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マイクロソフト、PCの使い勝手向上への取り組みを解説
〜Vista/Office 2007の新機能も紹介

業務執行役員 最高技術責任者(CTO)兼マイクロソフト ディベロップメント株式会社 次席代表 加治佐 俊一氏

3月14日 開催



調布技術センター

 マイクロソフト株式会社は14日、都内の調布技術センターにて、アクセシビリティとユーザビリティへの取り組みについてプレス向けに説明会を行ない、PCの使い勝手を向上を目指す取り組みを紹介した。

 説明会では、同社のこれまでの取り組みを振り返り、Windows Vistaとthe 2007 Office system(Office 2007)のアクセシビリティとユーザビリティを向上させた新機能や、東京大学と共同で実施する障害者向け学習支援プロジェクトなどを紹介した。

●Your potential. Our passion.

 冒頭では、同社業務執行役員 最高技術責任者(CTO)兼マイクロソフト ディベロップメント株式会社 次席代表 加治佐 俊一氏が挨拶。

 同氏は、マイクロソフトが取り組むミッションを「すべての机に、家庭にコンピュータをが創業当時のビジョンだったが、現在では8億台のコンピュータが普及し、エマージングマーケット(新興市場)でも今後は普及が進むだろう。一方日本などでは、すべての机にという点ではだいたい達成しており、今後のミッションは世界中のすべての人々とビジネスの可能性を最大限引き出すために支援すること」と説明。これを実現することで、Microsoftのビジネスの成功だけではなく、社会的に信頼される会社になることを目標としているという。

 その上で、アクセシビリティを「障害のある方を含むすべての人々がコンピュータをはじめとするITにアクセスし、その恩恵を享受可能にすること」とし、ユーザビリティを「使いやすさや使い勝手のこと。すばやく正確に目的の操作ができ、使用することで満足感を得られるようにすること」と定義。

 そして、10年を超えるMicrosoftのアクセシビリティとユーザビリティ向上への取り組みを振り返った。アクセシビリティについては、主に大学などと共同で取り組み、MSAA(Microsoft Active Accessibilitiy)やUIA(UI Automation)などのAPIを整備/公開することで、サードパーティー製品の登場を促してきたとする。また、ユーザビリティについては、世界50カ所のラボをによる調査やデータ解析を通じて、インターフェイスを改善してきた、とこれまでの取り組みを説明した。

Microsoftのミッション アクセシビリティへの取り組み ユーザビリティへの取り組み

●VistaとOffice 2007の新機能

簡単操作センター

 アクセシビリティ改善の例としてWindows Vistaを取りあげて説明。Vistaではまず、ユーザーのアクセシビリティ機能へのアクセスを容易にした。Windows XPまではそういった機能がユーザー補助やユーティリティマネージャ、コントロールパネルの各設定といったようにばらばらに存在していたが、それらすべてを「簡単操作センター」にまとめてアクセスを容易にした。また、ログオン画面ではアイコン表示によるアクセシビリティ機能切替を可能にした。

 そのほか、音声認識機能を新搭載したほか、最大16倍の拡大鏡、ナレータ機能(標準では英語音声のみ)などを搭載し、アクセシビリティ機能の推奨案設定ウィザードの改善を行なった。そのほか、音声認識機能の新機能として、画面の9分割を繰り返して目的をクリックする「マウスグリッド」や、ウィンドウ内の要素や選択肢をナンバリングして音声で選択可能にする機能などを紹介した。

 開発促進の取り組みとして、'97年にはCOM(Component Object Model)ベースのMSAAをリリースし、2005年にはWPFに対応したUIAをリリースした。また開発企業とのパートナーシップ確立を目指し、支援技術開発者向けの技術情報/支援を行なうMicrosoft Assistive Technology Vendor Program(MATvp)を開始した。日本からも10のプロジェクトが参加している。その成果として、Vistaのリリースとほぼ同時に2社からスクリーンリーダが発売された。

ソフトウェアキーボードでは、一定時間毎にフォーカスが切り替わり、マウスなしでも操作できる 要素や選択肢をナンバリングして音声で選択可能に VistaとXPのアクセシビリティ比較

 また、ユーザビリティ改善の流れをOffice 2007を例に説明。Wordではバージョンアップにしたがって機能が増加し、コマンド/ツールバー/作業ウィンドウの増加が起きていた。そこで、系統立てたコマンド配置による「使いやすさの向上」や、質の高いドキュメントを手軽に作成可能にする「生産性の向上」を目標に、ユーザーの満足度を引き上げる方向での改善が課題となった。

 具体的には、ユーザデータ分析、ユーザビリティ ラボ調査、ベータ調査、ベンチマーク調査といった手順で検証し、ソフトに改善を施した。ユーザーデータ分析では、「カスタマーエクスペリエンス向上プログラム」で収集した12億超のセッションデータを分析。日米では利用するコマンドや機能に違いがあり、その傾向を元にインターフェイスをデザインしたという。ラボ調査では、ユーザーの実際の操作を調査したほか、目線の動きを分析する「アイ・トラッキング」を元にボタンの配置を最適化した。また、ベンチマーク調査では、Office 2003/2007の双方で作業の成功率や消費した時間、主観評価を測定して比較した。その結果Office 2007では多くの機能においてOffice 2003と同等かそれ以上の生産性を示したという。

バージョンアップで機能とアクセス方法が増加 日米で機能の使用パターンが異なる
Office 2007は2003よりも多くの機能で生産性が高いことを指摘 日米で利用される機能のランク
調布のラボの様子。右手の設備で指示を出し、左手のモニターに被験者の画面や映像での様子が映し出される 被験者側の部屋。観察者とはマジックミラーで仕切られている。

●東京大学と共同で学習支援プロジェクト

DO-IT プロジェクトでは障害のある若者の進学/就労をテクノロジーでサポート

 また同日、マイクロソフトは東京大学先端科学技術研究センター バリアフリー分野と共同で、障害のある若者向けに学習支援プロジェクト「DO-IT プロジェクト」を実施すると発表した。DO-ITプロジェクトは米ワシントン大学を中心に実施されている学習支援プロジェクトで、今回その日本版を開始する。

 現在アメリカの学生の11%は学習障害や肢体不自由などの障害を持っているが、日本でのその割合は0.16%だという。同プロジェクトでは、障害のある高校生向けに大学体験プログラムとオンラインメンタリングを行なうほか、支援コンテンツやノウハウの提供を行なう。その第1弾として2007年7月に第1回大学体験プログラムを実施し、合わせて参加者を募集する。

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.co.jp
□Accessibilityに関するサイト
http://www.microsoft.com/japan/enable/default.mspx
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2992
□DO-IT Japanのホームページ
http://doit-japan.org/
□関連記事
【2003年8月5日】IBM東京基礎研究所、報道向けセミナーを開催
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/0805/ibm.htm

(2007年3月15日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

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