AMD、2GPU搭載の「ATI Radeon HD 4870 X2」
|
ATI Radeon HD 4870 X2 |
8月12日(現地時間)発表
米AMDは12日(現地時間)、2基のGPUを搭載したビデオカード「ATI Radeon HD 4870 X2」および「同4850 X2」を発表した。米国での実売価格は、前者が549ドル、後者が399ドル前後となる見込み。
1枚の基板上にRadeon HD 4870/4850を2基搭載したビデオカード。AMDではRadeon HD 4870発表当初から、ハイエンド製品には巨大なダイを使ったものではなく、ミドルレンジ~セミハイエンドのGPUを2基積む方針を明らかにしていた。
製造プロセスは55nmで、チップのダイサイズは2つで520平方mmと、GeForce GTX 280 1基(576平方mm)よりも小さい。一方、Radeon HD 4870 X2 1枚あたりの演算性能は、GeForce GTX 280の933GFLOPSに対して2.4TFLOPS、メモリバンド幅は141GB/sec対230GB/sec、ピクセルフィルレートは19.2G Pixel/sec対24G Pixel/sec、テクスチャレートは48G Texel/sec対60G Texel/secと、競合を大きく上回るとしている。
同様の製品として、Radeon HD 3870 X2があるが、新製品ではGPU間の接続インターフェイスが、帯域幅5GB/sec(双方向)のPCI Expressから、10GB/sec(同)のPCI Express 2.0になったほか、10GB/secのSideportと呼ばれるGPU同士を直接結ぶインターフェイスも用意された。ただし、現時点ではPCI Express 2.0による接続のみで帯域幅は足りており、Sideportは今後、より帯域幅が必要な製品で活用されることになるという。
Radeon HD 4870 X2とGeForce GTX 280の比較 | GPU間の接続帯域が向上 |
GPU単体のスペックはクロックを含めて1GPUの製品と同じで、Radeon HD 4870 X2は、コアクロック750MHz、メモリクロック3.6GHzで、SP数は800×2基、メモリはGDDR5を1GB×2搭載。同4850 X2は、コアクロック625MHz、メモリクロック2GHzで、SP数は800×2基、メモリはGDDR3を1GB×2搭載する。
カード当たりの演算性能はRadeon HD 4870 X2が2.4TFLOPS、同4850 X2が2TFLOPS。最大消費電力はそれぞれ286W、230Wとなる。バスインターフェイスは、いずれもPCI Express 2.0で、CrossFireXにより4GPU構成も可能。
このほか、従来のRadeon 4800シリーズ同様、動画再生支援機能UVD2や7.1chオーディオコントローラを搭載。ディスプレイインターフェイスはDVI×2とTV出力で、DVIのプライマリはDual-Link対応。また、HDMI、DisplayPortにも対応する。
Radeon HD 4870 X2の概要 | GeForce GTX 280との性能比較 |
Radeon HD 4850 X2の概要 | GeForce GTX 280との性能比較 |
□AMDのホームページ(英文)
http://www.amd.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.amd.com/us-en/Corporate/VirtualPressRoom/0,,51_104_543~127542,00.html
□関連記事
【6月25日】AMD、1.2TFLOPSの演算能力を持つRadeon HD 4870
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0625/amd.htm
【6月20日】AMD、800SP搭載/1TFLOPSのGPU「ATI Radeon HD 4850」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0620/amd.htm
【1月28日】AMD、1枚のカードにGPUを2基搭載した「Radeon HD 3870 X2」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0128/amd.htm
(2008年8月12日)
[Reported by wakasugi@impress.co.jp]