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「富士通パソコン組み立て教室」に30組の親子が参加

7月26日 開催



 富士通アイソテック株式会社は26日、富士通株式会社と共同で「富士通パソコン組み立て教室」を福島県伊達市の同社工場で開催した。今回で5回目のイベントとなる。

 今回組み立てたPCは2008年夏モデルの一体型デスクトップ「FMV-DESKPOWER LX/A50D」相当。19型ワイド液晶との一体型で、Core 2 Duo E4600、メモリ2GB、HDD 320GB、DVDスーパーマルチドライブ、地上/BS/110度CSデジタルTVチューナ、無線LAN、Windows Vista Home Premiumを搭載する。実売価格は21万円前後だが、参加費用13万円で自分の組み立てたPCをもらえる。

 参加者は小学5年生から中学3年生の親子30組で、男子24組、女子6組。63組の応募者から抽選で選ばれた。地元の福島県からの参加者が最も多く16組が参加。さらに、今回も全国各地から応募があり、新潟、神奈川、埼玉、千葉、山形、宮城のほか、愛知からの参加者も居たという。

富士通アイソテック 代表取締役社長 増田実夫氏

 開会にあたって、同社の増田実夫社長が挨拶。「家庭や会社で、PCを使っている人は多いが、内部まで見たことがある人は少ない。今日は、いい機会なので、内部がどういう構造になっているか、どういう工程で組み立てられているかをぜひ体験して欲しい。わからせないことがあったら、近くの組み立てサポートの人たちに、遠慮なく聞いて欲しい。頑張って組み立ててほしい」と参加者にエールを送った。当日はあいにくの雨模様だったが、「午前中は雨で残念だったが、午後はここで楽しい時間を過ごしてください」と話し、いよいよ組み立ての本番が始まった。

 まず、組み立てる前の注意事項を説明。組み立て前の準備として、エプロンの着用、静電気を防ぐためのアースバンドの手首への装着、PCを傷つけないよう時計やブレスレット類を外すという3つの注意点を実施。さらに、作業中の注意点として、パーツの各所にある板バネ部分を変形させないこと、スロットに挿す金属部分に触らないこと、ボード上のリードの先端が危険なのでボードを持つ際に注意することの3点が伝えられた。

 事前の準備が終わり、組み立て作業に入った。液晶パネルおよびCPUはすでに装着済みで、ほぼすべての工程がパーツの取り付けとネジ止めの作業で完了するように準備されている。部品点数は約30点、ネジ止めは42カ所、そのうち、CPUのヒートシンクに4本、DVI-Dコネクタに2本のネジが付いている。使う工具は基本、プラスドライバーのみなので、まず、ネジの締め具合を体感してもらうために、電源ユニット部のネジ止めを実施。ドライバーを回してきつくなったところで一回し、今後はこの力加減で行なうこととなり、簡単なところで最初に体験させ、その感覚を伝えた。以下、組み立ての様子を写真で紹介する。

台座に置かれたPC本体のベース部分 PC内部のパーツと工具類 台座の下にはPC外観となる周りの部分
使用するネジ。ABCDのアルファベットで分類されている 組み立ての順番が書かれた小冊子 電源ユニット部のネジ締め。この最初の工程で「ネジ締めチカラ 5.0+0.3/0kgf・cm」を体感
メインボードの裏面から、CPUのヒートシンクを装着するためのプレートをはめ込む ヒートシンクプレートを手で押さえながらシャーシに組み込む メインボードの6カ所をネジ止めした状態
本体側面にあたるサブプレートを取り付け。B-CASスロットやUSB 2.0ポートがある メインメモリ2枚を装着。モジュールは片面1GBのDDR2-800対応 メインボード部を本体に組み込む。この際、電源や信号用のケーブルを挟まないよう、上に引き出しながら行なう
メインボードのシャーシを本体にネジ止めして取り付け完了 引っ張り出したケーブル類をメインボードに装着していく。差し込むコネクタは11種 電源用の24ピン、4ピン、USBピンヘッダ用など、自作ユーザーにもお馴染みのケーブル類
HDD用(赤色)、光学ドライブ用(青色)のSATAケーブルを装着 DVI-Dケーブルもボード奥に見えるメスコネクタに内部で接続する。長いケーブル類はガイドを使ってまとめておく
ライザーカードのシャーシにボードを組み込む ライザーカードに地上/BS/110度CSデジタルTVチューナカードを装着 ライザーカード部分のモデムのコネクタをブラケット部に取り付け。デジタルTVチューナにはB-CASカードスロットとの接続ケーブルを付けておく
無線LANのモジュールと2本のアンテナ アンテナの小さなコネクタをモジュールにはめ込む アンテナの先を本体のシャーシの穴に通して取り付ける
アンテナの先端を本体にネジ止めした状態 もう1本のアンテナも同様に取り付け アンテナのケーブルはガイドでまとめる
もう1本のアンテナはシャーシに沿わせてガイドにまとめる 先ほどのライザーカードを本体のスロットに差し込む ライザーカードを装着した状態。この段階で、いったん休憩となった
再開直後に、無線LANをライザーカードに取り付ける。本来はもっと早い段階で行なうが、組み立て教室では工程の易しさからこの順番にしたという B-CAS用のケーブルもB-CASカードスロットの近くに接続 CPUのヒートシンクを取り付ける。四隅にネジがあり、対角線の順番で仮締め、そのあと、本締めを行なう
CPUヒートシンクを装着完了 続いてCPUファンを取り付ける ファン用の4ピンコネクタを挿す
DVDスーパーマルチドライブにガイド用のパーツを取り付け 本体にスライドさせて入れる ガイドパーツを本体にネジ止めし、SATAの信号/電源ケーブルを接続
HDDもガイドパーツに取り付け。HDDはネジ止めを行なう 光学ドライブと同様にSATAケーブルを付け、本体にはめ込む ネジ止めしてHDDを搭載。ここまでで、PC基幹パーツの取り付けはほぼ終わり
最終工程でケースのガワの部分を装着していく。まずは右側面のパネルから 続いて左側面のパネルを取り付け 液晶ディスプレイのバックカバー。カタカナの「コ」の字のような大きなカバーをはめ込み、4カ所をネジ止め
マザーボードの下部分を覆うためのカバーをはめ、ネジ止め マザーボード全体を覆うバックカバーをスライドさせて取り付けてネジ止め 電源ユニットのカバーをスライドして装着。このパーツはツメでとまるためネジは不要
最後のパーツのバックカバーをドライブ類を入れた部分に取り付けネジ止め これでPCが完成した 最後に、配布されたオリジナルシールをそれぞれ好きなところに貼り、“自分だけのPC”を表現

