こんにちは、武蔵野電波のブレッドボーダーズです。この連載記事では、ブレッドボードを使った電子回路作りを紹介していきたいと思います。
最初に、ブレッドボードというものについて。これは、多数の穴が空いた樹脂製のボードで、穴には電子部品やリード線を直接挿すことができます。穴は内部で電気的・規則的に連結されていますので、そこに電子部品を挿していくことで、ハンダ付けをせず、電子回路を作ることができます。
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ブレッドボードの一例。穴に電子部品を挿していって、電子回路を組み立てます |
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電池、抵抗器、発光ダイオード(LED)、リード線を用意しました |
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こんなふうにリード線や電子部品をブレッドボードの上に挿していくと、発光ダイオードが光る回路ができあがります |
ハンダ付けをせずに電子回路を試せる・作れるので、失敗してもやり直しができます。また火傷等の危険が少ないこともメリットです。こういった手軽さから、我々ブレッドボーダーズはブレッドボードを愛用していますし、また、多くの人がブレッドボードを使って電子回路を作っています。
ところで、ブレッドボードの穴は、内部でどのようにつながっているのでしょうか?
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ブレッドボードの表面。一見、どの穴がどの穴と電気的につながっているのかわかりません |
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ブレッドボードの内部では、穴どうしがこのようにつながっています───赤い線が接続の様子を示しています。上下端の横並びの穴は、それぞれ全て接続されていて、内側の穴は縦にそれぞれ接続されていることがわかります |
この穴の電気的なつながりを利用して、さまざまな電子回路を作っていくというわけです。ちなみに、穴と穴の間隔は1/10インチ(2.54mm)です。比較的に多くの電子部品では、足と足の間隔が1/10インチかその整数倍となっていますので、さまざまな電子部品をそのままブレッドボードに挿すことができます。
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一般的なICをブレッドボードに挿してみました。ICの足とブレッドボードの穴がぴったりと合います |
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ブレッドボードを使えば、やや複雑な電子回路を作ることもできます。写真はArduino Diecimilaというマイコンボードを使い、7セグメントLEDに数値を表示しているところです |
ブレッドボードにはさまざまな種類があります。大きさや穴の数や色の違いのほか、ブレッドボードの下に台座が付いたタイプもあります。
値段は一概に言えませんが、上で紹介した小さなタイプは東京・秋葉原の秋月電子通商で150円で売られているポピュラーなものです。高価なものでは5,000円以上するものもありますが、その分、機能的だとか扱いやすいといった利便性を備えているようです。
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幅が広く、ピン数が多いタイプのブレッドボード。上下端に並ぶ穴はその横の青や赤の線が示す通りに接続されています |
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サンハヤトの『ニューブレッドボード SAD-01』。小型ながら機能的で、扱いやすいブレッドボードです |
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台座付きのブレッドボードです。赤、緑、黒の端子を使うと、例えば電源からのリード線をしっかり固定できたり、ブレッドボードへの配線をより簡便に行なえます |
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色つきのブレッドボード。日本では入手しづらいブレッドボードですが、カラフルなので回路作りが楽しくなります |
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赤いブレッドボードを使って、青色発光ダイオードを光らせてみました |
台座付き以外のほとんどのブレッドボードは、裏側に両面テープが付いています。ブレッドボードは単体で使用しても良いのですが、両面テープを使って何かに固定して使うこともできます。
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ブレッドボードの裏側には両面テープが貼られています。その表面を覆う台紙を剥がせば、いろいろな所に貼り付けて使えます |
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中身を食べ終えたミント缶にブレッドボードを固定してみました。工夫すれば電池も缶に収められそうです。ブレッドボード上の回路は無安定マルチバイブレーターにより2つの発光ダイオードが交互に点滅するというものです |
ブレッドボード上にある穴は、内部で電気的に接続されている、と言いましたが、実際はどのような構造になっているのでしょう? 実は、ブレッドボードの裏側に貼られた両面テープを剥がすと、内部構造を見ることができます。
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ブレッドボード裏の両面テープを除去すると、こんな構造になっています。銀色に見えるのが、穴と穴を接続している金属です |
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裏面の様子と、穴と穴の接続を示した写真を比べると、その構造がよくわかります |
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ブレッドボードに内蔵されている銀色のパーツです。よく見ると、先端がクリップ状になっています。この部分により、ブレッドボードの穴から挿入されたパーツの足やリード線を押さえ、電気的に接続しています |
ここまで読んだあなたは、もうブレッドボードを理解しました。たった今から、我々ブレッドボーダーズの仲間です。さあ、これから一緒にブレッドボードを楽しみましょう!
■■ 注意 ■■
・この記事の回路や部品の使用例は、短時間の実験を目的としたものであり、一般的な利用を想定していません。
・実際に実験を行なう際は、怪我や火災などが起きないよう十分注意してください。
・この記事を読んで行なった行為によって生じた損害はPC Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません。
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【6月30日】【スタパ】Arduinoでマイコンしよう!!(ケータイ)
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/stapa/40638.html
【7月7日】【スタパ】もっと使うゼ!! Arduino!!(ケータイ)
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/stapa/40742.html
(2008年7月10日)
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船田戦闘機、スタパ齋藤、上杉季明によるユニット。電子工作からバンド演奏までさまざまな活動を行なうが、各活動に共通するテーマは“電気が通ること”としている。電子部品・電子回路の玄人ではなく、それらに対して強い興味を抱いている。ブレッドボーダーズは、そんな立ち位置から電子部品・電子回路に触れていくプロジェクトである。 |
PC Watch編集部
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