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Vista効果で伸張したのはショップブランドPCとマザーボード
〜BCN発表

3月5日 発表



 株式会社BCNは5日、Windows Vista発売でPC市場にどんな影響を与えたか、全国21社のPC販売データの集計をもとにした分析結果を発表した。

 その結果、メーカー製PCの2月の販売台数は、対前年同月比101.2%とほぼ前年並みに留まった。これはノートPCの売れ行きが同109.3%と2桁近い伸びとなったのに対し、デスクトップPCの販売台数は同86.2%と依然として2桁減となっていることが原因となった。

PC市場全体の販売台数月次推移。メーカー製PCは前年割れからは回復し、前年並へ。周辺機器はCore 2 Duo発売以降は好調さを持続 PC市場全体の販売金額月次推移。Vista発売で高機能モデルなど単価の高いものの売れ行きが伸びたことから久しぶりに前年超えに
ノートPCほど伸びがないデスクトップ PCの平均単価はVista発売で大きく上昇した 週次の販売データを追うとその売れ行きが一定しないことがさらに明らかに

 その一方、PC全体の売れ行きにショップブランドPC、マザーボードを加えた広義のPCの2月の販売台数を見ると対前年比131.1%と大きな伸張となった。

デスクトップPCの売れ行きを食っていると思われる好調な売れ行きのショップブランドPCとマザーボード PCパーツの売れ行きは2006年9月以降好調。Vista発売でその傾向はさらに顕著に

BCN 田中繁廣取締役

 BCNの田中繁廣取締役は、「ショップブランド、マザーボードを利用した自作PCのほとんどがデスクトップPCとして利用されていることを考えると、デスクトップ需要の一部がショップブランドPC、自作PCに置き換わっていると見て間違いない」との見解を示した。

 自作パーツ系では、ベアキットはVista発売後も前年割れの販売台数となっているものの、PCケース、電源は大きく前年から伸張。電源の2月の販売台数は、対前年同期比159.2%、PCケースは133.6%とマザーボードを上回る売れ行きとなった。

 また、メモリ、HDDなどの売れ行きも前年比で大きく伸張していることから、「新たにマシンを購入するのではなく、既存マシンにVistaを搭載して、メモリなどを増強したユーザーも相当数いたということではないか。こうしたユーザーが新しいマシンを購入するのは、おそらく2007年後半頃になるのではないか」と分析している。

 PC市場全体としては、メーカー製PC、周辺機器、PC用ゲームソフトを含むソフトの販売台数(本数)は、2006年1月から2007年2月までの期間、PCについては2006年2月から2007年1月までの12か月間連続で前年割れが続き、2007年2月になってわずかながら前年を上回った。周辺機器は、2006年2月から8月までは前年割れとなっていたものの9月から前年を上回った。ソフトについては、2006年2月から2007年2月まで14カ月連続で前年割れとなっている。

周辺機器の売れ行きはVistaよりも2006年のCore 2 Duo発売の影響により売れ行きが伸びている

 「周辺機器は、2006年8月にインテルのCore 2 Duoが発売以降、売れ行きが戻り、特に2007年2月には対前年比で2桁増となっていることから、Windows Vista発売のプラス効果があったと見ることができる。ソフトについては、Vistaへの対応が遅れている。特にゲームソフトについては対応に時間がかかるといわれていることから、Vista発売の効果があらわれていないといえる」(田中取締役)

 Vista発売効果の総括としては、「発売直後のメーカー製PCの週次販売データを見ると、デスクトップ、ノート共に落ち着かない動きとなっている。ある程度動きがパターン化されていれば、今後の予測がつけやすいのだが、動きがパターン化されていないため、今後の予想もつけにくいというのが正直なところ。Vista発売で一定の売り上げ増効果はあったものの、現状ではマイクロソフトがVista投入の狙いとしているデジタルエンターテイメント機能はまだまだ理解されていないのではないか」とした。

 これはPCのメーカー別シェアを見ると、Home Basic搭載機を揃えたソニー、富士通がシェアを向上させ、逆にHome Premium搭載機の比重が高いNECがシェアを落としていることにも現れている。


メーカー別シェアではシェアを伸ばしたのは富士通とソニー ノートPCでシェアを伸ばしたソニー、富士通の2社はHome Basic搭載機の比重が高い 富士通はノートだけでなく、デスクトップでもHome Basic搭載機が多く、その結果シェアを伸ばした

 田中取締役は、「最初にVista搭載機を購入したユーザーは、デジタルエンターテイメント機能よりも、PCの買い換え期に新しいPCを購入しているのではないか」と分析している。

 また、Vista搭載機は、メモリ容量、搭載CPUがXP搭載機よりもハイスペックとなっているため、単価も上昇傾向にあり、デスクトップで5万円、ノートPCで3.5万円高い単価となっている。少しでも単価を抑えるために、Home Basic搭載機を選んでいるユーザーも多くなっているようだ。

 ただし、搭載OSの週間単位での販売台数データでは、Windows Vista発売以降もWindows XP搭載PCの売れ行きは止まらない。Vista発売週でもデスクトップ、ノート共に4割をXP搭載PCが占める。これはXP搭載機が旧モデルとなり、価格が下落傾向にあるためと見られる。

スペックから見たVista搭載機。メモリでは1GB搭載モデルの割合が増加 XP搭載機とVista搭載機の平均単価を比較。Vista搭載機は今のところ単価上昇が目立つ Vista発売後にもかかわらず、XP搭載機の割合も高い。これはメーカーの在庫が残っていることが要因となっていると見られる
搭載エディション別の平均単価比較。Home Basic搭載機は単価が低くなる傾向が強く、eMachines製品はBasic搭載機の割合が高かった 搭載OSを見ると、Vista発売後もXPの売れ行きが落ちていない。XP搭載機が処分価格で販売されていることも影響か

ビジネスソフトは、Officeの新製品登場も継続的な売り上げ増には結びついていない

 ソフトについては、「Microsoft Office」を含む、統合ソフトがVistaと同じ1月30日に新バージョンを発売したため、2月の第一週で対前年を大きく上回ったが、全体的な勢いは弱いままとなった。

 「Vista対応ソフトの数がまだまだ少ないことが要因となっているのではないか。この傾向が修正されるには、対応ソフトが増加するまで、半年程度の時間がかかるだろう」(田中取締役)としている。


□BCNのホームページ
http://www.bcn.jp/
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【2月15日】Vista発売2週目に早くも失速
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0215/bcn.htm
【1月30日】【三浦】BCN AWARDに見るPCパーツの復調ぶり
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0130/miura035.htm

(2007年3月5日)

[Reported by 三浦優子]

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