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【PCゲームグッズLab.】
マクロキーと液晶を装備したロジクール「G15 Gaming Keyboard」

G15 Gaming Keyboard

発売中

価格:オープンプライス



 「G15 Gaming Keyboard」は、ゲーマー向けヒューマンインターフェイス機器メーカーとしても定評のあるロジクールのゲーマー向けキーボード。ゲームに特化したマクロキーや液晶ディスプレイなど独自の機能を持つことから注目を集めている。

 そのため、大手ブランド製品としては珍しく英語キーの並行輸入品などが量販店にも並んでいた。そんな中、英語版の発売から約1年半が経過して、ようやく日本語版が6月下旬から発売されるに至った。実勢価格は13,000円前後。

 本製品の多彩な特徴の1つはキーのバックライトで、本体上部にある電球マークのボタンを押すとすべてのキーが青く光る(明るさは2段階)。この機能は当然日本語版にも継承されている。ただし、バックライトとキートップのかな刻印の位置の問題から、かな刻印部分は光っているようには見えない。もちろんアルファベット刻印部分は点灯して見えるので、実用上の問題は全くないと言って差し支えない。

 文字キー以外の配列は、英語版と全く同じで、一般的なレイアウト。ゲームはもとより文章入力などでも使用頻度が高いキーではないが、最近の同社製キーボードでは、Insertキーなどが横2×縦3で並ぶものが増えている中、本製品は横3×縦2の配列となっている。

 少し気になるのは、ESCキーが半角キーの真上よりやや右側に寄っていること。そばに別のキーがあるわけではないので、押し間違うことはないと思われるが、最初は戸惑うかもしれない。

 キータッチはやや固めだが、安定している。F3キーのすぐ上に「ゲームモードスイッチ」と呼ばれるスライド式のスイッチがあり、これをゲームモード(右側)に設定すると、Windowsキーが無効になる。これにより、ゲームプレイ中にCtrlキーなどと間違ってWindowsキーを押してしまい、Windows画面に戻ってしまうことを防げる。同様の機能を持ったフリーのツールなどもあるが、いつでもワンタッチで設定を切り替えられるのは便利だ。

 後述するマクロキーの搭載により、本体は通常のフルキーボードより横幅はやや長い。本体色はシルバーとブラックのツートンカラーで、奥側にすぼむ台形のデザインは存在感がある。ちなみに黒い部分は英語版ではラバー性の素材だったが、日本語版ではプラスチックになっている。インターフェイスはUSBで、本体奥側に2ポートのUSB Hubもある。

左側の楕円形のスイッチがゲームモードスイッチ。右側にある円形のボタンは大きい方がミュートボタン、小さい方がLEDのON/OFFボタン LED OFFの状態 LED ONの状態。かな刻印部も透けているのだが、LEDの配置上光が透けて見えない。LEDの明るさは2段階に調整可能
液晶パネルを起こし、パームレストを取り付けたところ USBケーブルの両脇にUSBポートがある 本体背面には邪魔にならないようケーブルを通せる溝が掘ってあるのだが、溝の幅が狭く、相当力を入れて押し込まないと入らない

●54通りの設定が可能なマクロキー

Gキーと呼ばれるマクロキーが18個。さらにM1~M3でモードを切り替えることで54通りのマクロを割り当て可能。MRボタンで即席のクイックマクロも作成できる

 本製品の最大の特徴の1つが「Gキー」と呼ばれるマクロキーの存在だ。本体左手にはG1~G18までの18個のGキーがあり、付属のキーボードプロファイラを使って、それぞれのGキーに任意のキーストローク/キーマクロを割り当てられる。

 キーストロークでは任意のキーの押下を割り当てられるので、例えばShift+F1などを1ボタンで実行できる。キーマクロでは、一連の押下動作を割り当てられる。例えば、Aを押して、F2を押して、Ctrl+Cを押すといった動作が1ボタンでできる。この時、キーを押している間と、離している時間を記録することも可能で、Aを押して離し、3秒後にBを押すといったマクロも組むことができる。

 また、「MR」キーを押すとクイックマクロ登録モードになるので、割り当てしたいGキーを押した後、キー入力して再度MRキーを押すとことで、キーマクロが登録できる。この際、キーボードプロファイラの立ち上げは不要で、フルスクリーンでゲームしている最中でも、即座にマクロ登録して利用できる。

 Gキーの上部には「M1」、「M2」、「M3」の3つのボタンがあり、3種類のプロファイルを切り替えられるので、最大で54種類のマクロが登録できることになる。

 MMORPGでは使用するショートカットキーの数が多く、ファンクションキー12個だけでは足りず、AltキーやShiftキーなどと組み合わせて使うことも多いが、とっさの場面でも1ボタンでそれらを実行できるのは重宝する。また、同じゲームであっても違うキャラクタ(クラス)でプレイする時にMキーでプロファイルを変更して対応できる。

 ただし、現行のキーボードプロファイラ(バージョン1.04.153)にはちょっとした問題があり、「¥」、「\」、「NumLock」キーはマクロに登録できない(クイックマクロ含む)。

 また、一部のオンラインゲームでは「nProtect」というチート(不正行為)対策プログラムが組み込まれているのだが、それらのゲームではGキーが一切使えないので注意が必要だ。

