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マイクロソフト、携帯端末向けプラットフォーム
「Windows Mobile 6 日本語版」

Windows Mobile 6を搭載した東芝製端末「X01T」

6月6日 提供開始



 マイクロソフト株式会社は6日、携帯端末向けプラットフォーム「Windows Mobile 6 日本語版」(以下WM6)を携帯メーカー向けに提供開始したと発表した。

 Windows CE 5.0をベースに、従来のWindows Mobile 5から機能強化を図ったプラットフォーム。主にモバイルメッセージング機能の強化、Webエクスペリエンスの向上、セキュリティの向上が図られてる。

WM6の主な強化点 モバイルメッセージング機能の強化
Webエクスペリエンスの向上 セキュリティの向上

 モバイルメッセージングでは、新たにHTML形式のメールをサポートし、PCから送信されるメールとの親和性を高めた。また、Exchange Serverとの連携機能を強化し、サーバー上にあるメールの検索、セキュリティメールへの対応、SharePoint Portal Server上のファイルへのリンクによるアクセスなどに対応し、企業でのニーズに応えた。

HTMLメールに対応したOutlook Exchange上にあるメールでセキュアなメールの一例。転送項目が選択できなくなっている。デモはMEDC 2007基調講演にて PowerPoint 2007形式のファイルも表示可能

 Webエクスペリエンスでは、Internet Explorer Mobile(以下IEM)が強化され、VGA(640×480ドット)やWVGA(800×480ドット)へ対応したほか、JavaScriptやAJAX、DHTML/XHTMLなどに対応した。レンダリングアーキテクチャも改善され、表示スピードが約30%向上するという。また、Windows Liveサービスも統合され、メッセンジャー/Web検索/ブログなどのサービスをアプリケーション上で利用できる。

WVGA対応になったIE Windows Live機能も統合され、Messengerが利用可能に Today画面からLive Searchも利用できる

 セキュリティの向上では、PKCS#12証明書の取り込みやワイルドカード証明書のサポート、外付けメモリカード上のデータの暗号化のサポート、パスワードポリシーの強化などが図られた。端末紛失時に外部からデータを消去するワイプ機能もメモリカード内の消去に対応。このほか、SQL Server Compact Editionや.NET Compact Frameworkが標準で実装され、アプリケーションの開発を容易にした。

外部メモリカードを暗号化できるセキュリティ機能 検索機能も強化され、アドレス帳ではWindows Vistaと同様にリアルタイム絞込みが行なえる Store and Forward機能により、片方のデバイスからサーバーを通じてもう片方のデバイスに情報を転送可能。デモでは右のデバイスから左のデバイスにパーツ情報を送ろうとすると、サーバー上の情報が更新されるとともに、左のデバイスにサーバー情報が強制的にプッシュされるというもの
クロスプラットフォーム上でメディアを表示するSliverlightにも対応しており、PCのブラウザと同等の表示が可能で、文字などの解像度も自動的に携帯端末に合わせられる 同じページをPCで表示させたところ Silverlightの開発画面。デモでもSilverlightのロゴをタイムラインに追加し、フェードインするエフェクトを簡単に実現できることをアピール

 WM6のラインナップは、Professional、Standard、Classicの3種類に分けられる。Professionalは最上位で、OutlookやIEM、Live、Media Player Mobile、Office Mobile、Marketplace、タッチスクリーンUI、IPテレフォニー、リモートデスクトップモバイルなを備える。Standardでは上記からタッチスクリーンUIとリモートデスクトップ、ClassicではIPテレフォニーを省いた製品となる。

 搭載機種として、既にStandardを搭載したソフトバンクモバイル向けのX02HT(HTC製)、Professionalを搭載したX01T(東芝製)が発表されているほか、ウィルコムがClassic搭載端末を6月7日に発表するとしている。

WM6のラインナップの機能別一覧 国内でのWM6搭載機種。ウィルコムは7日に発表する予定

●3年間かけて毎年出荷台数を3倍に

 6日に都内で開かれた製品発表会では、同社 執行役常務 ビジネス&マーケティング担当 佐分利ユージン氏が挨拶。同氏は、「WM6は当社の年度決算の前では最後に発表される製品であり、力を入れて行きたい」と説明した。

 具体的な戦略として、パートナーおよびキャリアの拡大により、搭載端末数を広げ、ハイエンドビジネスユーザーや法人市場を中心に展開する「3×3」戦略を実施。3×3とは「3年間かけて、毎年ごとにWindows Mobile搭載機の出荷台数を3倍にする」という意味だという。

同社 執行役常務 ビジネス&マーケティング担当 佐分利ユージン氏 国内市場はキャリアと端末数が増加し順調

 一方ワールドワイドでの展開について、米国本社 モバイルコミュニケーションビジネス ジェネラルマネージャ トニー メストレス氏は、「現在Windows Mobile搭載端末は48のメーカーから出ており、対応サービスも拡大しつつある。我々は2006年度で600万台を出荷したが、2007年度上半期だけで500万台を超える見込みで、2008年度には2,000万台の出荷を目指す」と述べた。

米国本社 モバイルコミュニケーションビジネス ジェネラルマネージャ トニー メストレス氏 端末メーカーとサービスの拡大 2008年度には2,000万台の出荷を目指す

 協業パートナーとして、BBソフトサービス株式会社 取締役COO 瀧進太郎氏が登壇し、同日より開始されるWindows Mobile端末向けアプリケーションポータルサービス「BBソフトダイレクト モバイルアプリケーション」を紹介。現在提供するタイトルは31タイトルで、体験版は12タイトルだが、年内に数百タイトルまで増加させるとした。

 HTC Nippon株式会社 代表取締役 社長 ジェニファー・チャン氏も登壇し、「これまで我々の日本での成功は、マイクロソフトの支援があってこそだった。今後もパートナーシップをよりいっそう強化し、日本でのHTC製品の展開に力を入れていきたい」と語った。

BBソフトサービス株式会社 取締役COO 瀧進太郎氏 HTC Nippon株式会社 代表取締役 社長 ジェニファー・チャン氏

 質疑応答では、製品の法人/個人向け市場の出荷割合についての質問がなされ、佐分利氏は、「割合は法人対個人で9:1の比率になるだろうと予測している。これは主にWM6は法人向け機能が強化されているからだ。マーケット的にもパワービジネスユーザーをターゲットにしており、デバイス自身もビジネスライフをサポートするように設計されている」と答えた。

発表会場で展示されたソフトバンク向け東芝製端末X01T キーボードを開いたところ ソフトバンク向けHTC製端末「X02HT」
BBソフトダイレクト モバイルアプリケーションのトップページ 参考展示されたi-mate製端末「JAQ4」。以降の製品は国内発売未定 i-mate製端末「SP1」
HP製端末「iPAQ Voice Messenger」 Motorola製端末「Q8」 Samsung製端末「SCH-i760」

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3084
□製品情報
http://www.microsoft.com/japan/windowsmobile/default.mspx
□関連記事
【3月7日】マイクロソフト、Windows Mobileの堅調なビジネスをアピール
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0307/ms.htm

(2007年6月6日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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