アイ・オーのUSB高速転送技術「マッハUSB」の実力10月5日 公開 株式会社アイ・オー・データ機器は5日、USB 2.0対応HDDのデータ転送速度を高速化するユーティリティ「マッハUSB for HDD」を同社サイトにて公開した。対応OSはWindows 2000/XP/Vista。 マッハUSBは、USBでのデータ転送時にパケットサイズを大きくすることで、データ転送を高速化する技術。同社の測定では、最大で約30%の高速化を実現したという。対応製品は、USB接続の外付HDDやポータブルHDD、カートリッジ型HDDなどで、10月5日現在で142モデル。
一方、同様の技術をバッファローは「TurboUSB」として、HDD/光学ドライブ/USBメモリに同梱して展開。製品パッケージにはロゴを配し、大きくアピールしている。TurboUSBについては、本誌でも既にテスト済みで、シーケンシャルやランダムのリード/ライト双方で良好なパフォーマンスを示した。こちらの詳細については、関連記事を参照されたい。 というわけで、バッファローの製品リリースから4カ月ほど経ってリリースされた、アイ・オーのマッハUSBはどうなのか、実際にテストしてみた。 ●シーケンシャルを高速化するマッハUSB
HDD製品でマッハUSBを利用可能にする「マッハUSB for HDD」は、同社サイトにて対応製品のシリアルナンバーを入力することでダウンロードできる。マッハUSBを有効にするには、同ソフトを起動して「マッハUSBを有効にする」を選択し、ダイアログに従いUSBコネクタを抜き差しする。 では、早速マッハUSBのベンチマークを見てみよう。テスト環境は、CPUにCeleron D(2.53GHz)、チップセットにIntel 865G、1GBメモリ、OSにWindows XPを搭載したマシン。HDDは耐衝撃HDD「HDH-U500SR」を購入し、ベンチマーク測定にはひよひよ氏の「CrystalDiskMark 1.0.2」を利用した。
ベンチ結果は上図の通り。シーケンシャルリードは32.24MB/secから36.55MB/sec、シーケンシャルライトは26.93MB/secから27.56MB/secへと上昇した。伸び率では順に13%、2%となり、同社が謳う最大30%(HDBENCHで計測)の高速化には及ばないものの、無料のソフト技術による効果としては大きい。 しかし、512KB(ランダム)のデータライトは18.71MB/secから21.43MB/secへと上昇したものの、データリードは23.33MB/secから16.09MB/secへと低下。また、4KB(ランダム)のデータリードは若干高速化されているが、複数回計測したところ、データライトでは速度が落ちることもあった。4KB程度の小型のデータでの効果は誤差の範囲に止まるようだ。 この件について同社広報に問い合わせてみると、「マッハUSBは大型のデータ向けに最適化されているため、ランダムアクセスで性能が低下するのもそれが理由」という回答を得た。 ●まとめ バッファローはTurboUSBで、シーケンシャルで23%程度の向上を見せ、ランダムアクセスでも安定した性能を示していた。一方マッハUSBは、シーケンシャルでは順当な性能向上を示したものの、ランダムアクセスでは性能の低下が見られる。 この性能差は、TurboUSBが各製品向けに専用のユーティリティを同梱されていることが理由の1つだろう。ただし、アイ・オーのマッハUSBはHDDの多くのモデルで利用できるメリットがある。 マッハUSBは無料でHDDへのデータ転送速度を向上させることができる。ランダムアクセスでは不安定な面もあるが、動画など大型のファイルを扱うユーザーには大きなメリットになるだろう。 なお、マッハUSBもまた、USBメモリ向けなどのバージョンが計画中という。また、近々発売する予定のBlu-ray Discドライブでは、マッハUSBと類似の技術を利用して外付けで6倍速書き込みを実現するという。マッハUSBもTurboUSBと同様に、対応機器が拡大していくことが期待される。 □アイ・オー・データ機器のホームページ (2007年10月16日) [Reported by matuyama@impress.co.jp]
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