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【Connecting Your Worldレポート】

HP、約18mmのスリムノート「Voodoo Envy 133」
~ゲーミングデスクトップ第2弾も

Voodoo Envy 133

6月10日(独時間)発表



 米Hewlett-Packard(HP)は10日(独時間)、「Voodoo」ブランドのノートブック「Voodoo Envy 133」(以下、Envy)とデスクトップ「Voodoo Omen」(以下、Omen)の2製品を発表した。

 なお、以下の製品情報は、発売時には仕様や外観など変更される可能性がある。

●モバイルノート「Voodoo Envy」

 Voodooはゲーミング向けのハイエンド製品として定評があるブランドだが、今回発表されたEnvyは、薄さと軽さを追求したモバイルノートである。液晶のサイズは13.3型で、約18mmという薄さを実現。これまで日本のメーカーが得意とし、最近ではアップルも参入したこの分野に、HPがVoodooブランドで殴り込みをかけてきたことで、会場では大きな注目を集めている。

 現時点で細かい仕様については公開されていない部分もあるが、展示されていた実機から入手した情報を踏まえると、本体サイズは約323×230×18mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.5kg以下となっている。

 この薄さを実現した要因の1つは液晶のバックライトにLEDを採用した点。もう1つが、インターフェイスをHDMIとUSB 2.0×2、USB 2.0/eSATAコンボポート、音声出力という、背の低い端子に限定したことも寄与している。

 そのため、Envyの本体にはEthernetがない。MacBook Airも同様にEthernetがなく、無線LANのみで通信する仕様となっているが、EnvyではACアダプタにEthernetポートを設けることで有線通信も可能にしているのである。そのため、ACアダプタをつなげば、有線LANにも繋がることになり、本体につなぐケーブルの数/手間を削減できている。利便性と薄型化を両立させたうまいやり方だと言えるだろう。

本体右側面にはUSB 2.0/eSATAコンボポート、USBドングル 2.0と電源端子 本体左側面にはHDMIとヘッドフォン端子のみ EthernetはなんとACアダプタにつなぐ

 ディスプレイ出力についても、HDMI→ミニD-Sub15ピンの変換ケーブルが付属するので、非HDMIディスプレイへの接続も問題ない。

 薄型化により堅牢性が懸念されるが、筐体素材にカーボンファイバーを採用することで剛性を確保しているという。

 筐体は全面ピアノブラック塗装で、角のあるデザインとなっている。また、液晶やタッチパッド部に一切継ぎ目がなく、1枚板となっているところにもこだわりを感じる。これは、周辺機器も同様で、ACアダプタ、HDMI変換ケーブル、外付けDVDドライブはもちろん、バッテリまでデザインを統一している。

 Voodooブランドらしいギミックとして、キーボード内部にもLEDを仕込んであり、手をキーボードに載せると刻印とキー周辺が白く浮かび上がる。

光学ドライブ(右)や、HDMI→ミニD-Sub15ピン変換ケーブルもデザインを統一 液晶やタッチパッドには継ぎ目がない
バッテリも本体と同じデザインで、取り外すとVoodooロゴが見えるというこだわり キーボードにはバックライトが内蔵されている

 内部仕様はほとんど公開されていないが、デモ機はCore 2 Duo L7100(1.2GHz)を搭載し、チップセットはIntel GM965 Express(ビデオ機能内蔵)を採用。ストレージは80GB HDDと64GB SSDが検討されている。このほか、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth、Webカメラを装備。バッテリは6セルで、駆動時間は約3.45時間。

 OSはWindows Vistaだが、インスタント機能としてWindowsを起動せずに、音楽の再生や、Webブラウズ、Skypeなどの機能を利用できる。米国での価格は2,099ドルより。

GPUはチップセット内蔵 Windowsエクスペリエンスインデックスの結果 Windowsを起動せずにブラウザやSkypeを利用できる

●ゲーミングデスクトップ「Voodoo Omen」

Voodoo Omen

 Omenは伝統的なゲーミングデスクトップ。特徴の1つは、マザーボードのI/Oパネルが上を向くよう90度回転して配置している点。これにより各端子へのアクセスが容易になっている。普段はカバーをとりつけるので、本体の天板にケーブルがむき出しになることはない。

 もう1つの特徴が前面上部に7型の液晶ディスプレイを内蔵している点。これはセカンダリディスプレイとして機能するようになっており、同社ではフルスクリーンでゲームをプレイしているときに別のウィンドウを表示させたり、システムの内部情報を表示させると言った用途を提案している。

 先に発売されたVoodooブランドの「Blackbird 002」がややゴツゴツとしたデザインとなっているのとは対照的に、OmenはEnvy同様、フラットなデザインとなっている。同時に、本体下の部分に空洞を作ることで、Blackbird 002同様に、空中に浮かんでいるようなイメージを持たせている。また、サイドパネルを開けると6台のHDDベイが現われるのも、Blackbird 002を踏襲している(Blackbird 002は5台)。

 Blackbird 002もCPUは水冷だったが、Omenは2枚あるビデオカードやノースブリッジも水冷対応にしている。ちなみに、GPUについては基調講演で「4GPU」と説明されていたので、GeForce 9800 GX2のSLIと思われたが、本体内部に小さく書かれた説明には「Next Generation NVIDIA Graphics SLI」と記載されていたので、発売時には次世代GPUが採用される模様だ。

 このデモ機の仕様は、Core 2 Extreme QX9770(3.2GHz)、DDR3-12800メモリ×4、10,000rpm 150GB HDD、64GB SSD、1,150W電源となっていた。

CPU、ノースブリッジ、GPUの冷却は水冷 マザーボードのI/Oパネルが上を向くが、カバーがあるので、ケーブルはむき出しにならない
正面上部に7型のサブディスプレイを内蔵 HDDは6台まで工具無しに取り付け可能

 最後に気になる発売についての情報だが、10日に行なわれた担当役員へのインタビューでは、「Voodooシリーズはエンスージアスト向けのハイエンド製品で、米国にしか出荷しない」と日本での発売を明確に否定していた。

 しかしながら、11日の最後に行なわれたアジア太平洋地域の担当役員へのインタビューでは「10日以降、プレスから得られたフィードバックで、Envyに対して強い興味と需要があることが分かった」とし、急遽Envyのみは米国以外でも発売を検討することを明らかにした。日本でも人気のジャンルの製品だけに、期待して待ちたい。

□HPのホームページ(英文)
http://www.hp.com/
□関連記事
【6月11日】HP、今秋以降発売の新製品を一堂に発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0611/hp.htm
【2007年9月10日】米HP、VoodooPCのDNAが息づく水冷ゲーミングPC「Blackbird 002」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0910/hp1.htm

(2008年6月12日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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