マイクロソフト、企業向けのVista Enterprise導入支援キャンペーン7月31日 開始 マイクロソフト株式会社は31日、企業のWindows Vista Enterpriseエディションの導入支援を目的とした「Windows Vista Enterprise Readyキャンペーン」を開始した。キャンペーン期間は2008年6月末までを予定している。 これは国内PCメーカーと協力し、Vista Enterprise動作確認済みのPCについて情報公開などを行ない、Vista Enterpriseへの需要喚起を目的としたもので、日本独自のキャンペーンとして展開される。キャンペーン実施の理由について同社は「IT投資は年々伸びているが、それでも日本は他国に比べ数年遅れている」とし、一層のシェア拡大につなげる狙い。 都内で行なわれた説明会では執行役常務 ビジネス&マーケティング担当の佐分利ユージン氏が登壇。今キャンペーンにおける3つの柱「需要喚起」、「互換性確保」、「導入展開」について解説した。 需要喚起については、専用のキャンペーンサイトを設置。サービスやガイド、各社のPC紹介などを通じて、情報提供を行ない、導入にあたっての疑問点を解消していくとした。
互換性確保については、5つのツールからなる「Desktop Optimization Pack」(DOP)を用意。
DOPの構成内容は、Vista上でアプリケーションの仮想化を行なう「SoftGrid Application Virtuarization」、約43万のアプリケーション情報を保有し、レジストリなどをマッチングさせ、どのPCに何のアプリケーションがインストールされたかを監視する「Asset Inventory Service」、グループポリシーの変更なしにアクティブディレクトリの設定などのテスト導入が可能な「Advanced Group Policy Management」、アプリケーションのクラッシュ状況解析やOSリカバリが行なえる「Diagnotics and Recovery Toolset」、システムセンターを監視し、エラー報告を行なう「System Center Desktop Error Monitoring」で、これによりアプリケーションのバージョンやOSへの依存から解放され、Vista Enterprise導入に対する懸念が払拭できるとした。 導入展開ではラフォーレ原宿、読売旅行、富士通の事例を紹介。「これまでは各拠点ごとに導入OSやアプリケーションのバージョンが異なるなど、少人数ではカバーしきれないほどのサポートが必要だったが、Vista EnterpriseとDOPにより効率的な管理とTOCの削減が行なえる」とした。
質疑応答では「Enterprise Ready PCが公開されたことで、今後はVista Enterpriseプリインストールモデルが用意されるのか」という質問に対し、「現在、Vista Enterpriseはボリューム向けのライセンス販売のみだが、今後はPCとライセンスとのセット販売も予定している」と答えた。 また、「Enterprise Ready PCは“メーカー各社の基準により動作確認”とあるが、基準は共通ではないのか」という質問に対し「基準はメーカーそれぞれで設けており、全てのPCでEnterpriseの全機能が利用できるということではない。例えば、TPMセキュリティチップを搭載していないPCでは、セキュリティ機能“BitLocker”は本来利用できないが、USBメモリなどを追加することでTPMチップの代用とすることもできる」などという説明がなされた。 会場では動作確認済みの各社PCが展示された。現在はソニー、東芝、NEC、日本HP、富士通、パナソニック、三菱、レノボ・ジャパンの8社のみだが、今後他メーカーとも協力し、対応PCを増やしたいとした。なお、“Vista Enterprise Ready”ロゴステッカーの貼付は今のところ予定していないという。
□マイクロソフトのホームページ (2007年7月31日) [Reported by ishid-to@impress.co.jp]
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