日本エイサー、マルチブランド戦略で国内トップ5入りを目指す10月15日 開催 日本エイサー株式会社は15日、都内で記者会見を開き、Acerグループが展開するマルチブランド戦略について説明した。 Acerは8月に米国の大手PCベンダーGatewayを吸収合併した。これに伴い、AcerグループはAcer、Gateway、eMachines、Packard Bellの4つのブランドを所持するが、いずれのブランドも継続させる戦略を取る。
来日した台湾Acer本社 マーケティング&ブランディング コーポレート バイスプレジデントのジャンピエロ・モルベーロ氏は、「我々は顧客層を6つのプロフィールに分け、それぞれのニーズに合わせた製品を、それぞれのブランドでマルチに展開していく」と話す。 Acerは、6つのユーザープロフィールを、 1.業界をリードするハイテク専門家 と定義する。このうち1~3にはAcerブランド、4~5にはPackard BellまたはGatewayブランド、そして6にはeMachinesのブランドで展開するという。
モルベーロ氏は、「例え同じような製品構成だったとしても、それぞれのユーザーのセグメントに合わせた差別化をさせる必要がある。性能や機能はもとより、ブランドやデザインにおいて差別化することが重要である」と語った。 同氏は、Acerグループが現在発売しているノートPCやデスクトップPCのデザインを紹介し、「エンドユーザーのニーズに合わせたデザインとブランド戦略を展開し、それぞれのマーケットにおけるユーザーとのコミュニケーションを通じて、製品を展開していく」と説明した。 これら一貫したマルチブランド戦略を通じて、2011年には300億ドルの売上、ノートブックシェアNo.1の地位の獲得を目指す。これには売上高で年15%以上の伸び率と、年35%増の出荷台数という高い目標を達成しなければいけないが、効率的な組織の構築と、経費削減などに取り組み実現したいとした。
日本におけるマルチブランド戦略について、日本エイサー株式会社 マーケティングコミュニケーション課の瀬戸和信マネージャーは、「日本は非常に成熟したマーケットであり、大手PCメーカーがシェアの大半を獲得しているため、我々にとってもなかなか厳しい市場である。しかし、我々はマルチブランド戦略を展開することによってシェアを拡大し、5年以内にはトップ5入りを果たしたい」とした。 Gatewayのブランドに関しては、過去に既にハイポジションにあるブランドとして確立。また、Acerのブランドに関しても、「Aspire one」や「Gemstone Blue」などのノートPCを中心に、ハイテクノロジーとしてのブランドが確立しつつある状態だという。今後はGatewayやeMachinesなどを含めたチャネル流通の整備などの課題が残されているが、マルチブランド戦略は個人市場には非常に有力であるとした。
質疑応答で、Aspire oneをなぜeMachinesブランドではなくAcerブランドで出したかという質問をしたところ、「価格の差がブランドの差というわけではなく、製品を買うときの動機がもっとも重要だと考えている。Aspire oneについては確かに廉価ではあるものの、多くの最新技術をコンパクトな筐体に入れたという観点からすれば、Acerブランドのほうがよりふさわしい。12月には新製品も投入する予定であるが、これもブランドの価値にあったもの、新しいカテゴリの製品としての定義をしっかりしたものを提供していきたい」と答えた。
□日本エイサーのホームページ (2008年10月15日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
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