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ソースネクスト、Webで使える無料のオフィスソフト
~Microsoftとの互換性を装備

5月14日 発表



 ソースネクスト株式会社は14日、Web上で使えるオフィススイート「ThinkFree てがるオフィス」を発表し、同日よりβ版サービスを開始した。9月より正式サービスを開始する予定で、利用料は無料。

 ThinkFree てがるオフィスは、文書作成、表計算、プレゼンテーションの3ソフトからなるオフィススイート。開発は韓国HaanSoftの子会社であるThinkFreeが担当。Ajaxで作成されたWeb上のアプリケーションであり、ネットワークに接続すればユーザーがどこからでも利用可能なほか、1GBのストレージが提供され、他のユーザーとファイルの共有などが可能になっている。

 MicrosoftのOffice形式のファイルであるdoc/xls/ppt形式と互換性を高めてあり、それがGoogleの提供するアプリケーションとの違いという。

 また、コラボレーション機能として、作成したドキュメントを公開可能で、それに対して他のユーザーがレーティング/コメントできる。また、株式会社インプレスジャパンと株式会社エクスメディアもテンプレートなどのドキュメントを提供する。これらにより、コミュニティが醸成されサービスが向上していくとし、「進化するオフィスソフト」と謳っている。

5月14日よりβ版を提供開始 無料で使えるてがるオフィス
ThinkFreeの強み 進化するThinkFree

 スタートページとして「Work Space」を備え、ここより新規文書の作成やファイルの管理/閲覧/編集、ファイル共有、プロフィールの作成が可能。ドキュメントを公開する際には、タグ付けが可能で、検索されるキーワードをユーザーが設定できる。逆に、公開されたドキュメントをキーワードで検索できるほか、評価やアクセス数などによるランキングから検索も可能になっている。

 文書作成には「てがるワープロ」、表計算には「てがる表計算」、プレゼンテーションには「てがるプレゼン」を用意し、MicrosoftのOfficeソフトのルック&フィールに似せたというインターフェイスで各種ドキュメントを作成可能。

 対応OSはWindows 2000/XP、Mac OS X 10.4以降、Linux Fedora Core 4以上。ネットワークへの接続とJava Runtime Environment 1.5.xが必要で、対応ブラウザはInternet Explorer 6.0以上、FireFox 1.0.1以上。

 製品の展開スケジュールは、5月14日よりβ版を公開し、9月に正式公開と同時に新たな有料サービスを提供。秋にはパッケージ版を発売する。基本的には無料で利用できるサービスだが、有料サービスとして、オフラインでソフトを利用可能にするツールや、オンライン時にファイルを同期させる機能、ストレージの増量などを検討中。

 なお、β版ではインターフェイスの一部が英語となっているが、編集画面は日本語化されている。

スタートページとなるWork Space てがるワープロ
てがる表計算 てがるプレゼン

●3年で400万ユーザーを目指す

 ソースネクスト 代表取締役社長 松田憲幸氏は、てがるオフィスの提供目的を次のように説明。

 オフィスソフトには安さや、どこでも使えること、どのPCでも使えること、手軽に使えるといった要望があるとした上で、「今回それらを解決した。ワープロ、表計算、プレゼンテーション、フリーアップロード領域、コラボレーション機能の5つがすべて入って無料。今までにない画期的製品になる」とサービスへの自信を覗かせた。

 目標としては、初年度には100万ユーザーを目指し、3年で400万ユーザーを目指す。これらの目標はコラボレーション機能とコミュニティの発展により実現可能な数字という。

ソースネクスト 代表取締役社長 松田憲幸氏 ユーザーの要望に応えるThinkFree 3年で400万ユーザーを目指す

ThinkFree CEOのTJ Kang氏
 ソフトウェアを開発したThinkFree CEOのTJ Kang氏は、ThinkFreeのミッションは「Microsoftとの互換性が最高に高いドキュメント作成機能と、Web上でのコラボレーションを提供すること」とする。

 続けて、Googleのサービスに言及し、「てがるオフィスはMicrosoftのオフィスとの互換性に真剣に取り組んでいることがアドバンテージ。5年後にはGoogleのソリューションを使っているかもしれないが、それには時間がかかる。その間にはMicrosoftのオフィスを使い、付き合いも必要なのが現状。ゆえに、今あるソリューションで高い互換性を持たなくてはいけない」と同社の姿勢を語った。

●携快電話と筆王を6月に投入

 そのほかの新製品として、無料でバージョンアップできる携帯電話編集ソフト「携快電話ZERO」を6月29日に、ハガキ&住所録作成ソフト「筆王 2007(夏版) Windows」を6月15日に発売する。

 携快電話ZEROは、FOMA/SoftBank 3G用が3,970円、全キャリア用が4,980円。筆王 2007(夏版) WindowsはDVD-ROM版、CD-ROM版ともに3,970円。

 携快電話は、これまで携帯電話の新機能/新機種に対応するには新パッケージの購入が必要だったが、ZEROシリーズとなったことで無料でバージョンアップできるようになる。なお、バージョンアップはVistaの公式サポートが終了するまで継続して提供する。

携快電話ZERO 筆王 2007(夏版) Windows

 このほか、同社の直販サイト「ソースネクストeSHOP」にて、ソフトウェア(ダウンロード販売の)を購入時に1クリックでダウンロードから解凍、インストールまでを自動で実行するソフトウェア「1クリック・ダウンストール」を提供する。

 ソフトウェアを購入する際に、前もって同ソフトウェアをインストールしておくことで、通常では約11クリック必要な操作が1クリックで実行できるようになる。煩雑なソフトウェアの導入を簡単にするという。

 サービス提供は9月で、200タイトルが対応し、2008年3月までに1,000タイトルまで拡大していくという。

 松田氏は、「PC初心者や年配の方よりダウンロード販売はわかりにくいという不満の声があった。ユーザーの視点からPCをどんどん使いやすくしていくこと、これがソースネクストの狙い」と語った。

1クリック・ダウンストール 1クリック・ダウンストールの利用

□ソースネクストのホームページ
http://www.sourcenext.com/
□ニュースリリース
http://www.sourcenext.info/sp/press/070514_thinkfree.html
http://www.sourcenext.info/sp/press/070514_downstall.html
http://www.sourcenext.info/sp/press/070514_keikai-zero.html
□ThinkFreeのホームページ
http://www.thinkfree.com/
□関連記事
【2006年9月21日】キングソフト、マイクロソフト オフィスそっくりの「Kingsoft Office 2007」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0921/kingsoft.htm

(2007年5月14日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

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