DigitalLife 2007レポート【アラカルト編】 富士通ブースでモバイル可能なScanSnap新製品が展示
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会場:Jacob K. Javits Center
会期:9月27日~30日(現地時間)
●USBバスパワー駆動が可能な小型ScanSnap
Digital Life 2007の富士通は非常に小型のブースを出展し、日本ではPFUが販売しているScanSnapシリーズの展示が行なわれていた。そこには、モバイル利用向けの小型ScanSnap「ScanSnap S300」が展示された。
ScanSnap 300の特徴はモバイル利用にフォーカスした点。重量は3.1ポンド(約1.5kg)とのことで、シートフィーダ部を折りたたむことでコンパクトに収納できるようになっている。シートフィーダの利用可能枚数は最大で10枚。
また、USBバスパワーで動作可能なのも大きな特徴。ACアダプタを接続しての利用も可能だが、バッテリは搭載されていない。
発売は年末を予定しており、価格は未定。日本への投入はコメントを得られなかった。
このほか同社ブースでは、Macintosh対応の「ScanSnap S500M」を展示。ボディはホワイトに塗装されている以外の外観上の違いは感じられないものの、ファームウェアとソフトウェアの対応によってMacでの利用が可能になったという。こちらは10月に発売される予定。
モバイル向けScanSnapとなる「ScanSnap S300」。シートフィーダは最大10枚を利用可能。用紙はレターサイズまで対応する | シートフィーダ部を折りたたむことでコンパクトに収納できるようになる | インターフェイスはUSB2.0。USBバスパワーまたはACアダプタによる利用が可能 |
●東芝がGeForce 8600M GTのSLIノートを展示
NVIDIAのGeForce 8700M GTを世界で最初に搭載したノートPCとして話題になった東芝の「Satellite WXW/79CW」。米国においては、一部スペックは異なるようだが「Satellite X205」の製品名で販売されている。そして、Digital Life 2007においては、このSatellite X205のバリエーションモデルとなる「Satellite X205-SLI1」と「Satellite X205-SLI3」の展示が行なわれた。
Satellite X205-SLIシリーズは製品名からも想像できるとおり、SLIを構築したノートPCであることが特徴。ただしGPUは、GeForce 8700M GTではなく、GeForce 8600M GTを2枚利用している。
上位モデルとなるSatellite X205-SLI3の主なスペックは、CPUにCore 2 Duo T7500、DDR2-667 2GBメモリ、320GB HDD、17型WSXGA+(1,680×1,050)液晶など。Satellite X205-SLI1はCore 2 Duo T7250、2GBメモリ、240GB HDD、17型WXGA+(1,400×900)液晶など。共通仕様として、IEEE 802.11n無線LANアダプタ、HD DVD-ROMドライブなどを搭載する。なお、筺体自体は従来モデルと変わっておらずインターフェイス類は変更されていない。製品は受注を開始しており、価格は1,999.99ドルから。
このほか、同社が発売するPC周辺機器類にも目が留まった。日本とは異なり、米国では多くのToshibaブランドの周辺機器が発売されており、今回もレーザーマウスやキーボード、液晶ディスプレイ、USBデータリンクケーブル、Bluetoothアダプタなどの展示を実施。
その中で異質な存在に映ったのが、Toshibaブランドのゲーム用キーボードである。数週間後のローンチを予定しているというこの製品は、現時点で製品名や価格も未定とのこと。製品自体はWolfking USAのOEM品と見て間違いないと思うが、日本語の刻印が打たれているのも印象的。もっとも、日本語刻印に関してブーススタッフは、サンプル品だからだと思う、としている。
この製品の日本での発売は未定であるが、ゲーマー向けSatelliteを発売するなど、ノートPCにおけるゲーム体験をアピールする同社ゆえ、ひょっとすると……という可能性も捨てきれない。
●QWERTYキーボード&Wi-Fi搭載のモバイルデバイス
Zipit Wirelessは同社が発売するモバイルデバイス「Zipit Wireless Manager」の後継モデルとなる「Zipit Wireless Manager Z2」を展示した。
Zipit Wireless Manager Z2は、組み込み向けLinuxをベースとしたOSのうえで、Yahoo!、MSN、AOL(AIM)の各インスタントメッセンジャーを利用できるデバイスで、QWERTYキーボードとWi-Fi機能が内蔵されているのが特徴の製品。約350gのボディに2.9型の液晶を搭載。バッテリを搭載しており、4~6時間程度のバッテリ駆動が可能。
また、オーディオ再生機能と静止画のスライドショー機能を追加。miniSDカードスロットを前面部に備えており、ここに記録されたMP3やJPEGファイルを再生できる。また、音楽に関してはインターネットからのストリーミング再生にも対応するという。
10月1日から同社サイト上で事前予約を開始する予定で、価格は149ドルとのこと。
Zipit Wireless Managerの新モデル「Z2」。デザインがより10代の若者に合うようものへ変更された | 前面部にminiSDカードスロットを搭載。MP3やJPEGファイルの再生が行なえる |
●Novintの「Falcon」が店頭販売を開始予定
1年以上前からゲーム系展示会で出品され話題を集めていたNovintのFalcon。先日のIntel Developer Forumにおけるジャスティン・ラトナーCTOの基調講演でも紹介されたこの製品は、3Dマウス系のインターフェイスデバイスだ。
前部にあるツマミの部分を上下左右/前奥へ動かすことで操作が可能なもの。フォースフィードバック機能も備わっているほか、つまみの部分は取り換えが可能で、例えばガンのハンドルへ付け替えるなどのオプションを検討しているという。
このFalconは6月に出荷を開始して以降、同社のWebサイトでのみ販売が続けられてきたが、10月8日から全米のCompUSAでの店頭販売が開始されることになった。価格は239ドル。日本では相変わらずオンライン販売による購入に頼ることになるが、リテールマーケットへの本格参入を果たす今後、ゲームデバイスとしての地位をどの程度の地位を得ることができるか楽しみである。
全米のCompUSAでの発売が決まったNovintのFALCON | 前部にあるツマミ部分を引っ張ったり、上下左右に動かしたりして操作を行なうユニークなデバイス |
ツマミ部分は取り外しが可能で、今後ガンハンドルなどのオプションを検討している | PCとの接続はUSBで、ほかにACアダプタによる電源供給が必要となる |
●3Dマウスの元祖が3Dリモコンを発売
Gyrationが展示を行なったモーションセンサー利用のポインティングデバイス |
Gyrationのブースでは、ロジクールの「MX Air」のようにモーションセンサーを利用して空中で操作可能なマウスなどを展示した。MX Airで利用されるFreeSpaceとは異なるGyration独自技術「UltraSense」を利用したもので、ワンチップのコントローラを用いた仕組みになっている。
展示されていたのはマウスとリモコン2種類。リモコンは99ドルで発売済みで、今回はマウスと液晶付きリモコンが新製品となる。リモコンはWindows Media Centerに対応したもので、ボタン1つでモーションコントローラ機能を有効にできマウス操作状態になる。家庭での利用においては便利そうなデバイスだ。
また、UltraSenseのコントローラチップや、このチップを用いたソリューションなどはライセンス販売を行なうとのことで、こうした空中で利用できるポインティングデバイスも製品数が増えていく可能性を高めている。
□関連記事
【6月13日】東芝、GeForce 8700M GT搭載の高性能ノートPC「dynabook Satellite WXW」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0613/toshiba.htm
【3月9日】【GDC】ゲームに詳しくない人でも楽しめそう(?)な展示物を紹介(GAME)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20070309/expo3.htm
□DigitalLife 2007のホームページ(英文)
http://www.digitallife.com/newyork/
(2007年10月1日)
[Reported by 多和田新也]