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【写真と動画で見る】フル有機LEDキーボード「Optimus Maximus」
〜全キーにディスプレイを内蔵した夢のキーボード

Optimus Maximus

発売中



 ロシアのデザイン会社Art.Lebedevが、全てのキートップに小型カラーディスプレイを内蔵させたキーボード「Optimus keyboard」を発表し、世界中の話題をさらったのは今は昔。というと大げさすぎるが、最初の発表から約3年近くが経ち、途中製品の仕様や名称が「Optimus Maximus」に変わるなどの紆余曲折を経て、ようやくこの製品が4月8日に編集部に届いた。

 まず、この製品を知らない人のためにも、その特徴を紹介すると、本製品には全てのキーに小型の有機LEDディスプレイが埋め込まれている。そのため、キートップの刻印を自由自在に変更できるのだ。

 例えば、Shiftキーを押すと、キートップのアルファベットが小文字から大文字に変わる。マルチリンガルなユーザーが英語キーボードを瞬時にロシア語キーボードに変えたり、特定のアプリケーションのショートカットキーにアイコンを表示させたりといったことも簡単だ。また、Art.Lebedevでは、文字や単語を順番に表示させていって、楽曲の歌詞表示を行なうプラグインなども計画しているようだ。

 発表当初は、キートップ全面が画像表示領域だったが、後に仕様が改められ、全てのキーに同じサイズのディスプレイを内蔵させている。ディスプレイの主な仕様は、サイズが約10×10mm(縦×横)、解像度が48×48ピクセル、表示色数が65,536色、表示速度が秒間10コマとなっている。

 おそらく、この製品が発表される以前にも、キートップの表示を自在に変えられるキーボードの発想は誰かしらがしていたと思う。しかし、これまで誰もそういった製品を作ってこなかった(もしかしたら個人レベルで作った人がいるかもしれないが、量産したメーカーはこの会社が初めてだろう)。

 なぜか? それはただ単純にコストが恐ろしいことになるからだ。一般的な単体キーボードの値段は、安いもので1,000円前後、高いものでも2万円を超えることはまずない。しかし、このOptimus Maximusの値段は、なんと1,500ドル以上。円高の現在のレートで換算すると約16万円だが、当編集部が注文した2007年5月時点では1ドル約120円だったので、実に19万円ということになる。画素数は少ないとはいえ、113個ものキーにディスプレイを内蔵させた結果、文字通り桁外れの価格になってしまったのだ。

 普通、キーボードに20万円を出す人間はいない。個人的には1万円が限度だ。おそらく、これまでこのような製品を発想したメーカーも、そのことが頭をよぎり、製品化は無理と判断したことだろう。今回も会社の経費でなければ、絶対に買っていなかった。

 しかし、なんと初期ロットの200台は、予約開始後あっという間に完売してしまったのだ。勝手な推測だが、購入者はこの製品に、「子供の頃、TVや映画で見た未来技術」に似た憧れのようなものを投影し、購入したのではないかと思う。また、開発者達は「ただ自分たちがこんな製品を使ってみたい」という気持ちだけで製品化したのではないかと思う。

 実際、編集部では、キートップの表示が変わるのを見て、普段から最新機器に触れているスタッフ達でさえ感嘆の声を上げていた。その出で立ちがあまりにも異彩を放っているので、PCに関心のない人でも興味を寄せるだろうが、個人で買った人は、その値段だけは家族には言わない方がいいだろう。

 さて、そんな夢のキーボードの実際の機能や使い勝手について、気になるところだが、まだ到着してから数時間しか経っていないことに加え、ユーティリティソフトのマニュアルが見あたらない(用意されていない?)ため、まだ完全には使いこなせていない。今回は、主にディスプレイ周りの様子を紹介し、詳細な使い勝手などについては後日レビューをお届けしたい。

製品のパッケージ やや大きめのキーボードと比べても二回り以上でかい パッケージ背面には、製品の特徴をロゴのようなイラストで表わしている。このあたりもデザイン会社ならでは
箱を開けるとまず付属品が出てくる。右側に見えるのがACアダプタ、ACケーブル、USBケーブル。ACケーブルは日本で使える3ピンのものと、ドイツなどで用いられる2ピンの2種類が入っている 予備のキー2個とリムーバーもついている。キーの背面に電気的な端子があるのがこの製品の性格をよく表わしている。保守部品としてキーだけを注文できるのかは不明だが、できなくても2個までなら壊れてもなんとかなる。キーを交換するところも撮影しようと思ったのだが、あまりに固くはまっていたため、壊すことを恐れて思いとどまった

