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Macworld Conference & Expo San Francisco 2008レポート

Macworld展示ホールレポート
〜主流はiPod。しかしMac関連も再び増加へ

基調講演が行なわれ、今年から新たに展示スペースも設置されたモスコーニセンターの西ホール

会場:San Francisco The Moscone Center(モスコーニセンター)

会期:1月15日〜18日(現地時間)



 2008年のMacworld Conference & Expo San Franciscoには、約400社が出展を行なった。International CESやCeBITなどの業界団体が主催するイベントとは違い、MacintoshやiPodなどAppleのプロダクトやサービスに特化したイベントだけに、規模や活気は同社の業績や市場におけるユーザーの反応などに左右される。言い換えれば、Macworldの盛り上がりをみれば、現在のAppleを取り巻く状況をある程度判断することができる。

 一時期はモスコーニセンターの南ホールだけでほぼ間に合うほどに規模が縮小していたMacworldだが、ここ数年は拡大傾向にある。当初の復調はiPodによるもので、まるでiPod Expoであるかのように関連製品が展示ホールを埋め尽くしていたわけだが、ここ2年ほどは再びMacintosh関連製品の展示が増えている。

 今年(2008年)は西ホールにもはじめて展示コーナーが設営された。2007年までは、Appleをはじめとした大規模なブースが集中する南ホールと、小規模なブースや主催者ステージ、そしてゲームゾーンなどが配置される北ホールで構成されていたが、2008年からは北ホールの展示がなくなり、南ホールと西ホールの構成に変わった。従来の北ホールの展示が西ホールへと移動したが、展示面積や各ブースの規模なども拡大している。この西ホールはAppleのスティーブ・ジョブズCEOのお気に入りとも言われており、竣工以来WWDC(Appleの開発者向けイベント)はサンノゼから移行して、ここで毎年開催されるようになった。またMacworldの基調講演も、2007年からは従来の南ホールから西ホールへと移動している。カンファレンスも西ホールへと移動しており、Macworldにおける西ホールの比重は年ごとに高まっている。

 西ホールへのシフトは別の効果ももたらした。南ホールと北ホールは通りを挟んでいるものの地下に連絡通路があった。来場者はいったん入場してしまえば、ホール間の移動を地下で行なっていたわけである。しかし今年は西ホールと南ホールという構成に変わったことで地上に動線が生まれた。開場中のホール間の移動はもちろんのこと、ジョブズCEOの基調講演からAppleブースへの人の流れなど、ホール周辺に連日賑わいが生まれた。警官が出動して交通整理にあたり、さらに人出を見越した地域の業者や出展者などが歩道でチラシを配るなど、例年以上の活気を周辺に生み出していた。こうした賑わいが街の噂にもなるのか、会期が2日目、3日目となっても例年にない好調な人出が続いていたようである。

●EAがMacworldに登場。「Spore」はMac&Winの同時発売へ

 西ホールにおけるトピックの1つとして、EA(エレクトロニック・アーツ)のブース出展がある。WWDC 2007の基調講演で、世界最大のゲームパブリシャーであるEAが同社のマルチプラットホーム戦略の1つとしてMacintosh向けゲームを発売することをレポートしたが、その一貫としてMacworldに初めて自社ブースを出展した。これまでMacintoshのゲームは、PC向けで実績をあげた定番ゲームがMacGamesやAspyrといった移植会社を介して提供されることがほとんどだった。ある意味で良質なゲームが揃ってはいたものの、提供時期はどうしても遅れる。そうした市場にEAが直接参入し、他のプラットホームとほぼ同時に自社タイトルを投入してくることはまさにビッグニュースである。

