【COMPUTEX TAIPEI 2008】ASRock&OCZ編
ASRockらしい一風変わったマザーボードを展示
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最近の展示会では必ずといっていいほど、どこかのブースで姿を見ることができるFatal1ty氏。今回はOCZ Technologyのプライベートルームで、同社がリリースするFatal1tyブランドメモリをPRしていた |
会期:6月3日~7日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
Taipei International Convention Center
●ASRockがPCI Express x16×2基を利用可能なP45マザーを展示
個性派マザーボードベンダーで名を馳せるASRockは、COMPUTEX TAIPEI会場付近のGrand Hyatt Taipei内にプライベートルームを設置。マザーボードの新製品を多数展示した。
今回のCOMPUTEX TAIPEIに出展している他のマザーボードベンダー同様、同社の展示製品もIntel 4シリーズチップセットを搭載したものがメインとなっている。ただ、ほぼすべての製品がDDR3/DDR2 SDRAM両対応のコンボ製品となっているあたりは、ASRockらしい部分といえるかも知れない。
さらに、Intel P45はマルチビデオカード構成をサポートする点が大きなトピックだが、この場合、PCI Expressスロットの論理インターフェイスはPCI Express x8×2基となる。しかし、同社の「P45R2000Booster-WiFi」は、マルチビデオカード構成においてもPCI Express x16×2基で動作が可能だという。実際にRadeon HD 3870を2枚搭載したCrossFire環境を構築したデモも実施した。
Intel P45搭載製品でありながら、PCI Express x16×2基構成でのマルチビデオカードをサポートする「P45R2000Booster-WiFi」 | P45R2000Booster-WiFiとRadeon HD 3870×2枚を使い、CrossFireを構築するデモを実施 |
この機能の実現にあたっての技術的背景については“秘密”とされている。なお、同社の最近の製品は、常にPCI Express x16での動作が可能なスロットは緑色、マルチビデオカード時にレーン数が減るスロットは青色に区別されているが、同製品は当然ながら両スロットとも緑色のパーツが使われているので、区別が容易になっている。
なお、同社のIntel P45はいずれの製品名にも「2000」という数字が記されているが、これは2,000MHz FSBへのオーバークロック機能のことを表している。一方のメモリのオーバークロックに関しては、DDR3 SDRAMはDDR3-1333という定格までで、DDR2 SDRAMのみDDR2-1066での動作可能という、おとなしいサポートになっている。
このほか、同社のラインナップにはIntel G45のみが存在していないが、これについてブーススタッフは、“Intel G43とG45は同じ設計で製品化が可能なので、1~2カ月のうちに製品を追加する予定”としている。
Intel P45+ICH10Rを搭載する「P45R2000-WiFi」。ICH10Rと無線LAN機能の搭載が特徴 | Intel P45+ICH10Rを搭載する「P45R200」。こちらは無線LAN非搭載のICH10Rモデル | Intel P45+ICH10を搭載する「P45TurboTwins2000」。ICH10を搭載するモデル |
Intel P43+ICH10を搭載する「P43Twins1600」。液体コンデンサを利用する最廉価モデル | Intel G43+ICH10を搭載する「G43Twins-FullHD」。IOリアパネルにはミニD-Sub15ピンしか搭載しないが、専用カードを用いることでDisplayPortとDVI出力を追加できる |
AMDプラットフォーム向け製品では、他の一部マザーベンダーも展示しているAMD 790GX搭載製品が展示された。AMD 790GXは、AMD 790FXとAMD 780Gを統合・強化したようなグラフィック統合型チップセット。AMD 790FXで提供されるCrossFire X、AMD 780Gで提供されるHybrid Graphicsの両方を利用できるチップセットであるほか、AMD 780Gよりもグラフィック性能は高いという。また、サウスブリッジも新しいSB750が組み合わせられる。SB700との違いは不明だが、基本的には似た機能を持ったサウスブリッジとのことである。
このほか、グラフィック統合型チップセットであるAMD 780Vを搭載しつつ、ディスプレイ出力端子を一切持たないディスクリート型マザーボードという変わった製品も展示された。
これは、Hybrid Graphicsでの利用を前提にするというコンセプトで作られた製品とのこと。もちろん、普通にビデオカードを装着して利用することも可能であるほか、AMD 780Vであるにも関わらず、x16+x8構成によるCrossFire Xをサポートするという。こちらもいかにもASRockらしいキワモノの香りが漂う製品になっている。
AMD 790GX+SB750を搭載する「ODE790GX-WiFi」 | AMD 780V+SB700を搭載する「A780FullCrossFire」 |
●全レーンの出力調整が可能な電源などを展示したOCZ Technology
PCゲーマー向け製品を中心に製品展開を続けるOCZ TechnologyもGrand Hyatt Taipeiにプライベートルームを用意。こちらも個性的な展示物が並んでいた。
そのなかでも面白いアイデアだと感じたのが、ノートPC向けの「3GBメモリキット」だ。言うまでもなく、32bit版Windowsにおいて4GBをフルに認識できないことに対したもの。ただし、1GBモジュールと2GBモジュールの組み合わせになるため、デュアルチャネルメモリインターフェイスを持つチップセットであっても、一部の容量はシングルチャネルアクセスになる制限はある。それでも、3GBのキットというのは意外にニーズがあるかも知れない。
PCパーツとしては、冒頭でも紹介したFatal1tyブランドのメモリを展示したほか、電源ユニットもいくつかの新製品が並んでいた。1,200W電源となる「TURBO-COOL 1200W」は、“超エンスージアスト向け”というコメント付きで紹介されたもので、各電圧の出力を0~100%の範囲、つまり完全に出力をコントロールすることが可能となっている。現時点ではコンセプトモデルとなるためデザインも取って付けたようなものになっているが、ここまでの機能を求めるユーザーもいるのだろう。このほか、ESA対応電源「TURBO-COOL 860W」も展示されている。
1,200W電源の「TURBO-COOL 1200W」は、各電圧のフルコントロールを可能にしているのが特徴の電源ユニット | NVIDIAが提唱するESAに対する「TURBO-COOL 860W」も展示 |
このほか、同社が最近力を入れているのが入力デバイス。Alchemyというキーボードブランドを立ち上げ、高機能キーボードとコンパクトキーボードの新製品2モデルを展示。「Elixir」と名付けられた高機能モデルは、全キーボードをラバーコーティングしたほか、10個のマクロキーを装備する。
併せて紹介されたゲーマー向けマウス「Dominatorix」は、X軸/Y軸を独立して400~3,200dpiまでの範囲で解像度をカスタマイズできるほか、底面へのウェイト埋め込み、プログラマブルボタンを2個装備するなどの機能を持っている。各種設定はマウスに搭載されたフラッシュメモリに記録される。
同社のゲーマー向けキーボードブランド「Alchemy」シリーズに属する「Elixir」 | 同じく「Alchemy」ブランドのコンパクトキーボード | 「Donatorix」はゲーマー向け機能を特徴とするレーザーマウス |
□ASRockのホームページ(英文)
http://www.asrock.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.asrock.com/news/show.asp?id=124
□OCZ Technologyのホームページ(英文)
http://www.ocztechnology.com/
□関連記事
【6月5日】【COMPUTEX】Intel 4シリーズチップセット発表会レポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0605/comp09.htm
【6月5日】【COMPUTEX】AMDがノートPC向け新プラットフォーム“Puma”を紹介
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0605/comp12.htm
【6月4日】【COMPUTEX】Intel基調講演レポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0604/comp07.htm
(2008年6月6日)
[Reported by 多和田新也]