島根富士通のノートPC生産拠点で3回目のPC組み立て教室
8月9日 開催
株式会社島根富士通は6日、富士通株式会社と共同で「富士通パソコン組み立て教室」を島根県簸川郡斐川町で開催した。富士通のノートPC生産拠点である島根富士通での開催は今回で3回目となる。
組み立てたPCは、2008年夏モデルの「FMV-BIBLO NF/A70」相当品。店頭での売れ筋である15.4型ノートPCで、Core 2 Duo T8100、メモリ2GB、HDD 160GB、DVDスーパーマルチドライブ、FeliCaポート、OSにWindows Vista Home Premiumを搭載する。直販価格は164,800円相当だが、参加費9万円で組み立てたPCが後日、配送される。
今回の参加者は小学5年生から中学3年生の親子30組で、男子18組、女子12組、小学生は16組、中学生は14組。応募数は約90組で、約1/3の確率で選ばれた。イベントの告知は、出雲市と斐川町の小中学校の1人1人に、約15,000枚のプリントを配布したほか、出雲ケーブルテレビの島根富士通の取材後に告知し、参加を募った。また、富士通のFMWORLDでも案内された。その結果、島根県内から約半数、県外からも東京や熊本からの参加者も居たという。
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島根富士通 宇佐見隆一 代表取締役社長 |
イベントは13時に開幕。開会にあたって、島根富士通の宇佐見隆一 代表取締役社長が「私は小さな頃から、ゼンマイ仕掛けの機械などに触れてきた。それが、今の仕事に繋がっているのかなと思っている。頑張ってできる限り自分で組み立てて欲しい」と挨拶。そして、島根富士通の紹介DVDが再生され、富士通のノートPCが島根の工場で生産されている様子などを参加者に伝えた。
実際に組み立てる前に、注意点として、怪我をしないように作業を行なう、金具の端の部分を触ったりしない、静電気対策として手首にアースバンドを着用、各パーツをぶつけたり落としたりしない、腕時計などを外し製品を傷つけない、エプロンを着用して汚れを防止することなどが伝えられた。
事前の説明が終わり、今回のノートPCのスペックを解説。島根富士通が創業した'90年の当時は、CPUはIntel 486SX 25MHz、メモリは4MB、HDDは170MBだったが、2008年にはクロックで80倍以上の2.1GHzのCore 2 Duo、メモリも約500倍の2GB、HDDは約1,500倍の160GBに変化していることが伝えられ、いよいよ13時36分に組み立てがスタートした。
組み立てるパーツは21点、ネジは3種類で42本。子供たちが組み立てられるよう、CPUや液晶パネルは装着済みで、パーツの取り付けとネジ止めで作業が進むように用意されている。実際の組み立てでは、どのパーツがどの役割をしているのかが分かりやすいように解説付きで進行した。以下、写真で組み立ての様子を紹介する。
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前半で使用したパーツとドライバー類 |
マザーボードやシャーシ、液晶パネルなど大型のもの |
休憩を挟んで後半に組み込んでいったパーツ類 |
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静電気対策に手首にアースバンドを装着。黄色い“富士通エプロン”も汚れ対策に着用する |
まずはすべての大元になるマザーボードから。CPUは装着済み |
インターフェイス部分のブラケットを取り付ける |
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マザーボードを本体にはめ込む |
マザーボードをネジ止め |
ファンホルダーを取り付ける |
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ファンホルダーにファンをはめる |
ファンをネジで固定し、電源ケーブルを繋ぐ |
アルミシートをめくり、サウンド用ケーブルを伸ばす |
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サウンド用インターフェイスのボード |
サウンドのケーブルをインターフェイスボードに挿す |
ケーブルに繋いだサウンド用ボードを本体に装着 |
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めくったアルミシートを戻してテープで止める |
無線LANのON/OFFスイッチをはめ込む |
スピーカーケーブルのコネクタをはめる |
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ステータスLED用のレンズ |
サウンドインターフェイスのボード上に装着 |
スピーカーケーブルとまとめてテープで止める |
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もう一方のスピーカーケーブルを本体の端に沿わせるようにはめる |
無線LANモジュール「Intel PRO/Wireless 3945ABG」をスロットに装着 |
ネジで固定する。ここで前半の作業が終了し、休憩に |
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再開後はタッチパッドなどがある本体のカバーから |
裏面にFeliCaのモジュールが装着され、タッチパッドなどとともにケーブルが伸びている |
本体に載せてネジ止め |
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FeliCaケーブルとフラットポイントケーブルを挿し込む |
液晶パネル装着済みの本体上部と組み合わせる |