 その期待に違わず、EAが今回のMacworldに持ち込んだタイトルは「Spore」。SimCity(シムシティ)などを開発した著名ゲームデザイナーであるウィル・ライト氏が制作指揮をとるMaxis社の最新リアルタイムシミュレーションゲームである。ゲームの詳細は遼誌Game Watchが詳しいのでここでは割愛するが、2008年後半に発売を予定するこのビッグタイトルが初めてプレイアブルで一般向けに公開された場所がMacworldであり、Windows版とMacintosh版の同時発売もアナウンスされたことは大いに喜ぶべきことだろう。同社はほかにも「TIGER WOODS PGA TOUR '08」、「BATTLEFIELD 2142」、「COMMAND & CONQUER」などのMacintosh向けタイトルをプレイアブル出展した。

Windows版とMacintosh版が同時期に発売されることが決まった「Spore」。記念すべき出展となった本作では、クリーチャーの創作などを体験することができた EAが直接販売する各タイトルを体験することができるEAブース。これまでゲームゾーンへのタイトル出展はあったが、EA単独のブースは初めて。ブース中央ではiPod向けのゲームもデモ 全米で大人気の「Guitar Hero III: Legends of Rock」。Activision開発のこのタイトルは、Mac向けとしてAspyrから発売されている

●展示会場でみつけた注目の製品

 iPod用のスピーカーシステムはまさに百花繚乱。FM/AMラジオ付きや防水機能付きなど、それぞれに工夫を凝らした製品は枚挙にいとまがないほど登場する。一方で鳴り物入りで登場したApple純正のiPod Hi-Fiが早々に製品ラインから消えてしまうなど、厳しい競争にさらされているのも現実だ。そんな中、今回ピックアップするのはGRIFFIN TECHNOLOGY社の「Evolve」である。

 Evolveは本体ユニットと2つのワイヤレススピーカーで構成される。ポイントはスピーカーそれぞれにリチウムイオンバッテリが内蔵されていて、完全にコードレスで利用が可能という点だ。利用可能な最大距離は本体から半径およそ45mとのこと。フル充電では約10時間の駆動が可能となる。スピーカーは本体に置くだけで簡単に充電できる。

 面白いことにスピーカーそれぞれには左右の区別がない。本体ユニットに置いた時点で自らの位置関係を把握して、右スピーカーであるか左スピーカーであるかを認識する。デモで見せてくれたのは、左右のスピーカーを本体ユニット上で入れ替えると、ほんの数秒で左右の音声出力も自動的に切り替わる様子だった。ワイヤレスで利用するときの左右の区別は、本体下部にあるLEDの点灯位置で判断することができる。

 さらにこのスピーカーユニットは追加が可能。1つの本体ユニットに複数のスピーカーセットを設定できるので、家屋内の各部屋にスピーカーを設置しておくことができる。スピーカー各個にはそれぞれ電源ボタンが付いているので、個別に電源のON/OFFが可能となっている。最初は基本構成で販売されるが、近日中に追加のスピーカーセットや充電台などもラインナップに加わる見込みだ。基本セットの価格は299.99ドル。日本市場への投入も検討されている。

 同社はほかにも、最大4個のiPodを同時に充電する「PowerDock」などを展示していた。

スピーカーにはそれぞれリチウムイオンバッテリが内蔵されていて、約10時間の駆動が可能。本体ユニットに置くことで充電が行なわれる 今後発売を予定しているという追加用のスピーカーと専用の充電台 同時に最大4つのiPodを充電可能な充電台。近日発売予定で、69.99ドル

□GRIFFIN TECHNOLOGYのホームページ(英語)
http://www.griffintechnology.com/
□製品情報(英語)
http://www.evolvespeakers.com/

 展示台1つという最小規模の出展ながら注目を集めていたEye-fi。唯一の製品は社名と同じ「Eye-Fi」で2GBのSDカードに無線LAN機能が搭載されている。デジタルカメラで撮影した写真を、あらかじめ設定したFlickerやKodak Galleryなどの写真共有サービスへ公衆無線LANを介して自動的にアップロードできるのが特徴。また自宅のMacやPCに設定すれば、撮影済みのカメラを持って自宅に戻るだけ(家庭内の無線LANのエリアに入るだけ)で撮影した写真のPCへの転送が自動的に行なわれる。