 ほかのマクロキーの便利な使い方として、メールやメディアプレーヤーのホットキーに設定したり、アプリケーションやファイルのショートカットも割り当てられる。また、パスワードのキーシーケンスを登録してしまうというのもなかなか便利だ。ゲームに限らず、入力が面倒くさかったり、覚えにくいパスワードを1つのキーに登録すると、ワンタッチで入力できるようになる。

マクロの設定を行なうキーボードプロファイラ 設定したいボタンの上でクリックして、割り当て内容を選択。機能の割り当てからは、メールやインターネット、メディアプレーヤーなどを選べる
キーストロークマクロの設定を行なうマクロマネージャ イベント間の遅延を記録にチェックを入れると、キーを押している長さなども記録できる

●さまざまな情報を表示できる液晶ディスプレイ

 もう1つの大きな特徴が、液晶ディスプレイの存在だ。ディスプレイ部は手前に折りたためるようになっており、開けるとディスプレイとメディア操作用のホットキーが現われる。

 付属のLCDマネージャには標準で、時計、パフォーマンスモニタ、ストップウォッチ、メディアコントロール、メールの着信のお知らせといった機能が搭載されており、ボタンで切り替えて表示できる。

 ゲームプレイ中はフルスクリーン表示することがほとんどだが、Windows画面に戻らずに時間やメールの着信を確認できる。フォントはOSのものを利用しているようで、曲名なども日本語で表示できる。

 ただ、こちらもちょっとした問題があり、メディアコントロールを利用する際、Windows Media Playerはバックグラウンドで走らせていてもコントロールできるのだが、iTunesではできなかった(ボリュームコントロールは可能)。

液晶ディスプレイ部分。表示モードの切り替えは黒い丸ボタンで行なう 標準でインストールされているユーティリティ。基本的に設定する項目はほとんどない 時計表示モード。この写真では表示されていないが、メールの着信があるとアイコン表示される
システムモニタモード。デュアルコアCPUではきちんと2列分のCPU負荷が表示される メディアプレーヤーモード。曲名、アーティスト名、残り時間などが表示される。下にある各種ボタンで頭出しや再生/停止などの操作が可能。ボリュームはダイヤルで調整できる ストップウォッチモード。5分間のカウントダウンや、経過時間を測定できる。操作はメディアコントロールボタンの上のボタンで行なう

 上述の問題はあるものの、それぞれ便利な機能だ。だが、追加のプログラムをインストールすることでこのディスプレイはさらに有用なものになる。

 日本語版のドライバには付属していないのだが、英語版のドライバにはLCDマネージャ用のSDKが付属しており、プログラムを自作することができる。一般ユーザーにはプログラミングは敷居が高いかもしれないが、「Logitech G15 Forums」という有志主催のフォーラムでは数多くのプログラムが公開されている。

 この中には、特定のゲームの残り弾数などを表示したり、IMソフトの受信メッセージを表示したりといったものがある。公式なものではないので、自己責任でということになるが、おもしろそうなものがあったら試してみるといいだろう。

 やや残念なのが、フォントの問題で表示が崩れてしまうものがあるほか、現在は2006年の発売当初に比べて開発者の熱気が冷めてしまったのか、長らく更新されていなかったり、リンク切れでダウンロードできないものもいくつかあった。

 ただし、後者の問題については、海外で本製品の後継品が9月に発売されることから、再び活発になってくるのではと思われる。

ValveのHalf-Lifeなどに対応したユーティリティEcho Voice。フォントの問題で表示が崩れてしまっている ちゃんとゲーム内の情報を取得し、Kill数などを確認できる

 また、8月2日付けでβ版ながら「GamePanel Software 2.01」という公式のユーティリティが公開された。これにはLCDマネージャの後継バージョンであるGamePanel Managerとキーボードプロファイラが含まれる。

 キーボードプロファイラに大きな変更点はない(前述のバグも未修正)が、GamePanel Managerはグラフィカルなインターフェイスになり、iTunesでのバグが修正されていたほか、Windows VistaでのSideShowに対応した。

 SideShowに対応したガジェットは、OSに標準で付属するのがOutlook 2007予定表、Windows Media Player、Windowsメールの3つで、オンラインギャラリーに登録されている日本語版は1つのみと、発展はまだこれからといったところだが、今後ゲーム以外でも有効利用できることが期待される。

 なお、GamePanel Software 2.01は日本語版は用意されていないが、液晶を含め、日本語の表示は可能となっている。

GamePanel Software 2.01では、LCDマネージャがGamePanel Managerに進化し、表現がグラフィカルになった また、Windows VistaのSideShowにも対応した
Windowsメールガジェットの画面 Windows Media Playerガジェットの画面

□ロジクールのホームページ
http://www.logicool.co.jp/
□製品情報
http://www.logicool.co.jp/index.cfm/keyboards/keyboard/devices/180&cl=jp,ja
□GamePanel Software 2.01のダウンロードページ(英文)
http://www.wingmanteam.com/latest_software/beta_main.htm
□Logitech G15 Forums(英文)
http://www.g15forums.com/
□関連記事
【8月3日】Logitech、3,200dpi対応のゲーマー向けマウス「G9 Laser Mouse」
~ゲーマー向けキーボード「G15」の新モデルも
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0803/logitech.htm
【6月12日】ロジクール、日本語レイアウト版の「G15 Gaming Keyboard」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0612/logicool.htm
【2006年1月20日】ロジクール、液晶ディスプレイ装備のゲーマー向けキーボード
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0120/logicool.htm

(2007年8月24日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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