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Antec、5インチベイ12基装備のフルタワーケース
~microATX用静音ケース「Mini P180」なども

発表会で展示されたTwelve Hundred。生産ラインは完成していないため、世界に1台しかない手作りモデル

6月11日 発表

価格:オープンプライス



セールス&マーケティング担当上級副社長 スコット・リチャーズ氏

 米Antecは6月11日(日本時間)、都内で製品発表会を開き、来日したセールス&マーケティング担当上級副社長 スコット・リチャーズ氏がCOMPUTEX TAIPEIでも展示されたPCケース5製品について紹介した。

 冒頭で同氏は、これまで同社が日本市場において順調に成長していることをアピールし、「これはユーザーの支持があってこそであり、今後も我々はユーザーのニーズに応えた製品を投入する」と述べた。

●フルタワーATXケース「Twelve Hundred」

 Twelve Hundredは、5インチベイを12基装備したゲーマー向けのフルタワーケース。国内での発売は9月末~10月初旬で、価格はオープンプライス。2006年11月に発売したミドルタワーケース「Nine Hundred」の姉妹品にあたり、拡張性が向上しているのが特徴。

 縦一列にメッシュ付き5インチベイを12基並べ、このうち9基を利用してブルーLED付き12cm角ファンを3基装備。さらに、背面に12cm角ファンを2基、天板に20cm角ファンを1基装備し、ケース内のエアフローを向上させた。オプションで側面に12cm角ファンを1基追加可能。

 また、フロントパネルとサイドパネルの吸気部は新たに水洗いが可能な防塵フィルタを備え、ホコリの侵入を防げるようになった。従来機に搭載しなかった理由としてリチャーズ氏は「目詰まりでエアフローが低下することを防ぐため」というが、今回のモデルはユーザーの声を反映して搭載した。

 フロントパネルのインターフェイス部は、USB 2.0×2、音声入出力を装備するほか、従来装備していたIEEE 1394をeSATAポートに変更。また、P182と同様にマザーボードベースを若干浮かし背面でのケーブル配線が可能になる構造を採用し、水冷ホースを通すホールを新設した。電源は別売り。

 今回の発表会で展示されたケースはハンドメイド品であり、本体サイズや重量などの詳細については不明としている。

 なお、同ケースの20cm角ファンの下部に、水冷用ラジエータを備えたケースも同時に発売される予定としており、別売りの水冷タンク/水枕を接続することでさらに放熱性を高めることができるとしている。

5インチベイを12基搭載し、そのうちの9基用に12cm角ファンを3基搭載するという豪快な仕様 本体背面にブルーLED付き12cm角の「TriCool」ファンを2基装備。水冷チューブ通し用ホールも見える トップに20cm角ファンを搭載。愛称は「ビッグボーイ」。手前にeSATAポートも見える
サイドパネルはクリアパネルで内部が見える サイドパネルをあけたところ。5インチベイはすべてツールレスで装着可能なレールを採用 「ビッグボーイ」の下に設けられたオプションの水冷ラジエータ。水枕とポンプなどのキットは別売り

●静音microATXタワーケース「Mini P180」

 Mini P180は、microATXマザーボードに対応したタワーケース。日本での発売時期は7月以降で、価格はオープンプライス。

 ATX対応の「P180」と同様に、電源部とマザーボード部を隔離させた2室構造を採用するほか、背面に12cm角ファン、上部に20cm角ファンを搭載し、放熱性を高めた。また3重構造のサイド/フロントパネルを採用し、遮音性を高めた。

Mini P180。こちらも手作りのコンセプト。フロントパネルはP180をほぼ踏襲するが、右側に吸気口が見える。また、本体の高さが抑えられていることがわかる フロントパネルをあけたところ 本体内部。写真では3.5インチシャドウベイを取り外し、カードリテンションを装備している
本体背面。TriCoolファン調節用スイッチを備えている microATXケースでありながら、20cm角ファン「ビッグボーイ」を搭載 サイドパネルは3重構造

 リチャーズ氏は、「日本市場が小さいケースを好む傾向にあるだけでなく、Intelは今年度中にmicroATXでオーバークロック可能なマザーボードを投入する予定だと聞いており、今回の製品はそれらのニーズに応えることができる」とした。