 International CESでは、LexerMediaとKodakを加えた3社による提携も明らかにされ、米国ではLexerMediaからKODAKロゴが付いたOEM版が近日中に発売となる見通しだ。現在のところ米国では主に通信販売によって購入することができるが、量販店の店頭などに並んでいるところは少ない。ユーザーの認知度はすでに高いようで、ブースで行なわれていた直販でも飛ぶように売れていた。価格は99.99ドル。

 機器認定などの理由もあって日本国内での発売は現時点で未定。ただし日本市場への投入には意欲的な姿勢を見せていた。さらに国内大手の携帯電話会社が強い興味を示しているという情報もあり、近日中にはなんらかの形で日本国内でも見ることができそうな気配である。今年まず注目しておきたい製品の1つだ。

たったこれだけの展示スペースながら、注目度が極めて高かったEye-fi パッケージもユニーク。付属のUSBアダプタを使ってMac/PCに接続し、初期設定を行なう

□Eye-fiのホームページ(英語)
http://www.eye.fi/

 Logitechも、ここ数年積極的にMacworldへの出展を継続している企業だ。Windows向けの周辺機器というイメージがあるかも知れないが、製品の多くにはMacintosh向けのソフトウェアも提供されていて、MacintoshでもWindowsと変わることなく利用することができる。今年もこうした製品をソリューション別に展示して、ハンズオンによるデモを行なっていた。

 先に行なわれたInternational CESで発表された新製品の中からは「Squeezebox Duet」の展示があった(日本国内では発売未定)。SqueezeBoxは、もともとSlimDevices社の製品で、本誌でも2003年のMacworldレポートで最初期の製品を紹介している。

ここ数年、Macworldへの積極的な出展が続くLogitech。一般的にはWindows向けと思われている周辺機器を、ソリューション別にMacintoshでデモしてみせた。いずれもMacintosh向けにもソフトウェアが用意されていて、特にマルチプラットホームな環境では使い勝手がいい 一般的にはWindows Media CenterなどリビングPCを使ったデモで紹介されることの多い「MX Air」。Macworldでは、iTunesを使ったハンズオンを行なっていた 「Squeezebox Duet」。先に開催されたInternational CESで発表されたばかりの新製品も展示されていた

□Logitechのホームページ
http://www.logitech.com/

 オヤジと呼ばれるかも知れないが、だらりと垂れ下がるiPod用の長い白いヘッドホンがどうもだめ。見る人によってはカッコいいファッションなのだが、口に出すとオヤジ認定されそうなので苦々しく思っていたが、ここ米国にも志を同じくするものがありちょっと嬉しくなった。neat productsの「Hangman」はiPod用ヘッドホンのコードをまとめておくグッズ。クリップも付いているのでベルトやリュックなどに取り付けることができる。各種iPodに対応し、白と黒の2色がある。Macworldの特別価格で15ドルだった。

各種iPodに幅広く対応。クリップが付いているので、すっきりと身につけられる

□neat productsのホームページ(英文)
http://neatproducts.com/

 iPhone用のクリップ付きケース兼外部バッテリ「iV」。この外部バッテリの利用で、最大通話時間が24時間に、ビデオ再生も21時間になるという。クリップ部分は着脱可能。そのままiPhone用のDockに置いてiPhone本体とiVに充電が可能なほか、底面にあるUSB端子を介してもう1台のiPodなどに充電することもできる。背面にはLEDライトもついていてカメラ撮影の補助光としても使える。出荷は3月の予定。iPhone専用で、iPod touchには使えない。現在は事前オーダーを受付中で、Macworld期間中は10ドル引きの69.95ドルだった。

iPhone用のDockにも、きっちりとおさめることができる 底面にはUSBコネクタを装備している。もう1台のiPodなどを充電可能 クリップは着脱式。背面にはLEDライトも付いていて、カメラ撮影時の補助光になる

