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日本HP、Barcelona搭載のx86サーバー
~AMDとの協業で価格性能比が向上

日本HP 松本芳武氏(左)と、日本AMD 吉沢俊介氏(右)

6月下旬 出荷開始



HP ProLiant DL785 Generation 5(左)とHP xw9400 Workstation(右)

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は22日、クアッドコアのOpteronプロセッサ(Barcelona:バルセロナ)を搭載したx86サーバー「HP ProLiant」シリーズと、ワークステーション(WS)「HP Workstation」を発表した。6月下旬より出荷開始する。

 WSモデルを除き、学術計算や金融などHPCを主なターゲットにするとともに、通常のビジネス業務システムもターゲットとする。ラインナップはラックサーバーが5モデル、ブレードサーバーが2モデル、ワークステーションが1モデルで、いずれもBTOに対応する。

 ラックタイプは最小構成で1 CPU(最大2ソケット)の「HP ProLiant DL165 Generation 5」が155,400円より。最大8ソケットに対応する「同DL785 Generation 5」がラインナップに追加された。ブレードサーバーは「同BL465c Generation 5」が1 CPU(最大4ソケット)で319,200円より。WSは「HP xw9400 Workstation」が1 CPUの水冷仕様で560,700円より。

 8ソケット搭載で7U筺体のDL785 Generation 5は、メモリを最大256GB、最大8基のSAS HDDを搭載可能なほか、PCI Express x16スロットを11基備え、x86サーバーとして業界最大の拡張性を備えるという。また、AMDの最新CPUを採用したことで、パフォーマンスが57%向上。加えて戦略的な価格付けを行なったことで、価格性能比は91%向上したとしている。

 HP xw9400 Workstationはネイティブなクアッドコア CPUを搭載したモデルで、映像制作や編集を、地質探査などをターゲットととする。AMDのCPUはホットスポットが集中しているため、空冷よりも水冷が最適で、パフォーマンスと静音性を両立したとしている。

HP ProLiant DL785 Generation 5 HP xw9400 Workstation HP ProLiant BL465c Generation 5

●HPとAMD、その協業の歴史

 同日開かれた発表会では、日本HP エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 執行役員 松本芳武氏がAMDとの協業関係について振りかえる。

 同氏は、「コンシューマ分野からスタートして12年にわたり、協業により最先端の技術/製品を提供してきた」と語る。サーバー分野では2004年にOpteronを搭載し、2005年にはデュアルコア製品の投入、続いて仮想化分野での協業強化など、いち早く最新技術を投入することでHP ProLiantの出荷台数/シェアを拡大してきたという。

日本HP 松本芳武氏 12年にわたる協業の歴史 AMDとのアライアンス強化につれてHP ProLiantも成長

 日本AMD株式会社 取締役 マーケティング本部 本部長 吉沢俊介氏は、これを受けて、最新のCPUテクノロジーを紹介した。

 同氏は「我々の技術はシリコンの技術。それを顧客に届けるには、パートナーと密にやっていかなければならない。次世代、次々世代の製品についてもそのデフィニション(定義)から相談し、システムレベルでのアドバイスをいただきながら開発している」と協業関係を明らかにする。

 最新のCPU技術については、CPUのアーキテクチャの改良、共有L3の搭載、浮動小数点演算の強化を挙げるとともに、インターコネクトである「Direct Connect Architecture」による仮想化機能の優位性とスケーラビリティを挙げた。競合他社がこれから同様なインターコネクトを搭載することに触れ、2003年4月のOpteronから現在に至るまで同じアーキテクチャを継承してきた、と先見性を強調した。

 そして、同社のデュアルコア製品やIntelのXeon E5440/E7350と比較することでパフォーマンスの優位性をアピール。仮想化においては、Rapid Virtualization Indexingを実装。メモリアドレスの変換をハードで高速処理し、仮想化のパフォーマンスを向上させる。2009年には、仮想化におけるI/Oの最適化「IOMMU」についてもチップセットに実装させる予定だ。

 最後に今後のOpteron製品の展開について説明。45nmで製造され、6MBのL3を搭載するShanghai(コードネーム:シャンハイ)はすでにラボでできており、HPにもサンプルを提供しているという。Shanghaiは2008年後半に出荷予定。その後は6コアのIstanbul(同:イスタンブール)を計画。2010年以降は12コアの製品も計画する。

日本AMD 吉沢俊介氏 Opteron AMD-Vの特徴
Direct Connect Architecture Xeonやデュアルコア製品との比較 サーバー向け製品のロードマップ

□日本HPのホームページ
http://www.hp.com/jp/
□ニュースリリース
http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2008/fy08-110.html
□製品情報
http://h50146.www5.hp.com/products/servers/proliant/
http://h50146.www5.hp.com/products/workstations/
□関連記事
【2007年9月10日】AMD、BarcelonaことQuad-Core Opteronを正式発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0910/amd.htm

(2008年5月22日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

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