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2007 International CESレポート【周辺機器編】

ExpressCardを利用するデバイスの新提案が続々登場

会期:1月8日〜11日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Centerなど



●ドッキングステーションはExpressCardのキラーデバイスか

 スロットを搭載したノートPCは普及しつつあるものの、肝心のデバイスが増えないExpressCard。今回のCESでもExpressCardの製品はそれほど多く見られないのが現状だが、少ない中にも新しい使い方を提案する製品は散見され注目できる。

 とくに注目したいのがExpressCard接続のドッキングステーションだ。外部ディスプレイ出力やサウンド入出力、Gigabit Ethernet、レガシーポート類などを増設できるデバイスである。ノートPCメーカーがこうしたオプションをラインナップすることは珍しくないが、サードパーティ製品ということで汎用性があるのが魅力。

 また、そもそもExpressCardで利用されるPCI Express x1の帯域幅を有効活用する用途がそれほど存在しないことも、同規格の普及が足踏みしている理由の1つだと思うが、ドッキングステーションのようなデバイスであれば帯域幅は広いほうが望ましく、ExpressCardを有効活用する方法を提案するデバイスとしても興味深い。

 こうした製品を展示したのは、台湾のGood way TechnologyとBELKINの2社。前者の製品は、USB2.0×4、シリアル、パラレル、Gigabit Ethernetも別途ラインナップされる)、6chサウンド、DVI、ミニD-Sub15ピン、HDMIを装備。ディスプレイ出力の最大解像度は、DVIが1,600×1,200ドット(UXGA)、D-Sub15ピンが最大2,048×1,536ドット(QXGA)、HDMIが1080pまで対応。HDMI端子を備えているのが魅力的な製品だが、HDCPへの対応についてはブーススタッフも不明としている。発売は4月が予定されており、価格についてはコメントをもらえなかった。

 BELKINの製品はもう少し家庭向けの製品で、USB 2.0×5、6chサウンド(光出力も装備)、Ethernet、DVI、ミニD-Sub15ピンといった構成。ディスプレイ出力の最大解像度は両インターフェイスとも1,600×1,200ドット。2006年末に出荷を開始しており、価格は199.99ドル。

Good way Technologyの「EXPRESSCARD VIDEO DOCKING」。PC側のインターフェイスデバイスはExpressCard/34。1080pまで対応可能なHDMI端子を搭載しているのが大きな特徴。なお、DVIとミニD-Sub15ピンは裏面に装備する BELKINのHigh-Speed Docking Station。PC側はExpressCard/34であるのは同様 PCとのインターフェイスケーブルは前面、拡張されるインターフェイスの多くは背面に並び、上部にUSB 2.0×2も持つ

 CESの開幕前々日に行なわれたUnveildイベントで披露され注目を集めたASUSTeKの「XG Station」に似たデバイスがMagma Electronicsのブースで展示された。こちらはASUSTeKの製品よりも硬派な印象の製品で、ビデオカードに用途を絞らず、あくまでPCI ExpressカードをExpressCard接続で使用することを目的とした製品。

 製品はハーフレングスカード対応の「Express Box」と、フルレングスカード対応の「Express Box Pro」の2製品。対応カードサイズ以外には両製品に違いがなく、PCI Express x16スロットを備え、ExpressCard側の制限で実質x1レーン相当の転送速度で利用される。電源は55Wで、ビデオカード用の電源コネクタは持っていない。出荷は開始されており、価格はハーフレングスモデルが575ドル、フルレングスモデルが599ドル。

 このほか、ExpressCard接続で利用するPCMCIAスロットが、Duel Systemsのブースで展示された。Texas Instrumentsのブリッジチップを使っており、16bit PCMCIAと32bit CardBusを使用可能。PCカードのホットプラグ/アンプラグにも対応する。PCカードを所有するユーザにとっては朗報となるデバイスではないだろうか。2月ごろの出荷が予定されており、市場価格は119ドル程度が見込まれている。

Magma Electronicsが展示した「Express Box」。ハーフレングスのPCI ExpressカードをExpressCard/34で利用可能 こちらはフルレングスカード対応の「Express Box Pro」 Duel Systemsが展示した「DuelAdapter」は、PCカードをExpressCard/34で利用するためのアダプタ

●世界初の耐環境UMPC「SWITCHBACK」

 Black Diamond Advanced Technologyのブースでは、耐環境性を高めたUMPC「SWITCHBACK」を展示。発売は2007年第2四半期で、価格は4,500ドル程度が予定されている。

 手袋をはめた状態でも簡単に操作できるポインティングデバイスに加え、ディスプレイはタッチスクリーンなのでスタイラスによる操作も可能。また、QWERTYキーボードも内蔵されている。ディスプレイは5.6型で1,024×600ドットの解像度を持つ。