 拡張ベイは、5インチ×3、3.5インチ×5。このうち3.5インチベイを2基取り外して、カードリテンションを装備することでフルレングスのPCI Expressビデオカードなどに対応できる。また、リテンションには12cm角ファンをオプションで装備可能。

 インターフェイスはUSB 2.0×2、eSATA、音声入出力を装備。本体サイズなどの仕様は現時点では未定。

●ATX対応のHTPCケース「Fusion Max」

 Fusion Maxは、ATXのマザーボードに対応したハイエンドHTPCケース。国内での発売は秋頃を予定しており、価格はオープンプライス。従来のFusionシリーズに属し、新たにATXに対応することで拡張性を向上させた。

 拡張ベイは5インチ×1、3.5インチシャドウ×4で、このうち3.5インチシャドウ2基をMini P180と同様に取り外して、カードリテンションを取り付けることで、フルレングスのPCI Expressビデオカードに対応。また、リテンションには12cm角ファンをオプションで装備可能になっている。

Fusion Max。もともとの名前は「New Overture」だったが、COMPUTEX TAIPEIでの声を反映して変更したという インターフェイスは開閉可能なカバーに隠されている
14cm角ファンと12cm角ファンを装備 Mini P180と同様に3.5インチシャドウベイ2基を取り外し可能

 また、Windows VistaのMedia Centerに対応した赤外線リモコン受信ポート、ボリューム調節ノブ、液晶ディスプレイなどを搭載。このほかは従来と同様、電源部/HDD部/マザーボード部を分離して熱を隔離する3室構造を採用し、14cm角のサイドファン、12cm角のリアファンを搭載する。

 吸気部は、Twelve Hundredと同様、新たに水洗いが可能なフィルタを採用する。インターフェイスはUSB 2.0×2、eSATA、音声入出力を装備。本体サイズなどの仕様は現時点では未定としている。

●6月下旬発売の「Sonata Designer」、「同Plus」

 Sonata Designer、同Plusは、ともに発売中のATX「P150」をベースに改良を加えたモデル。国内での発売は6月下旬としており、価格はオープンプライス。

 Designerは、交換可能なフロントパネルを備えたケース。店頭予想価格は2万円前後の見込み。標準ではパステルブルー色のラインが入ったフロントパネルを装備しており、オプションでパステルピンク色なども用意する。電源は変換効率が常に80%以上の「EarthWatts」シリーズの500Wモデルを搭載する。筐体色はシルバーでフロントパネル色はホワイト。

 Plusは、電源にNeoHE 550Wを搭載し、NVIDIA SLIの認証を受けたハイエンドケース。店頭予想価格は「Designerより若干高め」としている。筐体色はブラック、フロントパネル色はシルバーで、5インチベイ周辺にはオレンジ色のラインが入っている。

Sonata Designer。P150と構造のため、量産機の展示となっている Designerの内部。P150を踏襲する フロント吸気部は新たに水洗可能な防塵フィルターを装備
HDDの留め方は2種類。フロントから作業が可能 Sonata Plus。こちらも量産機の展示 電源はNeoHE 550Wを搭載し、必要なケーブルだけを差して使う

 両製品ともに新たに前面9cm角ファン装着部に水洗可能な防塵フィルターを装備。このほかはP150と同様、シリコングロメット付きで4台まで、サスペンションマウントで3台までのHDDを搭載可能な防振3.5インチシャドウベイ、背面に3段階速度調節が可能な12cm角「TriCool」ファンを装備する。

 その他の拡張ベイは共通で、5インチ×3、3.5インチ×1を装備。フロントパネルはUSB 2.0×2、IEEE 1394×1、音声入出力などを備える。本体サイズは205×462×424mm(幅×奥行き×高さ)、重量は12.05kg。

□Antecのホームページ
http://www.antec.com/world/jp/
□関連記事
【2月26日】Antec、水冷対応のATXタワーケース「P182」など
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0206/antec.htm
【2006年10月11日】Antec、ゲーマー向けATXミドルタワーケース
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/1011/antec.htm

(2007年6月11日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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