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AMD、世界初DirectX 10.1対応の
「Radeon HD 3800」シリーズ
〜最大4GPUのCrossFireXにも対応

Radeon HD 3870

11月15日 発表



 米AMDは15日、世界初となるDirectX 10.1対応GPU「Radeon HD 3800」シリーズを発表した。ラインナップはRadeon HD 3870と同3850の2つで、米国での実売価格は3870が210ドル、3850が179ドル前後となる見込み。

 Radeon HD 3800シリーズは、Radeon HD 2900をベースにDirectX 10.1へ対応させるとともに、製造プロセスを55nmに縮小したもの。ブロックダイヤグラムから見たアーキテクチャはRadeon HD 2900 XTに酷似しており、クロックあたりの性能も2900 XTと同等となるが、プロセスルールの改良により、高クロック化と低消費電力化を図っている。これにより、ハイエンドクラスの性能を、これまで同社の製品ラインナップから抜けていた150〜250ドルの価格帯で実現した。

Radeon HD 3850 3800シリーズのブロックダイヤグラムと概要。コアアーキテクチャは2900 XTを踏襲する プロセスルールの微細化により、消費電力を大きく削減

 実際のアプリケーションにおける性能は、同社の資料によれば、Radeon HD 3870は2900 XTと同等か1割程度高く、一部のゲームでは50%近く向上するものもある。ただし、メモリインターフェイスの帯域を必要とするタイトルでは、3870が若干不利になるケースもある。3850については、同価格帯である2600 XTに対し、平均して2倍前後の性能を発揮する。

Radeon HD 3870、Radeon HD 2900 XT、GeForce 8800 GTS(640MB)の性能比較 Radeon HD 3850、Radeon HD 2600 XT、GeForce 8600 GTS オーバークロック版の性能比較

 両製品の基本的なハードウェア仕様は共通で、320基のストリーミングプロセッサ、16基のテクスチャユニット、16基のレンダーバックエンドを搭載。512bitのリングバス構造を採用するが、メモリインターフェイスは256bitとなる。

 チップレベルでの両者の違いはクロックとメモリタイプで、3870はコアクロックが775MHz、メモリクロックが2.25GHz、最大512MBのGDDR4を搭載。3850はコアクロックが670MHz、メモリクロックが1.66GHz、最大256MBのGDDR3を搭載する。

 カードレベルでは、3870が2スロット仕様となるのに対し、3850は1スロットに収まる。最大消費電力は3870が105W、3850が95Wで、Radeon HD 2900 XTの200Wから半減している。また、2900 XTは軽いゲームの動作時も200Wを消費していたが、3870と3850ではそれぞれ51W/39Wにまで下がり、非ゲーム利用時は34W/26Wにまで下がる。電源は6ピンのPCI Express電源1端子となる。

Radeon HD 3870/3850/2900 XTの仕様の比較 こちらは消費電力の比較

 なお、同社では本製品からネーミングルールを若干変更しており、原則として4桁の頭1桁目が世代、2桁目が製品ファミリー、下2桁がバリエーションを示すようになった。より具体的には、下2桁70が従来のXT相当、50がPro相当となる。

 DirectX 10.1は現行のDirectX 10の上位版で、Microsoftから2008年第1四半期にWindows VistaのService Pack 1とともにリリースされる予定。DirectX 10.1では、プログラマビリティ、パイプラインの正確さや、HDRライティング、アンチエイリアスの品質などが向上。これにより、リアルタイムでのグローバルイルミネーションが可能となり、より高度なライティング表現が実現される。

DirectX 10.1の主な新機能 グローバルイルミネーションのデモの様子。比較がないので分かりづらいが、すべての球体が複数の光源からの光を反射している

 バスインターフェイスは、現行のPCI Express 1.1から帯域を2倍に向上させたPCI Express 2.0に対応。これにより、同じGPU、システム構成でもゲーム性能が1割程度向上するという。

 もう1つ大きな特徴が、CrossFireを拡張した「CrossFireX」に対応した点。CrossFireXでは最大で4GPUまで対応。物理的な制限から3870はカード3枚(3GPU)までとなるが、3850は4枚のビデオカードを利用することで、4GPUによる負荷分散ができる。

 CrossFireでは性能が概ね1.6倍程度に向上するが、3枚差しでは2.5倍程度、4枚差しでは3倍程度にまで向上するという。ちなみに、Radeon HD 2900では、2枚のカード間を2つのインターコネクトでつないでいたが、CrossFireXでは各カード間は1つのインターコネクトでつなぐ。

 4枚差しの環境ではCrossFireX(負荷分散)をOFFにすると8ディスプレイの同時出力ができる。なお、チップセットは今後発表される次期製品が必要となる。

CrossFireXにより4GPUまでスケーラブルに性能を向上できる こちらはRadeon HD 3850を実際に4枚挿したところ 負荷分散ではないが、対応ゲームなら8画面のマルチアングルでプレイできる

 ビデオ再生支援については、Radeon HD 2600シリーズなどに搭載されていた「UVD」を実装。Radeon HD 2900シリーズに搭載されていた「UVA」では、ビットストリーム処理/エントロピーデコードをハードウェアで処理する専用ロジックが省略されていたが、3800シリーズではVC-1/H.264いずれのコンテンツも、再生時のCPU負荷を大幅に低減できる。

 また、Radeon HD 2000シリーズ同様、DVI→HDMI変換アダプタ利用時は、HDMIケーブル1本で映像と音声を出力できる。

 なお、2008年第1四半期には、1枚のカードに2基のGPUを搭載した「Radeon HD 3870 X2」が発売される予定。米国での価格は399〜499ドル程度となる見込み。

□AMDのホームページ(英文)
http://www.amd.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.amd.com/us-en/Corporate/VirtualPressRoom/0,,51_104_543~122041,00.html
□ニュースリリース(和文)
http://www.amd.com/jp-ja/Corporate/VirtualPressRoom/0,,51_104_543~122058,00.html
□関連記事
【5月14日】AMD、「R600」ことDirectX 10対応GPU「Radeon HD 2000」シリーズ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0514/amd1.htm

(2007年11月15日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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