【ストレージ&フラッシュメモリ編】
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SandiskがCOMPUTEXに合わせて発表した2.5/1.8インチの64GB SSD |
会期:6月5日~9日
会場:Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/2/3
Taipei International Convention Center
●SSDの128GBモデルは今年後半に活性化
先日発表された東芝製のノートPCで64GB SSDが採用され話題になっている。COMPUTEXの会場でも、SSDの展示は非常に多く、フラッシュメモリ製品を扱うメーカーであれば、ほぼ例外なく製品を用意している状況。2.5インチSSDの容量は128GBが珍しくなくなっている。ただし、128GBは現時点で製品化されていない。量産出荷は各メーカーとも今年後半から来年(2008年)を予定。
一方、64GBモデルを展示したSanDiskは、この64GBモデルの量産開始時期を今年第4四半期としており、大手メーカーのこうした状況がOEMメーカーに影響を与えることは必至で、今年後半から来年前半のコンシューマユーザー向け製品への採用は、32~64GBが主流といった状況は続くことが予想される。
ただ、128GBが机上の製品かというとそういうわけでもなく、InnoDiskでは128GBの2.5インチSSDのワーキングサンプルをすでに用意しており、デモを実施。同社では、最初は産業向けであるとしながらも今年10月に量産を開始するとしている。
気になる価格であるが、innoDiskは2,000ドル前後を予定。ただし、他メーカーでは800ドルぐらいを予定しているところもあり、価格動向は蓋を開けてみないと分からない状況となっている。
innoDiskが動作デモを行なった128GBの2.5インチSSD。3Gbps対応のシリアルATAインターフェイスを持つ | 動作デモでは転送速度ベンチマークが実行されている。実効速度は読み込み60MB/sec強、書き込み35MB/sec前後といったところ | PNYが展示した128GBの2.5インチSSD。量産は今年後半を予定 |
このほかのところでは、2.5インチサイズのハウジングに、コンパクトフラッシュなどのメモリカードを装着してストレージとして利用するデバイスも散見された。以前よりIDEインターフェイスを利用して基板むき出しの状態の製品などは珍しくなかったが、シリアルATAインターフェイスを持った2.5インチHDDと互換性のあるケースで利用する製品が増えた。
なかでも、2枚のコンパクトフラッシュを利用してミラーリングやストライピングを構築できる製品は興味深い。前者はともかく、後者の仕組みは容量不足を補う手段としてコンシューマユーザーにも便利な機能といえるだろう。
innoDiskが展示した2.5インチHDDサイズのCFアダプタ。2枚のCFをミラーリングすることができる | Apacerが展示した「SRFD(Sata Raid Flash Drive)」。CF2枚を装着し、DIPスイッチを利用してRAID 0/1を構築できる。今四半期中の量産を予定 |
●ReadyBoostで利用しやすいフラッシュメモリ
フラッシュメモリ関連の展示では、ReadyBoostを意識したUSBメモリの展示が目立ったのが印象的だ。先月秋葉原にもお目見えした、マザーボード上のUSBヘッダピンに直接装着できるUSBメモリは、類似製品が見かけられた。形状もメーカーごとにアイデアがあるようで、装着した際の干渉を防ぐ工夫がユニークだ。ReadyBoostを利用しつつ外観を損なわない製品として、メーカー製PCへの採用などもあるかも知れない。
また、一般的な外付け用USBメモリのなかでは、Apacerが展示したReadyBoost用USBメモリが面白い。これはUSBメモリ本体に対し、コネクタを垂直に設けることで、PC本体から垂直に延びないようにしたもの。はみ出す長さを最小限に抑えることでモバイル用途にも利用できそうだ。なお、USBコネクタ部は180度スイーベルするので、設置の向きは問わない。
このほか、USBメモリではないが興味深いアイテムが、シリアルATAコネクタに直挿しするフラッシュメモリ。容量は最大でも4GBと決して大きくはないが、ちょっとした作業用スペースやアプリケーションのキャッシュ領域として使うには便利そうである。また、シリアルATA接続ということで、OSのブート領域としても利用しやすい利点はある。
最近のチップセットにおけるシリアルATAインターフェイス数の増加で、コネクタが余っている人は少なくないと思われ、空いたインターフェイスを有効活用するデバイスといえるだろう。
PQIのSATAコネクタへ直挿しするフラッシュメモリ。最大容量は4GBで、公称速度は読み出し15MB/sec、書き込み12MB/sec。ほかのコネクタへ干渉しないよう伸長方向が異なる2つのモデルが用意される | AfayaのSATAコネクタへ直挿しするフラッシュメモリ。最大容量は2GB。公称速度は読み出し15MB/sec、書き込み12MB/secとなっている |
●LG電子のBlu-Ray/HD DVDコンボドライブに後継モデル
今年1月に米ラスベガスで行なわれたInternational CESにおいて、LG電子がBlu-ray/HD DVDの両方に対応したコンボドライブ「GGW-H10N」を展示し話題になったが、このCOPMUTEX TAIPEIでは早くも、その後継となるドライブが展示されている。
展示されたのはBD-R/REへの書き込みに対応する「GGW-H20N」と、BD-R/REへの書き込み機能を省いた「GGC-H20N」の2製品。具体的な変更点は不明ながら、すでにエンジニアリングサンプルの出荷は行なわれており、年内にも量産出荷が開始される見込み。
日立ブースで展示された「GGW-H20N」。CESで展示されたGGW-H10Nの後継モデルで、BD-R/RWへの書き込みに対応 | こちらはBD-R/REへの書き込み機能を省いた「GGC-H20N」。DVD±R/RWやDVD-RAMなどへの書き込みは可能。廉価版と見られるが価格は不明 |
□COMPUTEX TAIPEIのホームページ(英文)
http://www.computextaipei.com.tw/
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0328/samsung1.htm
(2007年6月7日)
[Reported by 多和田新也]