アップル、Mac OS X 10.5 Leopardを紹介
10月25日 実施 アップルは25日、明日(26日)に発売する新オペレーティングシステム「Mac OS X 10.5 Leopard」の記者向け説明会を開催した。 なお、各機能の詳細はWWDCレポートやレビュー記事などで既に明らかにされているため、そちらを参照されたい。ここではいくつかの特徴的な機能を画面スクリーンショットとともに紹介する。 ●さらにディテールが向上したデスクトップ デスクトップは、これまでのMac OS Xをほぼ踏襲し、上部にメニューバー、下部にDockがあるが、ユーザー好みのデスクトップ壁紙を強調する意味で、メニューバーが半透明になった。また、Dockには新たに「Stacks」と呼ばれる機能を追加し、ウィンドウを開かずにStacksに入っているファイルを、扇状または一覧表示にすることができ、操作性を向上させた。 このStacksには、「ダウンロード」と呼ばれるスタックがデフォルトで用意され、Web上からダウンロードした最新ファイルは、プレビュー付きアイコンで表示するようになった。これによりデスクトップ上は常にクリーンに保ったまま、多数のファイルの管理を容易に行なえるようになるという。 Dockも3D表示となり、よりビジュアルを追求。Dock上のアイコンの映り込みがされるだけでなく、ウィンドウをDock上にもっていくとウィンドウの映り込みもされるなど、3Dグラフィックスを駆使した細かいビジュアルを実現している。
Finderでは、新たにファイルの1ページ目を自動的にアイコンにすることで閲覧性を向上させた。複数ページの文書ではバインダーのようなアイコン、アイコンに収めきれない長い文書はページの右上端が折れ曲がるようになっているなど芸が細かい。 さらに、iTunesのアルバムカバー表示機能に似た「Cover Flow」表示モードを追加。多数のファイルフォーマットに対応しており、ファイルの内容を確認しつつ、3D画面操作でファイルを選択できる。Cover Flowは、対応フォーマットの文書であれば1ページ目だけでなく2ページ目以降も閲覧可能で、動画もプレビューで再生できる。これによりファイルの検索性がさらに向上した。 QuickLookは、対応フォーマットであれば、アプリケーションを開くことなくFinder上でファイルをプレビューする機能。Mac OSで標準サポートされる各種ファイルに加えて、Microsoft WordやExcelファイルのプレビューも可能となっている。
仮想デスクトップの「Spaces」も紹介。すべての仮想デスクトップを1画面上に表示する機能により、仮想デスクトップ間でのウィンドウのドラッグが可能。仮想デスクトップの切り替えはDock上から行なえるほか、キーボードのショートカット「Ctrl+矢印キー」、「Ctrl+数字キー」でも行なえる。これにより、1つのウィンドウに多数のウィンドウを開くことなく、目的別にデスクトップを使い分けるといった使用方法が可能とした。
●メール、Safari、iChatの機能強化 個々のアプリケーションについては、メール、Safari、iChatの機能強化について説明した。 メールでは、HTMLメールのテンプレート機能を強化し、テンプレートから写真および文書を差し替えるだけで見栄の良いHTMLメールが作成できることをデモ。これまであまり利用されていなかったHTMLメールを積極的に推奨するようになった。 また、メモ機能にも対応し、会議録などをメモしておくことで、メールと同様に時系列管理が可能であることをアピール。また、メモやメールデータ中の住所や電話番号を自動的に認識する機能を搭載し、住所であればGoogle Mapへのジャンプ、電話であれば拡大表示ができるなど、使い勝手を向上させた。
Safariでは、Webページの一部を切り出してウィジェットとして利用可能な「WebClip」に対応。WebClipではDashBoard起動時に最新のページに更新されるようになっているほか、DashBoard上からクリップの大小などを再編集することもできる。占いや株式情報などを切り出して常時参照するといった用途に利用できるという。
日本語版独自に強化された機能として、辞書機能がある。これは小学館の「大辞泉」、「プログレッシブ英和・和英中辞典」、「類語例解辞典」のほか、Web上の「Wikipedia」の検索も可能。検索は串刺しで行なわれ、複数の辞書からの結果を一度に表示する。
iChatでは、ビデオチャット時に人物の背景に静止画や動画を合成することができるようになったほか、写真のスライドショー、ビデオ、プレゼンテーションファイルの共有なども行なえるようになり、さらに利便性が向上させた。また、相手のデスクトップを操作するリモートデスクトップにも対応した。
●バックアップを意識する必要がない「Time Machine」 最後に紹介したのは自動バックアップ機能の「Time Machine」。これは定期的にバックアップをバックラウンドで取ることで、ユーザーが意識せずにバックアップが行なえ、誤操作やシステム障害によるファイルの破損から保護する機能。 ファイルに変更があったときの差分まですべてバックアップされており、1日以内なら1時間単位、1週間以内なら1日単位、1カ月間なら1週間単位で、過去に遡ることができることから、Time Machineと名付けられたようだ。 ここまでならWindows VistaのBusinessやUltimateに搭載されているシャドウコピー機能と同じ機能と言える。Time Machineではよりビジュアル的になっており、起動すると宇宙をバックにタイムスリップするような、バックアップ差分ごとの過去ファイルの一覧が3D画面で表示される。過去のファイルはCover Flowによる閲覧が可能で、必要なファイルのみを“現在に持ってきて”復元することができる。
さらに特徴的なのは、Time MachineではFinderだけでなく、メールやiPhotoのようなアプリケーションにも対応していること。すなわちファイルの復元は必ずしもFinder上から行なう必要がなく、過去にメールやiPhotoで削除した写真は、メールとiPhotoを起動したウィンドウのまま、“過去のメールやiPhotoに遡って”写真を復元できる。 なお、Time Machineがバックアップする先は、システムが入っているドライブと同じドライブに設定することも可能だが、バックアップの観点からすればその意義は薄く、外付けHDDを利用することを推奨している。 □アップルのホームページ (2007年10月25日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
|