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インテル、高密度配線などの先端技術を紹介
~ピエゾ素子を使った小型冷却システムも

Martin Rausch氏

4月23日 実施



 インテル株式会社は23日、都内で記者会見を開き、米国本社から来日したMartin Rausch氏(General Manager of Systems Manufacturing Technology Development)が、同社が取り組んでいる高密度配線(HDI、High Density Interconnect)などの先端技術を紹介した。

 同氏はまず、現在PCにおいて、DDR2の採用やグラフィックス機能の内蔵などの高機能/高性能化に併ない、CPUやチップセットのピンが増えていると指摘。その一方で、チップの実装技術が頭打ちとなり、1平方mmあたりのピン数が増えていないことから、基板への実装面積が拡大してきたと説明した。

 実装面積の拡大の弊害は、原材料コストが跳ね上がるだけでなく、モバイルPC本体の大型化/重量増加にも繋がっていく。そこで同社は、実装面積が小さいチップセットを開発するとともに、密度が高い配線技術などを推進してきたが、コスト高の理由から多くのメーカーに採用されず、価格も下げられないという悪循環に陥っていた。

Intelが推進するHDIのデザインルール 近年、チップの機能と性能は向上しているが、ピン数の密度は向上していない
モバイルPCにおいてメインボード部は重量の多くを占める。HDIを利用していないThinkPad T40では重量305g/面積322平方cmだが、HDIを利用したLet'snote Y5ではほぼ半分になる モバイルPCとSFF PCへの需要の増加

 しかし、今後のPC市場は、主に北米や西ヨーロッパなどでモバイルPCへの高い需要が見込まれることと、デスクトップでもSFF(Small Form Factor)が普及することを踏まえて、HDIデザインルールを推進すべきだと同氏は指摘した。

 同社が推進するHDIデザインルールは、BGAのピッチが0.6mm以下、PCB(基板)の厚さが1mm前後などを指標としている。HDIデザインルールを採用する利点としては、パッケージ間の配線も短くなるため、高い性能を得やすいということも挙げ、今後の技術および市場トレンドに見合う技術であることをアピールした。

●ピエゾ素子を使った冷却システム

ピエゾ素子を使った冷却システムでは省スペース/低消費電力/高性能を実現可能

 チップや基板の小型化にともなって、放熱機構の小型化も重要になってくる。そこで同社はピエゾ素子を使った冷却システムを提案している。

 ピエゾ素子は、2枚の電極で圧電体を挟む構造のもので、電圧をかけることで上下に振動する特徴がある。この振動を利用すれば、うちわで扇ぐような動作で、エアフローを生み出せる。

 そこで、このピエゾ素子をヒートシンクの谷の部分に入れ、振動で溜まった熱を放熱すれば、冷却機能の実装面積を縮小できる。また、現在のファンの約10倍の低消費電力で、同等の放熱性能が得られる。さらに、ベアリングなどのような可動部がないため長寿命で、静音性にも優れるという。

 Martin氏は、「ピエゾ素子は新しい技術ではないため、これを使った冷却ソリューションを大量生産すれば、現在のファンよりも50%以下の低価格で実現できる。低消費電力、高性能な点は、デバイスの小型化にも貢献する」と説明した。

 ダイサイズの小型化に関連するプロセス技術について同氏は、「現在順調に推移しており、第2四半期にPenrynの投入を持って量産を開始する見込みだ」と語った。

□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
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(2007年4月23日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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