iPod touchハードウェアレビュー
Apple Store価格: 日本市場においては、Windowsとの互換性の問題で、一部ネット販売での出荷が止まっていたアップル「iPod touch」だが、先週末から店頭での販売も開始された。思わぬ不具合で話題となってしまったが、ハードウェア的に見ても、大変興味深い製品となっている。 編集部でも1台入手できたので、内部構造を中心にご紹介しよう。なお、iPod touchの使い勝手については、僚誌「AV Watch」にて【前編】、【後編】で、レビューが掲載されているので、そちらをご覧いただきたい。 購入したのは16GBモデルで、購入価格は48,800円だった。 ●大きめだが薄い本体
このところ、iPodはshuffleやnanoばかり触っていたので、iPod touchの箱は大きめに感じた。本体サイズも61.8×8×110mm(幅×奥行き×高さ)と、シャツの胸ポケットに入り、片手で持てるとはいえ、shuffleやnanoとはクラスが違う大きさだ。 ただし、厚みはかなり薄い。持った感触は固く薄い板の周辺を丸めたような感じで、表面はすべすべしている。本体の強度は高く、曲げようとしても曲がらない。重量は約120gで、さほど重くはないが、価格に見合った質感と存在感がある。 ●頑丈な筐体はスチールスナップ止め iPod touchの筐体は、本体と裏蓋の2つの部分に分かれている。2つの部品はネジ留めではなく、スチール製のスナップで止められている。スナップの数は多く、とてもしっかりとした固定だ。 筐体を開けると、本体内の大半は薄い銀色のリチウムポリマーバッテリで占められている。バッテリの端子は半田付けされており、交換は難しそうだ。
●とても小さな基板 バッテリを外すと、基板が見えてくる。iPod touchの基板はとても小さい。基板の表側はAppleのロゴが入ったSamsung製のARMアーキテクチャのコントローラと、同じくSamsung製のフラッシュメモリ2チップで占められている。裏面もチップ数は少なめで、大半の機能はソフトウェアで実現されていると思われる。
●16個のネジで固定された液晶パネル 液晶パネルは、これまで見たこともないほどがっしりと固定されている。液晶の長辺に片側8個ずつ、合計16個ものネジが使われているのだ。本体表側の液晶カバーも分厚いものが使われており、液晶周りの強度の確保には、ことのほか配慮がなされている。かなり乱暴な使い方をされることが想定されている印象だ。
●シンプルな構造とソフトウェア優先の設計思想 iPodシリーズのハードウェアはシンプルなものが多いが、iPod touchも例外ではなかった。 むしろ、iPhone譲りのインターフェイスを体験したあとでは、ハードウェアのシンプルさは印象的だ。 iPod touchを構成している力の大半は、そのソフトウェア面にあるのだろう。言ってみれば、ハードウェアはそれを動かすための基盤でしかない。ひたすら頑丈で壊れにくく、シンプルで低コストであることを目指しているようだ。 ジャンルは異なるが、ソニーのPLAYSTATION 3とは対極的な設計思想のハードウェアであると感じた。
□アップルのホームページ (2007年10月10日) [Reported by date@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
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