[an error occurred while processing the directive]

Qimonda、第1四半期は5億9,800万ユーロの損失計上
~DRAM価格は旧正月か秋口に持ち直すと予測

キマンダジャパン 馬場久雄氏

1月22日(現地時間) 発表



 独Qimonda AGは22日(現地時間)、2008年第1四半期(2007年10~12月)の決算を発表した。

 これによると、売上高は5億1,300万ユーロで、前期比で28%減少し、通年では56%の減少。純損失は5億9,800万ユーロ、1株あたり純損失は1.75ユーロとなった。

 25日には、キマンダジャパン株式会社が都内で記者会見を開催し、代表取締役の馬場久雄氏が第1四半期決算の結果と第2四半期の展望、そしてキマンダジャパンの現状を語った。

 同氏はまず2007年のQimondaの取り組みを振り返り、マレーシアへのDRAMモジュール工場やシンガポールへの300mmウエハ対応Fabの建設、WinbondやSMICとのファウンドリ契約の延長を行なったほか、業界初のGDDR 5のサンプル出荷を行ない、2007年にはソニーとカスタムDRAMのデザインを行なうQreatic Designを設立したことを紹介。

 同社はPC用からルーターやサーバーなどのインフラ向け、ビデオカード、モバイル、コンシューマ機器など、幅広く製品を展開している。しかし業界平均の売上比率と比較すると、PC向けが50%を切るとともにインフラやビデオカードの出荷率が高く、特にビデオカード向けは業界ナンバー1である、と特徴を語った。

 決算については、「消して胸を張れる状況ではない」とし、DRAMの価格が第1四半期で40%、通年で80%下落し、それに対して経費削減や新プロセスへの移行などの施策を行なった。しかし、ドルの為替の影響もあり、結果として5億1,300万ユーロの売上高にとどまった。bitベースでは出荷量が27%向上し、通年では73%向上。また、80nmプロセスと70nmプロセスが出荷量の半分を越えているとし、事業は順調に推移しているとした。

 ただし、市況が厳しいためシンガポールの工場建設を一時延期する。その他の建設計画やファウンドリ計画に変更はない。今後の展開については、非PC用途での売り上げシェア50%の維持や、80nm/75nmプロセスへの移行による生産性の向上のほか、2008年第3四半期には58nmプロセスの立ち上げを開始する。

純損失5億9,800万ユーロを計上した決算 PC以外で50%以上を占める 3大陸8カ所に生産拠点を構える。シンガポールの計画は延期に

●国内でシェアを伸ばすキマンダジャパン

 一方日本市場におけるキマンダジャパンについては、シェアの伸張をアピール。同氏は、社長就任時にQimonda内での日本の売り上げシェアを2桁に向上させると目標を語っていたが、それを達成した。

 2004~2005年(会計年度)に3%だったシェアを2006~2007年(同)にかけて12%へと向上。これにともない、2005年第2四半期には3%だった国内での市場シェアが14%へと成長。コンシューマやグラフィック向けの顧客が増えるとともに、ゲーム/DSC/DTVではマーケットリーダーになっているという。

 また、同氏は4年間の全社内のシェア推移を示し、今後はアジアと日本が成長していくという見通しを明らかにした。また、DRAM市場の展望についても触れ、PC向けは台数で10%向上し、bitベースでは40~50%向上して、需要が好調に推移する。グラフィック向けでは2008年にはシステム当たり290MBのメモリを搭載し、bitベースで40%向上。ゲームコンソール向けの需要と合わせ、好調に推移していくとした。そのほか、サーバー向けはbitベースで65%向上するという。

 2008年に向けて、日本への本社組織のコンシューマ製品事業部の設置やパッケージソリューションをサポートする部隊を設置。Qreatic Designも含めて、ソリューションレベルでのサポートを強化し、カスタム製品の展開を促進していくとした。

 DRAM価格については、「過去1年の下落は異常とも思えるものだったが、ここにきて市況価格が上がってきている。今後どうなるかは株と同じで分からないが、価格はDRAM各社の業績を見ても厳しく、コストを割っているため、長く続くとは思えない。今後、旧正月か秋口に持ち直すというのが業界の一般的な見通し」と語った。

Qimonda社内での地域別売上が4%から!3%へと、2桁に成長 国内でのシェアを3%から14%へ向上 bitベースで大きな成長が期待されるDRAM市場

●カスタムDRAMに注力するQreatic Design

 記者会見にはQreatic Design株式会社より代表取締役 柏木豪氏も出席し、同社の狙いを説明した。

 Qreatic Designは、Qimondaとソニーが50%ずつ出資し、2007年11月に設立した合弁会社。両会社から受注したカスタムDRAMの設計を主な業務内容とする。これまでの協業では、商品企画から仕様策定、設計/レイアウトがソニー、その後のウェハ行程がQimonda、組み立て検査はそれぞれで行なっていた。今後は設計/レイアウトをQreatic Designが担当するとともに、その他の段階でテクニカルサポートを行なう。これによって製品設計力を強化する。

 同氏は、今後もカスタムDRAMのニーズが伸張すると見ており、マイクロBUMPを用いたChip on Chip技術やパッケージ実装を含めたインターフェイス技術を提供し、親会社の要求に応えていきたいとした。

Qreatic Design 柏木豪氏 Qreatic Designはデザインを担当する
ソニーのメモリ技術の展開 マイクロBUMPによりeDRAM並みのLow Power/高バンド幅を実現する

□Qimondaのホームページ(英文)
http://www.qimonda.com/
□キマンダジャパンのホームページ
http://www.qimonda.jp/
□ニュースリリース
http://www.qimonda.jp/about/press/releases/2008_Q1_J.html
□関連記事
【2007年11月1日】Qimonda、初のGDDR5をサンプル出荷開始
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/1101/qimonda.htm
【2007年10月2日】Qimondaとソニー、カスタムDRAM設計会社を共同設立
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/1002/qreatic.htm

(2008年1月28日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp
お問い合わせに対して、個別にご回答はいたしません。

Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.