□fastMacのホームページ(英文)
http://fastmac.com/
□製品情報(英文)
http://fastmac.com/iv.php

 iPod用のシリコンジャケットは展示ホール内に山ほどあるものの、ユニークなスピーカー付きはifrogzの「Nano AudioWrapz」。ブースでは電話ボックスのような試聴スペースも用意されていた。パッシブタイプで、ジャケット内にアンプが内蔵されているわけではない。スピーカーの口径も小さいので音質はそれなりといったところ。じっくり聴くのではなく、周囲に気兼ねしない場所でヘッドホンの代わりに使うといったところだろう。現行のiPod nano専用で、ヘッドホンの抜き差しでスピーカー側、ヘッドホン側への出力を切り替える仕組み。価格は25ドル。

現行のiPod nano専用のシリコンジャケット。スピーカーが付いているのが特徴 ブースには視聴用の専用ボックスも用意されていた

□ifrogzのホームページ(英文)
http://ifrogz.com/
□製品情報(英文)
http://ifrogz.com/products.php?cat=411

 思わず目をひくLaCieの外付け3.5インチHDD。見た目のインパクトが勝負なので写真で紹介する。USB 2.0接続で、500GBと1TBのモデルが用意されている。日本国内向けは500GBモデルのみで、29,800円で直販されている。

見たまま。かなりゴージャスな雰囲気の「LaCie Golden Disk」

□LaCieのホームページ
http://www.lacie.com/jp/
□製品情報
http://www.lacie.com/jp/index.htm

 Macintosh向けらしからぬ秋葉原チックな、Newer Technology社の製品。USB 2.0 Universal Drive Adapterと紹介されている。2.5インチと3.5インチのIDEとSATAのベアドライブをUSB 2.0接続へと変換する。接続状況はLEDで確認することが可能。価格は29.95ドル。

キャッチフレーズは「The Swiss Army Knife of Disk Connectivity」。確かに1つ用意しておけば、いざというときに便利そうである

□Newer Technologyのホームページ(英文)
http://www.newertech.com/
□製品情報(英文)
http://www.newertech.com/products/usb2_adaptv2.php

 日本企業も頑張っている。SUNTACのブランドで知られるサン電子が、Macworldに初出展した。すでに日本では販売されている車載用のFMトランスミッターなどを展示して来場者の反応を確認するともに、各国のディストリビューターを探すのが狙い。FMトランスミッターは使用しているFM波の周波数の関係から、日本のものをそのまま各国で利用するというわけにはいかないが、ユーザーの反応は上々ですぐにも欲しいという来場者も少なくなかったとのこと。特にリモコンスティックの評判が良いという。

 ブース内では日本のイメージを出そうとカウンターに折り鶴などを用意していたそうだが、来場者がフリーのアイテムだと思って次々と持ち帰ってしまうため、時にはスタッフ総出で折り鶴を作っていたという話も紹介してくれた。ブース内に掲示されている国旗も現場で作ったものだという。

 そのほか、iPodやiPhone用のプロテクトフィルムやケースを販売するPowerSupportは4年連続の出展で、すっかりMacworldの常連企業となった。トータルコーディネートされた製品のパッケージは全米のApple Storeならどこでも見つけることができるお馴染みのもので、日本製品ならではの品質の高さが好評だ。ブースでは製品の販売とともに、購入したフィルムを貼るサービスなども行なわれていて、来場者の好評を博していた。

とても日本企業らしいサン電子のブースの様子。左上のFROM JAPANは現場で作成したとのこと エンジンをかけることで自動的にiPodの再生が始まる仕組みや、リモコンスティックなどが来場者に受けがいいという 米国のユーザーにもお馴染みになりつつあるPowerSupportのイメージで統一されたブースの様子。ブースでは製品販売も行なわれており、なかなか好評のようだ

□サン電子のホームページ
http://www.suntac.jp/
□PowerSupportのホームページ
http://www.pawasapo.co.jp/

□Macworld Conference&Expoのホームページ(英文)
http://www.macworldexpo.com/
□Appleのホームページ(英文)
http://www.apple.com/
□Macworld Conference&Expo 2008レポートリンク集
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/link/macworld.htm

(2008年1月24日)

[Reported by 矢作晃]

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