【COMPUTEXT TAIPEI 2008】GIGABYTE新製品発表会
GIGABYTE、11種類のP45搭載マザーボードをリリースへ
|
GIGABYTEのP45搭載マザーボードを利用してCore 2 Extreme QX9650(3GHz、クアッドコア)を5.5GHzにオーバークロック |
会期:6月3日~7日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
Taipei International Convention Center
GIGABYTEは、COMPUTEX TAIPEI期間中に報道関係者を集めた記者会見を開催し、Intelが4日に発表したIntel 4シリーズ・チップセットを搭載したマザーボードを発表した。
自作ユーザー向けの主力製品になると考えられているP45を搭載したマザーボードは、合計で11モデルもラインナップされており、独自の省電力機能や充実したオーバークロック機能などで、他社製品との差別化を狙っている。
また、発表会後に報道陣に公開された新製品の中には、AMDの未発表GPUであるRadeon HD 4850が含まれており、報道陣の注目を集めていた。
●P45はP35を上回る機能や性能を実現する、強力な自作PCユーザー向けのチップセット
Intel グラフィックス開発部門 ジェネラルマネージャのEric Mentzer氏 |
GIGABYTEの記者会見にはGIGABYTEだけでなく、Intel グラフィックス開発部門 ジェネラルマネージャのEric Mentzer氏がゲストで呼ばれ講演を行なった。Mentzer氏は「IntelとGIGABYTEは非常に長いパートナーとしてやってきた。今回のIntel 4シリーズ・チップセットでも多数の製品をリリースしていただいており、感謝したい」と述べ、IntelとGIGABYTEの良好な関係に言及した。
もちろん、Mentzer氏の話題の中心は、昨日(6月4日)に発表されたばかりのIntel 4 シリーズ・チップセットだった。Mentzer氏によれば「P45は従来の製品に比べて機能や性能が向上している。例えば、PCI ExpressはGen2をサポートし、標準でx8×2構成をサポートする。さらにはIntel eXtreme Memory Profile(XMP)をサポートするなど、DDR3メモリ周りの機能も拡張されている」とし、P45はP35に比べて自作ユーザー向けの機能が増えているとアピールした。
また、G45に内蔵されているGPUについても触れ、「G45では、3D描画性能が向上しているほか、HDビデオをハードウェアでデコードそしてエンコードもできるようになっている。また、DirectX 10に対応しており、Vista Premiumロゴにも対応できる。そして忘れてはならないことは、G45世代は65nmプロセスルールで製造されている」と話した。
Intel 4シリーズ・チップセットは45nmプロセスルールのCPUに最適化されているとアピール | P45の特徴を説明するスライド、x8×2のPCI Express Gen2やXMPメモリのサポートなどの特徴を備えている | G45の特徴を説明するスライド、HDビデオのエンコードやデコードなどができるようになっている |
●独自の省電力機能となるDynamic Energy Saver Advancedを搭載
GIGABYTEのテクニカルマーケティングマネージャのCollin Brix氏は、新しいP45マザーボードに搭載された新機能を説明した。中でも時間が割かれたのが、Dynamic Energy Saver Advanced(DES Advanced)と呼ばれる新しい省電力機能だ。
Brix氏によれば新しいP45マザーボードにはIntersilのコントローラチップが搭載されており、それを利用して動的に省電力管理を行なうという。具体的にはCPU負荷に応じて、電圧変換に利用する回路の数を動的に増減する。GIGABYTEのマザーボードでは最大で6フェーズの電圧変換器を搭載しているので、それをCPU負荷が増えてくれば利用するフェーズ数を増やし、逆にCPU負荷が少ない時には減らしていくという。
そのコントロールはハードウェアで行なっているため、特にOSに追加のドライバやソフトウェアなどを組み込まなくても動作する。設定を行なうには、Windows向けに提供されるユーティリティをインストールする必要があるが、一度設定を行なえば、次にブートする時から自動で動作するようになる。