 途中、休憩を挟んで2時間弱で組み立て作業が終了。PCの火を入れる前に、参加者はリサイクル工場の見学を行なった。富士通アイソテックの工場の敷地内には、使用済みPCのリサイクル業務を行なう子会社の株式会社エフアイティ フロンティアがある。

 回収されたPCやディスプレイをそれぞれの材料で分類し、再生に利用する様子などが紹介され、プラスチックでもさまざまな材料に分類できると説明を受けた。PCケースだけを見ても、鉄だけでなく、足の部分のゴムや、ABS樹脂が各所に使われており、作業を自動化するのではなく、やはり人の手で行なうのが一番良いということだった。

エフアイティ フロンティアのリサイクル工場 リサイクルセンターの仕事を紹介。人の手による分解で再資源化を行なっている プラスチックだけでも20種類以上に分別すると説明。材料の分別が可能な判別機でのデモも見せた

 リサイクル工場の見学後、組み立て会場に戻り、いよいよPCを動かす時間になった。司会者の号令で参加者が電源スイッチを押し、無事すべてのPCが起動した。

 Windows Vistaが立ち上がり、司会者の指示に従って今回の組み立て教室のページへアクセス。すると、「レポートはこちら!」と速報が掲載されており、数時間前の様子がすでに写真付きで公開されていた。これはAzby Club内でFMVシリーズの情報を伝える「ひろば旬感ブログ」で公開されており、ブログの更新の速さを体感できるものだった。

 そして、その場で、参加者に組み立て教室の感想をブログのコメントに投稿してもらう。更新すると、「楽しかった」、「動いてほっとした」、「感動した」などの喜びの声や、「メモリをさすときに手が痛かった」、「コネクタを挿すのが大変」などの難しかったところなどが書き込まれた。

全員のPCが無事に起動した きちんと起動したWindows Vista 「ひろば旬感ブログ」に早くもレポートが公開されていた

 最後に、PCを楽しく使うための注意としてインターネットを安全に使うためのウィルス対策ソフトなどを紹介。組み立てたPCは、7月31日以降の希望日に参加者に配送される。保証は店頭で購入した商品と同等の保証が付与される。

 増田社長は、「いまの子どもたちは、パソコンが当たり前のものになっている反面、内部の構造などに興味をもたなくなっている。コンピュータのすべてを理解するのは難しいが、パソコンを理解してもらうきっかけや、興味をもってもらえる機会になればと思っている。また、親子のコミュニケーションのきっかけづくりとしても期待している。社員も、どんな子供たちが来るのか、この日を楽しみに待っていた」と、今回の組み立て教室の目的と期待を語った。そして「来年もぜひやりたい」と今後も続けていく意向を示した。

□富士通のホームページ
http://jp.fujitsu.com/
□富士通アイソテックのホームページ
http://jp.fujitsu.com/group/fit/
□イベントページ
http://www.fmworld.net/annc/seminar/200806/
□関連記事
【2007年7月30日】富士通パソコン組み立て教室で30組の親子が組み立てにチャレンジ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0730/fujitsu.htm

(2008年7月28日)

[Reported by yamada-k@impress.co.jp]

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