本体上部と下部でぶつからないように、専用の枕が用意されていた |
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本体上部と下部の穴を合わせてネジ止め |
6カ所をネジ止めし、ノートPCの形ができる |
本体上部から伸びる無線LANアンテナをモジュール側に接続 |
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液晶ディスプレイのケーブルを本体に接続し、ケーブルをヒンジ部分にまとめる |
キーボードのケーブルを挿し込む |
手前側の溝に合わせてキーボードをはめ込む |
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キーボードを本体に装着した状態 |
ホットキーなどを持つヒンジカバーのケーブルを本体と接続 |
ヒンジカバーを本体にはめ込む |
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ヒンジカバーをネジ止め |
その上からキーボードカバーをツメを合わせてはめ込んでいく |
ここまで来ると、外観は完全なノートPCに |
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上部を閉じ、裏返して10カ所をネジ止め |
HDDカバーを開く |
シャーシに装着済みのHDDを取り付ける |
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シャーシ部分をネジ止めしてHDDを固定 |
HDDカバーを付けてネジで固定 |
ネジ止め用の金具の付いたDVDスーパーマルチドライブ |
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本体側面からDVDスーパーマルチドライブを挿入 |
裏面から2カ所をネジ止め |
バッテリを装着してついに完成 |
21点のパーツを組み上げ、休憩を挟んで約2時間弱の15時43分に全員が完成。完成直後、司会者の合図で一斉に電源を入れると、全員のPCが無事に起動したが、参加者には大きなサプライズが待っていた。Windows起動直後の壁紙には、参加者それぞれの写真が組み立てたPCの1台1台に設定されており、歓声が上がった。
タネ明かしをすると、参加者の来場直後に記念撮影を行ない、前半の作業中に各HDD内のOSに参加者の写真を壁紙に設定、休憩時間中に参加者を間違えないようにそれぞれ配布、といった手順。それぞれの参加者を間違えることなく、限られた時間ですべてセッティングしたスタッフに拍手を送りたい。
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ACアダプタを接続して一斉に電源ON |
Windows Vistaが起動 |
全員の組み立てが無事に成功した |
続いて、最初のDVDで見たノートPC製造ラインを見学。土曜日のイベントにもかかわらず、一部の製造ラインを動かし、参加者にプロの流れ作業を公開した。参加者が2時間かけて行なった組み立てを、10分程度で完了することに参加者は感心していた。
工場見学から戻り、「パソコン演習」として富士通が運営している「Azby Club」を紹介。司会者の指示に従って今回の組み立て教室のページへアクセスすると、「レポートはこちら!」と速報が掲載されており、つい先ほどの様子がAzby Club内でFMVシリーズの情報を伝える「ひろば旬感ブログ」の記事として公開されていた。7月26日の富士通アイソテックでの「パソコン組み立て教室」と同じ演出。その記事のコメントへ、組み立てたPCを使って感想を書き込んでもらったが、「楽しかった」と多くの参加者が答え、ネジ止めや、ケーブルのはめ込みなどが難しかったという。また、スタッフへの感謝の言葉も多かった。
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ノートPC製造ラインを見学。参加者が体験したばかりの組み立て作業を、素速く進めていく |
プリント基板品実装ラインで作られた基板を人の目で検査 |
Azby Clubの「ひろば旬感ブログ」で公開された速報レポート |
島根富士通では、このイベントをスタッフも楽しみにしていたそうで、参加者の写真を壁紙にする演出や、土曜日のイベントでも参加1組に1名のサポートスタッフがつく気合いの入り方など、社を挙げて実施するという意気込みを感じられるイベントだった。富士通は夏休み期間中に、デスクトップPC製造の福島(富士通アイソテック)、ノートPC製造の島根(島根富士通)でPC組み立てイベントを実施しているが、国内製造拠点の両社が趣向を凝らして切磋琢磨しており、今後もより良いイベントになるよう期待したい。
□富士通のホームページ
http://jp.fujitsu.com/
□島根富士通のホームページ
http://jp.fujitsu.com/group/sfj/
□イベントページ
http://www.fmworld.net/annc/seminar/200806/
□関連記事
【7月28日】「富士通パソコン組み立て教室」に30組の親子が参加
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0728/fujitsu.htm
【2007年8月6日】島根富士通で30組の親子がノートPCの組み立てに挑戦
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0806/fujitsu.htm
(2008年8月11日)
[Reported by yamada-k@impress.co.jp]
PC Watch編集部
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