 CPUはCeleron M 1GHzでチップセットはIntel 915GM Express、メモリ最大1GBのDDR400。HDDはリムーバブルケースを利用して搭載されており、標準では40GBだが、60/80GBのオプションが用意される。HDDをリムーバブルにした点については、屋外で利用する際に、HDDを別に持ち歩いて重要なデータを守りたいというニーズに応えるものだとしている。

 また、本製品がユニークなのは“SWITCHBACK”の製品名のとおり、製品背面にさまざまなデバイスを接続して機能を追加するできる点。展示機は、バーコードリーダとデジカメが一体化されたモジュールや、工業機器を遠隔操作するためのリモコンなど。さらに、本製品を2台接続して処理を並列化させるパラレルプロセッシングの機能も有しており、単なる耐環境PCの枠組みを超えて注目されそうな製品になっている。

Black Diamond Advanced Technologyが展示した「SWITCHBACK」。防塵、防滴、耐衝撃といった、あらゆる環境に耐えるUMPC。本体下部にQWERTYキーボードを備えるほか、ディスプレイの左右にポインティングデバイスを持つ 製品に付属するクレードルには光学ドライブやUSBポート、D-Sub15ピンなどを備える 本体背面にさまざまな拡張デバイスを脱着できるのが特徴。写真は、工業機器を遠隔操作するためのリモコンデバイスを取り付けたところ

●富士通がH.264エンコード/デコードチップなどを展示

 富士通のブースでは同社が開発したH.264エンコード/デコードチップ「MB86H50」のデモを行なっていた。ARM9ベースの制御用CPUを利用した開発用ボードを利用したもので、HDビデオカメラからの入力した映像をH.264エンコードし、エンコードした映像をUSB2.0接続したPCへ転送。ここまで処理したあとは、PCに保存されたH.264データを読み込んでデコードしTVに映す、というのを繰り返す内容のデモだった。

 H.264ハイプロファイルに対応し、最大解像度は1,440×1,080×60i、ビットレートは最大20Mbps。1,920×1,080ドットと1,440×1,080ドットのアップ/ダウンスケーリング機能を持つほか、一部のトリックプレイもハードウェア制御できるとのこと。ハーフデュプレックスのためエンコードとデコードをワンチップで同時処理することはできないが、2チップを搭載すれば同時処理も可能になる。作業用のメモリもチップ内に埋め込まれているうえ、チップ自体の面積がそれほど大きくないので、実際の製品に組み込まれるさいに2チップを実装することもあり得るのはないだろうか。

 消費電力が600mWと低い点も売りで、動作中のチップに触ってもわずかに熱が発生している程度。モバイルメディアプレーヤーなどへの応用も現実的だろう。このほか、HDDレコーダやインターネット放送用機器などへの採用も期待できそうだ。また、Blu-RayやHD DVDといった次世代メディア向けにVC-1やMPEG-2にも対応したマルチファンクションチップも開発していきたいとしている。

富士通のブースで行なわれたH.264エンコード/デコードチップのデモ。右端のビデオカメラから取り込んだHD映像をエンコードして保存したあとで、保存されたものを呼び出してデコードし左側のTVへ映し出すことを繰り返している デモで利用されたシステム基板。矢印の先にあるのが件のチップ。非常に小型だが、ビデオ処理エンジンのほか、映像/音声入出力インターフェイス、ホストインターフェイス、256Mbitのフレームバッファが集積されている

 富士通のブースでは、802.11nベースの無線を利用して映像と音声を送るデモも実施された。これは、DVDプレーヤーから出力された映像と音声を、トランスミッタ側がコンポジットおよびステレオRCAで映像を入力しMPEG-2@MLへエンコード。無線でレシーバー側へ送信し、レシーバー側はデコード処理をしたうえでTVで映し出すというもの。

 無線はAmedia Networksが開発したプロトコルを利用しており、IEEE 802.11nをベースに独自の拡張を施したものとなる。ユニークなのは、レシーバ(つまりTV側)に向かってDVDプレーヤーのリモコンを操作すれば、その情報も無線で転送されプレーヤーの操作が可能という点。単に赤外線の情報を無線転送用に符号化し、トランスミッタ側で復号化したうえでDVDプレーヤーの赤外線受光部に送るだけで仕組みはシンプルなのだが、利便性の点では重要な機能だ。

 現在はSD解像度のみの対応となっているが、例えばエンコーダ部を先に紹介したH.264エンコード/デコードチップをベースしたものに変更すれば、HD解像度への対応も難しくないとのことで、製品化が期待される。

こちらはトランスミッタ側。DVDプレーヤーの映像を入力しMPEG-2@MLでエンコードし、無線で送信する。また、背面の専用インターフェイスからDVDプレーