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AMD、クアッドコアOpteron発表会
〜65nmプロセスで4億6,300万トランジスタを集積

クアッドコアOpteronのダイと製品ロゴ

9月11日 発表



同社 代表取締役社長 森下正敏氏

 日本AMD株式会社は11日、都内でクアッドコアOpteronの製品発表会を開催した。

 クアッドコアOpteronは、初のx86のネイティブクアッドコアCPU。主な特徴は別記事でも既に紹介しているため、そちらを参照していただきたいが、改めておさらいしておくと、浮動小数点演算器の改良、L2キャッシュのバス幅拡張、L3キャッシュの追加、仮想化技術命令「Rapid Virtualization Indexing」の追加、従来と互換性のあるプラットフォームなどが挙げられる。

 発表会の冒頭では、同社 代表取締役社長 森下正敏氏が挨拶。同氏は、「クアッドコアOpteronは設計段階からマルチコアアーキテクチャに考慮し、性能を最適化した。デュアルコア製品と同様に、スケーラビリティと絶対性能、省電力性能に優れたCPUだ」とアピールした。

 また、今後の国内での新製品戦略についても、「日本は北米に次ぐ2番目に重要な市場であると認識しており、今後パートナーシップの強化と拡大により、搭載製品を増やし、シェアを拡大していきたい」と意気込みを語った。

●データセンターに最適

米国本社 上級副社長 兼 最高技術責任者(CTO)のフィル・へスター氏

 米国本社 上級副社長 兼 最高技術責任者(CTO)のフィル・へスター氏は、新製品の概要について説明した。

 同氏は、「クアッドコアOpteronは2003年の最初のOpteron登場以来、最大の変革」と表現。その理由として、真のクアッドコア設計により、65nmプロセスで4億6,300万トランジスタを285平方mmのダイに収めた、最新鋭のx86 CPUであることを挙げた。

 発表と同時に出荷される製品は、クアッドコアOpteron HEと呼ばれる低消費電力モデル、およびコストパフォーマンスに優れた標準モデルの2種類で、動作周波数は前者が1.70GHz〜1.90GHz、後者が1.90GHz〜2GHzとなる。第4四半期中には2.50GHzに達するパフォーマンス向けのSE、およびHE、標準の上位モデルも出荷される。

 製造については現在順調に進んでいるとしており、へスター氏は、「Fab 36は既に65nmプロセスに完全移行しており、歩留まりが向上したため市場に大量投入するための用意はできている」とコメントした。

クアッドコアOpteronのセグメント別ラインナップ クアッドコアOpteronのブロックダイアグラム

 また、クアッドコアOpteronは「データセンターのために創られたCPU」であることも強調。その理由として、ワットあたりの性能の最適化やACP(Average CPU Power)の導入による消費電力への配慮、ネイティブクアッドコアやキャッシュ改良による性能の向上、従来の製品との互換性、および仮想化新命令「Rapid Virtualization Indexing」による仮想化性能の向上などについて紹介した。

 特にACPについてへスター氏は、「ITマネージャがデータセンターを設計する際に、全体の消費電力に20%上乗せして計算しており、そのため資金を費やすことになる。しかし実際、最大負荷時の消費電力はこれを下回っており、+20%分が無駄になる可能性が大きい」と指摘。その解決策として、“高負荷アプリケーションを考慮した場合の消費電力”としてACPを定義することで、「ACPを基準として+20%分投資すれば、投資額が無駄になずに済む」と述べた。

 その一方でTDPは従来通り、エンジニアリング向けに慎重に設定された熱設計上限値として継続する。また、CPUの消費電力のみならず、プラットフォーム全体としての消費電力がもっとも重要であることも指摘し、これに関しても引き続きシステムメーカーと協業して開発していくとした。

クアッドコアOpteronはデータセンターのために設計 ACPの導入によりデータセンター設計時の最大消費電力枠を削減 ワットあたりの性能
IntelのクアッドコアXeon 2.33GHzとクアッドコアOpteronの負荷時の消費電力比較 Rapid Virtualization IndexingをONにすると仮想化の性能が向上するデモ。仮想マシン上で一連のスクリプトを実行し完成度を比較

 エコシステムの拡大についても、ハードウェア/OEMパートナーのみならず、ソフトウェアパートナーやインテグレーションパートナー、リージョナルパートナーとの協業を強化し、AMD製品を中心としたエコシステムの拡大を強調した。

●GPUの統合化も進む

 製品の今後のロードマップとしては、2007年末にハイエンドデスクトップ向けのPhenom、2008年には45nmにプロセスをシュリンクし6MBのL3キャッシュを搭載した「Shanghai」(コードネーム)が登場する。2009年には、オクタルコア(8コア)を搭載し、PCI Express 2.0やIOMMU(I/Oの仮想化機能)、Direct Connect Architecture 2.0などを搭載した製品も予定しているという。

 一方、2010年以降は、増大するリッチアプリケーションによって、CPUそのものに変化が現われるだろうと指摘。特に3Dアプリケーションの増加、高画質/高音質コンテンツの普及などにより、CPUよりもGPUの性能が求められるようなシーンにおいても、高性能が発揮できるよう、GPU(あるいはそれに似た特殊分野向けのアクセラレータ)がCPUと統合するだろうという見通しを示した。

今後の製品ロードマップ GPUの統合化などによりヘテロジニアス・マルチコアが今後の主流となる

 質疑応答では、クアッドコアOpteronの出荷の遅れの原因についての質問がなされ、へスター氏は、「確かに、4億6,800万トランジスタを設計するには予想以上に手間がかかった。しかし我々は6〜7月の出荷を予定していたので、それからは遅れているが、さほど大きな遅れではないと感じている」と答えた。

 また、競合他社の製品に対してのアドバンテージについて、へスター氏は「我々はメモリコントローラを内蔵しているが、他社はもう少し時間がかかるだろうと予測している。その製品が登場するまで我々は独自のアーキテクチャで優位性が保てるだろう」とした。

発表会にはデルや日本HP、富士通などのパートナーも出席し、AMDとのエコシステム拡大を強調 日本HPのOpteron搭載サーバー「HP ProLiant DL365(2U)」 デルの「PowerEdge 2970(2U)」もまもなくリリース
デル「PowerEdge SC1435(1U)」の実機デモも。クアッドコアOpteronを搭載していることがわかる TyanのクアッドコアOpteron対応サーバーベアボーン「Transport GT26(B4987)」 Supermicro ComputerのクアッドコアOpteron対応サーバーベアボーン「AS-1041M-T2B」
ASUSTeKのクアッドコアOpteron対応マザーボード「L1N64-SLI WS/B」。現行の「L1N64-SLI WS」対応品で、既存製品もBIOSアップデートで対応 AMD未発表チップセットを搭載する「L1A64 WS」も展示。PCI Express x16スロットを4基備えている

□日本AMDのホームページ
http://www.amd.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.amd.com/jp-ja/Corporate/VirtualPressRoom/0,,51_104_543~120183,00.html
□製品情報
http://www.amd.com/jp-ja/Processors/ProductInformation/0,,30_118_8796_15223,00.html
□関連記事
【9月11日】AMD、Quad-Core Opteronの詳細情報を公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0911/amd.htm
【9月10日】AMD、BarcelonaことQuad-Core Opteronを正式発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0910/amd.htm

(2007年9月11日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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