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WWDC 2007レポート

【基調講演速報】
Leopardに搭載される10の機能を紹介
〜SafariにWindows版が登場。今日からパブリックβを開始

会期:6月11日〜15日(現地時間)

会場:San Francisco「Moscone Center West」



今年は約1時間半余りの基調講演をほぼ出ずっぱりの状態でこなしたスティーブ・ジョブズCEO

 米AppleによるWWDC(世界開発者会議)が、サンフランシスコのMoscone Centerで開幕した。10時からはじまったスティーブ・ジョブズCEOによる基調講演では、次期Mac OS Xとなる“Leopard”に搭載される10の機能をピックアップして紹介した。この中には昨年(2006年)の講演ではトップシークレット扱いされて未公開だったデスクトップまわりやFinderの新機能など、ユーザーインターフェイス部分のブラッシュアップが含まれている。

 そのほか、Mac OS X標準のWebブラウザ「Safari」がWindowsに対応して提供されることも発表された。

 本稿は速報として基調講演の模様を簡単に紹介する。ピックアップされたLeopardの機能の詳細は、追って詳細なレポートをお届けする予定だ。

●Leopardから10の機能をピックアップ

 現在、Mac OS Xには2,200万人のアクティブユーザーが存在する。ジョブズCEOによれば、これまで最も成功したといえる現行のTigerが1,500万ユーザー、10.3にあたるPantherが500万、それ以前のバージョンが200万と分類されている。PowerPCプラットホーム、Intelプラットホームを問わず、これらのユーザーをより多くLeopardへと引き上げていくのが目的だ。

 今年10月に登場するLeopardは、同社にとって2006年1月に登場したIntel Macに対応するTiger以来のOSリリース。Mac OS Xにとっては6番目のメジャーリリースとなる。Leoperdには300もの新機能が搭載されるとのことだが、この日はそのうち10の機能がピックアップされた。

 実は『10の新機能を紹介』というのは、昨年の基調講演とまったく同様のアプローチとなる。ただし初公開となる機能がいくつか含まれているほか、昨年紹介した機能でも、さらにブラッシュアップが進んだ内容となっていた。

 10の新機能は箇条書きで紹介する。詳細は追加で掲載する詳報も参照してほしい。

1.新デスクトップ。Leopardでお目見えする新デスクトップでは、新しいメニューバー、新しいDock、スタック可能なファイル/アイコン管理などが実現する。

2.Finderに加わる新機能。ユーザーインターフェイスまわりの革新としてFinderにも手が加えられる。新しいサイドバー、ネットワーク接続された他のMacやサーバーの検索機能、PCの共有そして現行のiTunesで採用されている「Cover Flow」が、ファイルビューの1つとして採用された。

3.QuickLook。前述した新デスクトップや新Finderとも密接に関わる機能だが、各種ファイルをアプリケーションを起動することなく簡単、かつ高速にプレビューする。フルスクリーンを使ったプレビューも可能。

4.64bitへの対応。これは昨年も紹介された内容の更新となる。Leopardでは単一のOS上で、32bit対応のアプリケーションと64bit対応のアプリケーションを同時に動作させることができる。開発環境であるCocoaも64bitに対応。

5.Core Animation。これも昨年詳細された機能のアップデートとなる。紹介のデモは昨年以上にパワーアップ。幾多の映像ファイルをCover FlowビューとSpotlight検索を駆使して、プレビューしてみせた。

6.Leopardには標準で搭載されるBootcamp。現在行なわれているβ版(Tiger対応)は、250万件ダウンロードされているという。β版では必要だったBootCamp環境へのドライバインストールに必要なドライバディスクの作成が、正規リリースでは不要となる。また、Parallels、VMWare Fusionという仮想環境もあわせて紹介された。

7.Spacesの紹介とデモの内容は昨年とほぼ同様。デモでは2×2の仮想デスクトップ環境で、デスクトップ間相互のアプリケーション移動や、すべての仮想デスクトップ環境を一目で見通すBirds eye Viewなどを紹介した。

8.Dashboard機能の強化とWebClipの追加。これも昨年明らかにされた機能の1つだが、WebClipの手法がよりスマートに進化している。Safariにクリップ用のボタンが追加されたほか、クリップするエリアが自動的に認識されるようになった。

9.iChatは、昨年同様に聴衆の笑いを誘う演出で機能を紹介。機能面で昨年のデモと大きく進化したところはないが、背景を任意の画像にかえるBackDropにおける人物の切り抜きの高精度化、Photoboothとの連携によるエフェクトに新しいエフェクトが加わっていた。

10.紹介された最後の機能は昨年のデモでも最も注目度が高かったTimeMachine。Spotlight検索を組み合わせてロストしたプレゼンテーションファイルを復旧させるデモが行なわれた。

