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マイクロソフト、企業向け機能を強化した
「Windows Mobile 6.1 日本語版」

Windows Mobile 6.1搭載のモバイルデバイス

6月18日 発表



 マイクロソフト株式会社は18日、企業向け機能を強化したモバイルデバイス向けプラットフォーム「Windows Mobile 6.1 日本語版」を発表した。

 エディションは、音声通話中心でタッチスクリーンを必要としない端末向けの「Standard」、データ通信中心でタッチスクリーンを有する端末向けの「Professional」、非接続型でタッチスクリーンを搭載する端末向けの「Classic」の3つが用意される。

 Windows Mobile 6.0をベースとし、主に企業ユーザーからのニーズを反映させ、操作性、生産性、管理機能の向上を目指した。特に大企業での使い勝手を高めた。

 操作性の向上面では、初期設定ウィザードの搭載により設定を簡易化したほか、Internet Explorerにズーム拡大/スクロール機能などを搭載。また、Bluetoothのペアリングを自動的に行なう機能を追加した。

 生産性については、新たに入力を自動補完するオートコンプリートに対応したほか、POP3メール取得時のプロトコルを最適化し、使用バンド幅を約60%削減した。また、Standardもリモートデスクトップに対応した。

 管理機能については、新たに発売する「System Center Mobile Device Manager 2008」に対応し、企業のドメインに接続する端末のセキュリティポリシーなどを一括管理可能となった。また、間違ったパスワードを指定した回数入力した場合、データ領域を初期化するなどの機能を搭載し、セキュリティにも配慮した。

企業からのニーズにこたえた機能強化 System Center Mobile Device Manager 2008と組み合わせることで管理性やセキュリティ性を向上 Device Managerでデバイスを事前登録し、ドメインに参加できるようにしたところ
Device Managerで発行されたワンタイムパスワードを入力するだけでドメインに参加できる 指定した回数の間違ったパスワードを入力するとデータ領域を消去する機能をDevice Managerから一括管理できる デバイスに装着されているカメラも無効に設定できる

●大企業ユーザーを中心に展開、iPhoneに対抗

同社 執行役 常務 ビジネス&マーケティング担当 佐分利ユージン氏

 同日に都内で行なわれた製品発表会では、同社 執行役 常務 ビジネス&マーケティング担当の佐分利ユージン氏が挨拶。同氏はまず現在のWindows Mobileビジネスの環境を紹介し、「初めてWindows Mobileを搭載した携帯電話の出荷から6年間で、Windows Mobileは55カ国の160の通信事業者と49のデバイスメーカーが採用するまで成長した。一方、日本国内においても4オペレータ、4メーカーによる13機種で展開された経緯があり、今後も継続して投資する分野である」と話した。

 競合するとみられるiPhoneについても触れ、「IDCの分析によれば、2012年時点でWindows Mobile搭載携帯電話の出荷数はコンシューマー市場においてはiPhoneの2倍、法人市場においては8倍になるという予測がある」とする。特に法人に強い理由は、「今後の拡張性や、ニーズへの対応の容易さの面ではWindows Mobileのほうが優れるため」とした。

 具体的には、マイクロソフトはWindows MobileとデスクトップOSのみならず、サーバーOSや、オンラインサービスなど包括的なソリューションがある。また、Windowsベースのアプリケーション開発が利用できるので、iPhoneと比較して開発が容易だという。

 IDCの予測によれば、法人市場のモバイルワーカーは、2006年の8億人から2011年に10億人に増えるといい、ワーカーの30%がモバイル中心になるという。特に日本では交通事情などの理由からモバイルワーカーの構成比は79.6%と高い比率であり、国内のビジネス向けモバイル市場が活性化する可能性が高いと指摘した。

 今回のWindows Mobile 6.1の機能強化において特に重要なのはセキュリティだという。現在、SOX法や個人情報保護法の施行によりセキュリティへの意識が高まりつつある一方、2007年の遺失物取扱集計データの中で、携帯電話の紛失が10万件あったことを挙げ、「万が一携帯電話を紛失した時、データ流出を食い止めなければならない。我々の製品ではこれらのニーズに対応することができる」とした。

企業からのニーズをデバイスに反映 法人市場におけるモバイルワーカーの増加
遺失物は携帯電話も多く、情報流出の一因となっている Windows Mobile 6.1とSystem Center Mobile Device Manager 2008と組み合わたシステム構築例

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/ja/jp/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3470
□関連記事
【2007年6月6日】マイクロソフト、携帯端末向けプラットフォーム「Windows Mobile 6 日本語版」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0606/ms.htm

(2008年6月18日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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