサリを紹介する新連載を始める。読者からのリクエストもお待ちしているので、編集部宛にドシドシお寄せいただきたい。 ●机に戻ったら広い画面で使いたい。ただ…… ネットブックと言っても最近人気のモデルは、Atom N270プロセッサ(1.6GHz)、1GB DDR2メモリ、100GB以上のHDDを搭載し、そこそこのパワーを持つノートPCだ。特別な処理でもしない限り、作動が重いと感じるシーンはほとんど無い。これだけ普通に操作できるのだから自宅や会社の机に戻ったらWSVGA(1,024×600ドット)の狭い画面ではなく、もっと広い画面で快適に使いたい願望はあるだろう。そして画面が広くなった瞬間に、キーボードもフルサイズでマウスも使いたいとなるハズ。 ただ、戻った時、そして外出する時に毎回VGAケーブル、ネットワークケーブル、キーボードやマウスなど、取り外しするのも面倒。更に机の上は半端にケーブルの山となるため美しくない。その昔、ドッキングステーション(またはポートリプリケータ)と呼ばれるものがあった。いろいろなケーブルを接続し、ノートPCをドッキングするだけでデスクトップPC化できる便利な周辺機だった。残念ながら現在、少なくともネットブックに関しては該当する周辺機は存在しない。 これをUSBケーブル1本で解決できるアイテムが今回ご紹介する「三菱ワイド液晶ディスプレイ RDT201WDL(BK)」だ。ケーブル1本なら面倒でもなく、机の上もスッキリまとまる。 ●まともなディスプレイ+αでネットブックに便利 RDT201WDLは、ワイド20.1型WSXGA+(1,680x1,050ドット)/TN型ノングレアパネルの液晶ディスプレイに、USBディスプレイ、USB-LAN、USB 2.0ダウンストリーム×2/アップストリーム×1、そしてミニD-Sub15ピン入力が付いた優れもの。予めUSBキーボードとマウスさえ接続しておけば、ネットブックからUSBケーブル1本で、主要な入出力がこのRDT201WDLへ移ることになる。個人用途では無線LANを使うため不要のUSB-LANも、企業内では無線LANの使用に制限がかかっているケースが多く、このUSB-LANは有効だ。 いずれにしても、USBケーブル一本でネットブックからネットトップへ変身できるこのRDT201WDLは、場合によってはなかなか便利なネットブック御用達の周辺機と言える。 ベースになっているモデルは、同社のRDT204WMだと思われる。液晶パネル自体の性能はカタログスペック上で、輝度250cd/平方m、コントラスト比900:1、応答速度5msの性能となっている。実際使ってみると視野角も広く、反応も良い。輝度250cd/平方mは輝度100%だと明る過ぎるほど。通常使用なら50%未満で十分だろう。ネットブックの外部ディスプレイとしては文句無い性能だ。 高さ調整できるスタンドは、ディスプレイをネットブックの左右ではなく、上に配置することもできる。液晶ディスプレイをネットブックの左右に置くのと、上に置くのと、どちらが使い易いかは人さまざま。個人的にデュアルディスプレイは、ディスプレイを右側に置くのが何となく操作が楽である。 搭載している「ECO Professional」機能は、従来機種比で最大36%消費電力が削減できる省エネモード。メニューにECO設定があり大/中/小や、画面上に省エネ値を表示するECOメーター、電源自動OFF、省エネ管理など、ECO対する取り組みも積極的だ。 最大で、電源ケーブル、Ethernetケーブル、USBケーブル×3がこのRDT204Wへ接続することになるが、スタンドネックのケーブルフォルダーに引っ掛け、ベーススタンドの下を通せるので、机の上はスッキリまとめることができる。 ●インストールはCDから、でも大丈夫 2ポートのUSB HubはWindowsの標準ドライバがそのまま組み込まれるので問題無いが、RDT201WDLの「USBディスプレイ」と「USB-LAN」機能を使うには、付属のCD-ROMからドライバをインストールする必要がある。 しかし「手持ちのネットブックにはCDドライブが無いので」と嘆かなくても大丈夫。実はこれ、PC業界では結構有名な「DisplayLinkのUSB Graphics」と「ASIXのUSB 2.0 to 10/100M Fast Ethernet controller」が使われているのだ。少なくともネットブックはインターネットに接続していると思うので、各社のダウンロードページから最新版のドライバ(DisplayLink/ASIX)をゲットすればよい。調べたところ、どちらもCD-ROM付属のものより、若干バージョンは上がっていた。 DisplayLinkに関してはWindows 2000/XPは32bit、Vistaは32/64bit両対応。Aeroもサポートしている。ネットブックにVistaはレアケース。しかし、Aeroに対応していればWindows 7など後々も安心だ。ちなみにアイ・オー・データ機器の「USB-RGB」、バッファローの「GX-DVI/U2」、AKIBA PC Hotline!に最近載った「4インチ/WVGAのUSB液晶」も同じデバイスを搭載している。自動的にドライバの更新情報を知らせてくれる機能もあり便利だ。 ASIX AX88772Aは、多くのOSに対応しており、お勧めはダウンロードリスト一番最後の「Windows XP/2K 32-bit Setup Program (For 32-bit x86 CPU platform, WHQL certified)」。ZIPを解凍しsetup.exeを実行するだけでドライバがインストールされる。
このUSBディスプレイは、デュアルディスプレイ/移動(上下左右)、ミラー、無効の作動モードがある。ネットブックと組合せるなら、デュアルディスプレイとなる。但し、プライマリディスプレイをUSBディスプレイ側にすると何かと調子悪いので、出来ないわけではないがあまりお勧めしない。 ●気のなるパフォーマンス USB経由のディスプレイ、気になるのはパフォーマンスだ。いろいろ試したところ、テキストや写真レベルは大丈夫。ExcelやWord、PowerPoint、Webやメール、そして写真が広く大きく使えるのは快適だ。もともとネットブックだったことを忘れてしまうほど。YouTubeやGyaOなど動画再生に関しては、窓表示での再生はCPUの使用率が上がるものの見ることができる。しかしこれで気を良くしてフルスクリーンへ切り替えた途端にガタガタの再生となる。 このUSBディスプレイは、PC側で画面データを圧縮そして転送、USBの先にあるチップでデータを復元しつつ表示している。この仕掛け上、CPUパワーがあればフルスクリーン再生も可能であるが、そこはAtomの悲しさ。そこまでのパフォーマンスは持ち合わせていない。従ってこの件はどうにもならず、フルスクリーンで見たい場合は、ミニD-Sub15ピンにネットブックを接続しなければならない。接続するケーブルが2本となり、今回のお題からは反するが、対応は可能だ。
ネットブックとの組合わせでなかなか便利に使えそうなRDT201WDL。残念なのは価格が一般的な20型WSXGA+と比較して高めなところ。購入価格は49,800円だったので、2万円近い差は結構痛い(同社の「ノングレア RDT204WM」3万円前後との比較)。 また、USBオーディオとステレオ・スピーカーも内蔵していると、もっと楽できたのにと思うのは贅沢だろうか。ネットブック以外のPCへ接続する時、HDMIとまでは言わないまでもDVIポートは欲しかった。後一歩のデバイス対応を望みたいところだ。 □三菱電機のホームページ (2008年11月10日) [Reported by 本城網彦]
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