フル有機LEDキーボード「Optimus Maximus」ハードウェアレビュー
発売中 前回の「写真と動画で見る編」に続き、今回は「Optimus Maximus」の使い勝手の面についてレビューしたいと思う。また、前回の記事を見た読者の方から質問や要望のメールをいただいたので、それらについても可能なものはチェックしてみた。 まず、単純なキーボードとして見た場合の操作感だが、キーピッチは約20mm、キーストロークは実測で約2.5mmとなっており、一般的と言える。キーの重さは割とあり、ノートPCの浅くて軽いキータッチに慣れていると、結構重く感じられる。特にスペースキーは重い。 打鍵感は、可もなく不可もなくといったところだが、重いので印象はあまり良くない。打鍵音はやかましい部類に入ると思う。ちなみに、キーのスイッチはCherryのMLキーを採用している。キーの同時押下数は6キーとなっている。 できれば体験したくないことだが、キーを取り替えるには、まず思い切ってキーを引き抜く。それようのリムーバーがついているのだが、リムーバーの厚みがキー周辺の溝の幅より厚いため、片方の爪しか入れることができない。当然、その状態だとキーを斜めに引き抜く形になり、下手をするとディスプレイのヘッダピンなどを折りかねないので注意したい。予備のキーには、一般キー用のカバーがつけられているので、幅広のキーを交換する際はこのカバーも外して交換する必要がある。
この製品で一番気になったのは「F」と「J」キーにホームポジションを示す凹凸などがないことだ。ひとたび、ホームポジションに手を置けば、後は普通にタッチタイプできるが、マウスに手を伸ばして、戻した時にずれたところに手を置いてしまうことがある。目で見て確認するか、使い込んで慣れるしかないだろう。 キートップはつるつるしているが、不意に指がすべったりすることはない。この点は個人的には好印象なのだが、編集部のスタッフには普段指をすべらせてタイピングしているものもおり、これでは打ちにくいとのことで、人それぞれのようだ。使っていると指紋が目立つようになる。高級品だし、なんと言っても「顔が命」の商品なので、マメに拭いてやりたいところだ。浸水などを避けるためにも、どこか専用のカバーを作ってくれないだろうかと思うが、ユーザー数があまりに少ないので、叶わぬ願いだろう。 2006年にレビューした3キーだけの「Optimus mini three」は、動作時にディスプレイから「ジィー」っというノイズが発生していた。Optimus Maximusでも、電源を入れた起動時に各キーが点滅するのに合わせて「パッパッパッ」と音がしたので、一瞬不安がよぎったが、起動後は表示を変更させたりしても、少なくともオフィスにいる限りは全くノイズの類は聞こえてこない。 ACアダプタは小型のもので、実測値は94×42×27mm(幅×奥行き×高さ)。ケーブルの長さは、アダプタからキーボード本体までが約183cmでアダプタからコンセントまでが約176cmなので、アダプタ本体を含めると総延長は約370cm。USBケーブルの長さは約150cm。取り回しに苦労することはほとんどないと思う。 いただいた質問の中でもっとも多かったのが、CPU切替器や仮想PC環境での動作だ。今回、仮想PC環境は用意できなかったので、CPU切替器についてチェックしてみた。使用したのはコレガの「CG-PC2UDAS」。 この製品は、USBキーボードとマウスに対応しており、マウスについてはマイクロソフトやロジクールの多機能マウスでも利用できることをウリにしているほか、対応OSもWindows、Mac OS、Linux、Solarisと幅広い。実際、ホイールのクリック感の有無を切り替えられるロジクールのMX Revolutionも全ての機能が動作する。 そのため、Optimus Maximusも当然動作するだろうと思ったのだが、意に反して全く動作しなかった。ディスプレイの表示機能以前の問題として、全くキー操作を受け付けてくれない。本製品はUSBケーブルをホストに直接接続して初めてキーの反応を返す設計になっているようで、USB Hubにつなぐと動作しないことが分かった。それと同じ理由で切替器もダメなようだ。切替器によっては動作するものもあるかもしれないが、期待はしない方が良いだろう。ただし、ホストはPCである必要はなく、PLAYSTATION 3でも動作した。 OSについては、Windows XP/VistaとMac OS X 10.5.1以降用にそれぞれユーティリティが用意されており、カスタマイズができる。それ以外のOSでは、標準の英語キーボードとして動作し、カスタマイズはできないが、標準のキーレイアウトの設定は本体内のSDカードに記録されているので、Shiftキーなどを押した時などの最低限の表示の変更には対応するはずだ。 次回はユーティリティによるカスタマイズについてレポートする。 □Art.Lebedevのホームページ(英文) (2008年4月21日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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