インテル株式会社 代表取締役社長の吉田和正氏

10月8日　開催

　インテル株式会社は8日、ビジネス・デスクトップPC向けの第3世代の「vProテクノロジー」(コードネーム：McCreary、以下vPro)に関する記者説明会を開催した。

　第3世代のvProは、45nmプロセスで製造されるCore 2 Quad/Duo、Intel Q45 Expressチップセット、Intel 82567LMギガビット・ネットワーク・コネクションで構成されるプラットフォーム。アクティブ・マネジメント・テクノロジー 5.0をサポートし、企業向けの管理/セキュリティ機能を提供する。

　新たに追加された機能として、企業のファイアウォール外にあるPCを保護/管理することができるようになった。また、遠隔アラート機能により、電源がOFFの状態や設定パラメータに適応しない状況においても、PCの遠隔サポートを受けることが可能になる。

　また、リモート・スケジュールド・メンテナンス機能を新たに搭載し、IT管理者はPCに定期保守用プログラムを組み込むことで、自動的にIT管理プログラムを実行し、遠隔から管理可能。さらに、遠隔ヘルプ機能を搭載し、HDDやOSが動作していない状態でも、エンドユーザーは遠隔からサポートを受けることができるという。

第3世代vProの構成要素	第3世代vProの主な新機能

企業におけるITの現状と課題

　発表会の冒頭で、インテル株式会社 代表取締役社長の吉田和正氏は、「近年、企業の意識はセキュリティ、運用コスト、そしてグリーンITに向けられている」と説明。特にグリーンITに関しては大規模なサーバーのみならず、何千も導入されているクライアントPCの低消費電力化が課題になっているとし、「vProはこれらの企業のニーズにすべて応えられるソリューションである」とした。

　具体的には、45nmプロセスで製造されるCore 2 Duo/Quadと、Intel Q45 Expressと82567LMにより、企業ニーズである高性能/低消費電力、優れたネットワーク管理性/セキュリティなどを実現していると説明した。

グレゴリー・ブライアント氏。登壇とともに、背後にあるPCの電源をネットワーク管理機能を通してONにしてみせた

　Intel本社から来日した、デジタル・エンタープライズ事業本部 副社長 デジタルオフィス事業部長のグレゴリー・ブライアント氏は、東芝で開発中の仮想化エンジン「vRAS」や、実際にvProを導入した企業からのビデオメッセージなどを紹介し、vProの有用性をアピールした。

　また、「vProは、我々の最新のトランジスタ技術を、ユーザーのビジネスにフォーカスして最適化したソリューションだ。各種法的規制への対応や、CO2排出などの環境問題への配慮を実現している」と語った。

　このほか、小規模ビジネスユーザー向けのvPro管理ツール「IT Director」の日本語版を、2009年第1四半期に向けて開発中であると紹介。同ツールは、シンプルで使いやすさを求め、小規模のPCを管理する管理者に最適なツールであると説明した。

東芝の仮想化ソリューション「vRAS」。データ領域とシステム領域を仮想化し、管理者が一元的に管理できるようになっている	他の仮想化ソフトと比較して高い性能が実現できる	実際にvProを導入した会社からのメッセージの一例。ネットワークで管理やサポートができるようになったためデスクサイドでのサポートを91%削減できたという
会場には、第3世代のvProに対応したレノボの「ThinkPad X301」が参考展示されていた。詳細なスペックは未定だが、展示機のCPUはCore 2 Duo SU9400、チップセットはIntel GM45 Expressだった	富士通のFMV-ESPRIMO D7360の後継(写真下)と同LIFEBOOK E8260の後継(写真上)も参考展示	9月25日発表のLet'snote 8シリーズも展示された

NECのMate タイプME(写真下)とVersaPro タイプVE(写真上)	デルの企業向けノートのLatitudeシリーズ。新たに10月からvProのオプションが選べるようになったという

□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2008/081008.htm
□関連記事
【2007年8月28日】Intel、企業向けプラットフォーム「vPro」をアップデート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0828/intel.htm

(2008年10月8日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]