 本製品にはブラックモデルとホワイトモデルがあるが、編集部で購入したのはブラックモデル。全体的な外観は、筐体部分がマットな仕上がりになっており、落ち着いていながら存在感や重量感がある。実際、本体重量は約1,800gとキーボードとしては重い。

 各キーのディスプレイ部分は、本体に固定して取り付けられており、それを覆うように取り付けられているカバー部分が上下するようになっている。カバー部分は透明のプラスチック素材で、蛍光灯などの反射があるが、ディスプレイの輝度が高いため、十分な視認性が得られている。

 前述の通り、ディスプレイ部分はどのキーも同じものを使っているので、使い回しが効く。実際、予備のキーが2個付属しているので、万が一壊れても、取り替えられるようになっている。ちなみに、ディスプレイの寿命は2万時間。

 本製品はUSB接続だが、さすがにこれだけのディスプレイを駆動するだけの電力をUSBだけでは供給できないため、ACアダプタを用いる。そして電源を入れてまず目にするのが、「キーボードの起動の様子」だ。

 電源を入れると、テンキーから始まり、全てのキーが順番に1回ずつ白く点滅し、最後に全てのキーが同時に点灯し、その後にアルファベットなどが表示される。その様子は、昔のアーケードゲームのROMが起動するのを見ているのに近い。果たしてこの動作に技術的な意味や理由があるのかどうかは不明だが、単なる演出だとしたら、さすがはデザイナー集団といったところだ。

 キーボードのレイアウトや表示フォントはWindowsの設定を利用しているので、日本語版Windowsでも、Windowsとユーティリティの設定を行なうことで、さまざまなキーレイアウト/文字に変更できる。そして当たり前だが、キートップに表示されているロシア語でもアラビア語でも、その文字を直接入力できる。購入直後なら、これだけで1日は遊べてしまうだろう。

 今回は、ファーストインプレッションに留まってしまったが、次回はもう少し使い込んだレポートをお届けする予定だ。こんなことを試して欲しいとか、こんなことができないかという意見があったら、ぜひpc-watch-info@impress.co.jpまでお寄せいただきたい。

本体正面。左手にホットキーが2列あるため、一般的フルキーボードよりも若干横幅が広い 本体奥側。右手に電源端子とUSBポートがある 左手にはUSB Hub 2ポートとSDカードスロット。このSDカードにはキーボードの設定ファイルを保存する。付属のカードの容量は512MB
本体横側は白い。形状はシンプルで、スタンドは固定されているので高さや角度は調整できない 外部の明るさを検知するセンサーがあり、周りの明るさに応じて自動的にディスプレイの輝度を変更することもできる キーのカバーのサイズはキーによって異なるが、ディスプレイ部分は共通のモジュールを使っているのが分かる
標準設定で文字を表示させたところ。ホットキーはメディアコントロールとブラウザの起動に割り当てられている メインの文字部の拡大写真 Shiftキーを押すと大文字や記号に変わる
かな入力モード アラビア語モード ロシア語モード
NumLock OFF時のテンキー NumLock ONにすると数字になる カスタマイズすることで画像も表示できる
キーピッチはほぼ2cmジャスト 通常使う距離では画素がぎりぎり確認できる程度。6万5千色表示できるので、48ピクセルでも精細な画像を表示できる コンフィギュレーションユーティリティの画面
【動画/WMV形式】電源投入直後にキーボードが起動する様子 【動画/WMV形式】同じ様子を暗くして撮影したもの 【動画/WMV形式】ShiftキーをON/OFFしたところ
【動画/WMV形式】キーボードの設定を英語から、アラビア語、ロシア語に変えてみたところ 【動画/WMV形式】ディスプレイの輝度を最大/最低に変更したところ 【動画/WMV形式】動画を再生させたところ

□Art.Lebedevのホームページ(英文)
http://www.artlebedev.com/
□製品情報(英文)
http://www.artlebedev.com/everything/optimus/
□関連記事
【2007年5月21日】Art.Lebedev、フル有機LEDキーボード「Optimus Maximus」の予約を開始
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0521/artlebedev.htm
【2005年7月15日】全キートップにカラーディスプレイを搭載したキーボード
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0715/lebedev.htm

(2008年4月9日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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