NECエレ、2四半期連続で営業黒字を計上
1月28日 発表 NECエレクトロニクス株式会社は28日、2007年度(2007年4月~2008年3月)第3四半期(2007年10~12月)の業績を発表した。同社執行役員の佐藤博氏と同社財務部長の富田尚美氏が説明にあたった。 第3四半期の売上高は前年同期比4.0%減の1,708億円である。そのほとんどを占める半導体の売上高は同4.3%減の1,637億円。主要製品別ではSoC(system on a chip)が同10%減の637億円、MCU(マイコン)が同6%増の449億円、個別半導体が同5%減の552億円で、マイコン以外の事業は振るわなかった。 なおNECエレクトロニクスの製品分類では、SoCは150nmプロセスや90nmプロセスによる高集積LSI(カスタム品や特定用途向け標準品など)とシステムメモリ、MCU(マイコン)はマイクロコントローラとカーオーディオコントローラ、個別半導体は成熟したプロセスによるIC(液晶ディスプレイドライバICやミクスドシグナルICなど)とディスクリート(パワーMOS FETや化合物半導体デバイスなど)を意味する。 応用分野別では、自動車/産業機器向けが前年同期比9%増の290億円と好調だった。国内カーオーディオメーカー向けマイクロコントローラと電装品メーカー向けマイクロコントローラの売り上げ増が寄与した。一方、通信機器向けは同34%減の156億円と大幅減になった。携帯電話機の生産調整により、ベースバンドLSIと液晶ドライバICの売り上げが減少したことが響いた。 地域別の売上高は日本が前年同期比8.2%減の931億円、米国が同3.3%減の144億円、欧州が同2.9%増の222億円、日本を除くアジアが同2.8%増の412億円である。 営業損益は30億円の黒字(営業利益)である。第2四半期の営業利益41億円に続き、2四半期連続して営業黒字を計上した。なおNECエレクトロニクスは2005年度第1四半期(2005年4~6月)以降、四半期ベースの営業赤字が2007年度第1四半期まで続いていた。
2007年度第1四半期~第3四半期の通算では、売上高が前年同期比0.2%増の5,218億円、半導体の売上高が同0.2%減の4,978億円となった。営業損益は黒字で49億円の営業利益と35億円の税引き前利益を計上した。なお前年同期の営業損益は赤字で108億円の営業損失と91億円の税引き前損失という業績だった。 営業損益が黒字に転換できたのは、減価償却費や人件費、技術外注費などの経費を削減したことが大きい。2007年度第1四半期~第3四半期の通算では、前年同期に比べて研究開発費用を89億円減らすとともに、売り上げ原価を59億円低減している。 また記者会見では、2007年度第4四半期と2007年度通期(2008年3月期)の見通しを示した。第4四半期の半導体売上高は、第3四半期と比べてSoCが横ばい、MCUが1ケタ前半パーセンテージの増加、個別半導体が1ケタ前半パーセンテージの減少となる見込みである。全体では、第3四半期とほぼ同じ売上高になりそうだ。 2007年度通期(2008年3月期)の業績予想は売上高が6,900億円、半導体売上高が6,700億円、営業損益は収支トントン、税引き前損益は100億円の赤字、当期順損益は150億円の赤字となった。この予想は2007年11月13日時点の数値と同じである。第4四半期の市況が厳しいことを踏まえ、予想値を据え置いた。
□NECエレクトロニクスのホームページ (2008年1月29日) [Reported by 福田 昭]
【PC Watchホームページ】
|