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日本AMDと三洋、共同でPC上でのHDコンテンツの活用を促進
~大手動画再生ソフトメーカーも参画

3月12日 発表



 日本AMD株式会社は12日、三洋電機株式会社と協業し、HDソリューション「AMD HD! Experience」を提供開始すると発表した。

 これは、デジタルムービーカメラで撮影したHD動画を、PC上でフルフレームで再生したり、DVD/BDオーサリングや、動画コミュニティ向けの変換作業をストレスなく行なえるPCを共同で推奨していくもの。

 同日行なわれた発表会で、日本AMDマーケティング本部PCプラットフォーム・プロダクトマーケティングマネージャーの土居憲太郎氏は、HDコンテンツを取り巻く現状について「家庭内の映像表示機器の中心であるTV、そして放送や、そこにつながるレコーダー、ゲーム機、ビデオカメラなどもHD化が進んでいる。一方、PCはどうかというと、著作権の問題からTVコンテンツをPCで視聴することが難しいだけでなく、HDコンテンツや最新3Dゲームを楽しめるのは一部のハイエンドマシンのみ」と述べ、一般的PCがHDコンテンツを取り扱うのに十分な環境が整っていないことを指摘。

 「と同時に、デジタルビデオカメラの42%以上がメモリカードに対応しており、かつメモリカード対応製品を利用するユーザーは、PCと連携を望む傾向がある」という事例を紹介し、PCでHDコンテンツを楽しむことに対する潜在的ニーズがあることを示した。

日本AMDの土居憲太郎氏 TVとその周辺環境はHD化が大きく進んでいる 一方、PC向けHDコンテンツは少なく、PC自体の性能不足の問題もある

 そこでAMDは、「AMD 780G」チップセットを主体とする、メインストリーム向けプラットフォームを訴求するマーケティング戦略の1つとして、“AMD HD! Experience”というロゴを用意することで、安価でありながら現行のあらゆるHDコンテンツを活用できるPCをユーザーに分かりやすい形で案内する。

 AMD 780Gのビデオコアには、動画再生支援エンジン「UVD」が内蔵されている。そのため、H.264/VC-1/MPEG-2で記録されたHDコンテンツをCPUに負荷をかけることなく、フルフレームで再生できる。

 三洋電機は2007年9月にH.264によるフルHD録画に対応したデジタルビデオカメラ「Xacti」を発売した。SDHCカードに最大1時間25分の記録が可能で、Neroの再生ソフトが付属している。

 しかし、最新の動画再生支援機能を持たないPCでは、HDコンテンツの編集はおろか、再生も十分に行なえない。三洋電機の豊田英樹氏によれば、Xactiで撮影した動画を取り扱えるメインストリームPCが普及するのは2010年くらいになると思っていたという。

 つまり、PC向けHDコンテンツが欲しいAMDと、それを快適に扱えるPCが欲しい三洋電機の思惑が一致し、今回の共同マーケティングへと至った。また、株式会社Nero、コーレル株式会社、サイバーリンク株式会社もこの取り組みに賛同しており、各社の再生ソフトがUVDに対応していることを積極的にアピールしていく。

 加えて、NeroはXactiにバンドルしている「Nero 7 Essentials」の既存ユーザーに対し、「Nero 8 Essentials」への無償アップグレードサービスを行なう。後者に含まれる再生ソフト「ShowTime 4」はHD再生性能を向上させ、UVDにも対応している。

三洋電機の豊田英樹氏 フルHD対応デジタルビデオカメラ「Xacti」 Xactiで撮影したフルHD動画の再生デモ。右側のAMD 690GとAthlon 64 X2 4200+(1.8GHzにダウンクロック)ではCPU負荷が天井に張り付いて、時折コマ落ちも発生するが、左側のAMD 780GとPhenom 9600のシステムではCPU負荷がほとんどかかっていない
大手再生ソフトメーカーの代表者も招かれ、AMD HD! Experienceの取り組みを歓迎した。写真は左からNeroの田中氏、コーレルの長崎氏、サイバーリンクの相蘇氏

 日本AMD取締役マーケティング本部本部長の吉沢俊介氏によると、「AMD HD! Experienceは日本AMDが独自に策定したもので、今後、世界各国にも取り組みを広げていきたい」と語った。

 AMD HD! Experienceの厳密な要件は公開されていないが、基本的にはAMD 780Gチップセットか、UVDに対応したRadeon HD 2000/3000シリーズのビデオカードを搭載したPCということになる。

 CPUは動画再生、すなわちデコードを行なう上であまり重要ではないものの、エンコードには強力なものが必要となる。そのため、オーサリングや、動画コミュニティ向けの変換作業を行なう上で、クアッドコアのPhenomを使うことを推奨している。

 各社のオーサリング/編集ソフトはマルチコアCPUに最適化されており、クアッドコアCPUはデュアルコアCPUのおよそ半分の時間で作業を完了できる。

 AMD HD! Experienceの正式なロゴは後日公開予定で、そのプロモーションを行なう専用サイトも3月末にオープンする。

日本AMDの吉沢俊介氏 今回の件とは直接関係ないが、日本AMD代表取締役社長の森下正敏氏は45nmプロセスCPUのウェハを日本で初めて公開した

□日本AMDのホームページ
http://www.amd.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.amd.com/jp-ja/Corporate/VirtualPressRoom/0,,51_104_543~124251,00.html
□三洋電機のホームページ
(3月12日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.sanyo.co.jp/
□関連記事
【3月5日】AMD、DirectX 10対応ビデオ内蔵チップセット「AMD 780」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0305/amd.htm
【2007年8月30日】三洋、フルHD/MPEG-4 AVC録画が可能な新「Xacti」(AV)
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070830/sanyo.htm

(2008年3月12日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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