Dock上でスタックされたファイルは、このように一覧できる。Dockが奥行きのあるスタイルに変わっていることにも注目だ ファイルだけでなく、アプリケーションアイコンもスタックが可能。一覧表示にはこうしたビューもある iTunesライクな「Cover Flow」をFinderにも採用。TigerにおけるSpotlightやスマートフォルダなど、最近はiTunesのアイディアが次々とOS側へ取り込まれている
QuickLook。テキストや画像はもちろんPDFやムービー、Excelなどの全体をアプリケーションを起動することなく確認できる。他のアプリケーションもPlug-Inの追加で対応 OSは単一。32bit対応のアプリケーションと64bitのアプリケーションを同時に動作させることが可能。今後は、64bitがメインストリームになると説明 昨年はiTunesのジャケット写真で行なわれたCoreAnimationのデモだが、今年はプレビュー動作中のムービーへとパワーアップ。さらにCoverFlowによる表示とSpotlight検索を組み合わせてパワフルなデモとなった
Bootcampをはじめ、Paralles、VMware Fusionと目的に応じたWindows環境を Spacesのデモ。すべての仮想デスクトップ環境を一目で見通すBirds eye Viewなどを紹介した WebClipでは、選択エリアの候補が自動的に次々と表示されるようになった
iChatのデモにはお約束どおりにフィル・シラー上級副社長が登場 BackDropによる背景合成を使った悪ふざけ。口元のみがシラー上級副社長 昨年のWWDCでは最も注目を集めたTimeMachine。今年はCoverFlowと組み合わせたデモを披露してみせた
デベロッパにはこの日、「ファイナルに極めて近い」Preview版が配布された 会場を一瞬ざわめかせた、Basic Versionが129ドルというスライド しかし、Ultimate Versionも129ドル。Premium、Business、Enterpriseまで計5枚のスライドが用意されていたが、2枚目以降は会場爆笑でジョブズCEOの説明もかき消された

●Webブラウザ「Safari」をWindows対応に。同日よりパブリックβを配布

 基調講演の「One more thing…」として公開されたのがMac OS X標準のブラウザであるSafariのWindows対応版である。ジョブズCEOはWebブラウザのシェアをグラフ化して見せ、現状のSafariが約5%のシェアであることを示した。そして、そのシェアを大きく伸ばす方法として、SafariのWindows対応を発表した。Windows版のSafariは、XP、Vistaのいずれでも動作する(ただし英語版)。

 ジョブズCEOがスライドで紹介したデータによれば、SafariのWindows対応版はWindows XP上のHTMLパフォーマンスで、Internet Explorer 7の約2倍高速。JavaScriptの動作においては、それ以上のパフォーマンスを得られるとした。

 新しいSafariのパブリックβ版は、同日からダウンロードによる提供が開始された。提供されるのはLeopardに搭載されるSafari3.0と同等の機能を有するバージョン。Windows版と現行のMac OS X Tigerに対応するバージョンの2種類があり、Macユーザーも一足早くLeopardの一端に触れることができる。

 ジョブズCEOはFireFoxがローンチ初日に50万ダウンロード、iTunesが同様に100万ダウンロードされているという例を紹介。SafariがiTunesと同様にWindowsプラットフォームへ浸透するという自信をみせた。

Safariに、Windows XP/Vista対応版が登場する LeopardでNY Timesのサイトを表示するSafari Windows Vistaで、NY Timesのサイトを表示するSafari
iBenchによるHTMLのパフォーマンスはIE7の2倍以上と説明するジョブズCEO Windows対応のSafariの概要を説明 パブリックβ版はWindows対応、Mac OS X Tiger対応版とも同日よりダウンロード可能

●iPhone出荷まであと18日。アプリケーション開発はWeb2.0準拠で解放

 ここまでの流れからの予想どおり、ジョブズCEOの「One Last thing…」(最後の1つ)は、iPhoneに関する内容となった。既報のとおり、iPhoneは 6月29日から米国において出荷がはじまる。Mac OS XをOSとし、フル機能のSafariが搭載されるiPhoneに対してアプリケーションが供給できるかどうかは開発者にとって重要なポイントだ。

 初公開となった今年1月のMacworld Expoではセキュリティなどを理由にサードパーティによるアプリケーション提供に消極的な姿勢をみせていた同社だが、WWDCにおいて新たな指針を示した。Cocoaによる開発やSDKなどは提供されないが、Web2.0そしてAJAX準拠のアプリーションを動作可能とするという。

iPhoneの出荷開始まであと18日 Web2.0+AJAX準拠によるアプリケーション開発をサードぺーティへと解放 iPhoneのデモはScott Forstall副社長から。SafariによるWebブラウジングなどを紹介
入場時は隠されていた3階のバナー。昨年のようなVistaへの挑戦メッセージとは異なり、Leopardの機能に注目した内容になっている 2階にあるバナーは、開発者向けのツールやアプリケーションが中心 基調講演の終了後、カウンターでは次々とLeopardのPreview版が参加者へと配布された

□Appleのホームページ
http://www.apple.com/
□WWDC 2007のホームページ
http://developer.apple.com/jp/wwdc/
□WWDC 2007ニュースリリース
http://www.apple.com/jp/news/2007/may/01wwdc.html
□関連記事
【6月12日】【元麻布】サンフランシスコで夢は語られるか
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0612/hot491.htm
【6月11日】【WWDC】Appleの開発者会議「WWDC 2007」が11日開幕
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0611/wwdc01.htm
【4月13日】Apple、次期OS「Leopard」のリリースを10月に延期
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0413/apple.htm
□WWDC 2006レポートリンク集
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/link/wwdc.htm

(2007年6月12日)

[Reported by 矢作晃]

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