なお、この機能はユーザーがオーバークロックを行なっている場合でも有効で、その場合でもやはりCPU負荷が低い時などには動的にフェーズ数を減らすなどのコントロールをするという。
このほかにも、TPMを搭載し、それを利用してHDD上のデータの暗号化を行うUltraSecure、ハードウェアRAIDのコントローラチップを2つ搭載することで、ユーザーが意識しなくても自動でデータのバックアップができるSmart Backup、現在マザーボードがどのACPIのステートにあるかを示すLED、さらにはマザーボード上に直接用意された起動用のスイッチなど多数の特徴を備えているとアピールが行なわれた。
より細かなコントロールなど、オーバークロックユーザー向けの機能も充実 | BIOSセットアップで調整できるオーバークロック関連の項目も増えている |
●P45マザーボードを利用してCore 2 Quad Q9650を5.5GHzまでオーバークロック
さらに、GIGABYTEのテクニカルマーケティングマネージャのPhillipe Ke氏は、新しいP45を搭載したマザーボードのオーバークロック機能を利用した、オーバークロックデモを行なった。利用されたのは、GA-EP45-DQ6というP45搭載マザーボードで、Core 2 Extreme QX9650(3GHz)をオーバークロックした。
Ke氏は、QX9650のFSBを1,836.2MHz(既定は1,333MHz)まで引き上げ、さらに倍率を12倍にすることで5.5GHzを実現し、実際にSuperΠを走らせ完走させる様子をデモさせた。ただし、CPUクーラーはさすがに空冷ではなく、ドライアイスと思われるものを利用して強制的に冷却する特殊なクーラーを利用していた。
さらに、BIOSセットアップを起動して見せ、オーバークロックユーザー向けに設定が豊富な様子などを見せ、同社のP45搭載マザーボードがオーバークロックユーザー向けの製品であるとアピールしていた。
なお、Ke氏によれば「65nmプロセスルールにシュリンクしたP45は、P35よりもオーバークロックに適している」とのことで、そうした点もオーバークロックユーザーにはP45搭載マザーボードを選択する理由の1つになりそうだ。
GIGABYTEテクニカルマーケティングマネージャ Phillipe Ke氏 | CPUクーラーは空冷ではなく、ドライアイスか液体窒素のようなものを利用して冷やしていた | 5.5GHzのCore 2 Extreme QX9650(クアッドコア)を動作させていた |
BIOSセットアップにも細かく設定できるオーバークロック関連の項目が多く用意されている | オーバークロックの設定をプロファイルとして保存しておくこともできる |
●未発表のAMDのGPUを搭載したビデオカードもひっそりと展示される
発表会終了後には、同社のマザーボードやビデオカードの新製品などが報道陣に公開された。マザーボードはIntel 4シリーズ・チップセットを搭載したマザーボードが中心だったが、ビデオカードのコーナーにはまだAMDから発表されていないRadeon HD 4850というGPUを搭載したビデオカードが展示されていた。
展示されていたボードによれば、PCI Express Gen2、DirectX 10.1、CrossFire Xに対応しており、512MBのGDDR3メモリを搭載しているという。現時点ではAMDから正式発表がないため、このRadeon HD 4850の詳細は不明なのだが、開発コードネームRV770で知られる次世代GPUのことではないかと推測される。すでに、サンプルのビデオカードが存在しており、展示されているということは、こちらのリリースもそんなに遠い話ではないのかもしれない……。
□GIGABYTEのホームページ(英文)
http://www.gigabyte.com.tw/
□製品情報(英文)
http://www.gigabyte.com.tw/Products/Motherboard/Products_List.aspx?VenderType=Intel&CPUType=socket+775#Intel P45
□関連記事
【6月4日】【COMPUTEX】Intel、Centrino2の発表は7月3週に決定
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0604/comp07.htm
(2008年6月5日)
[Reported by 笠原一輝]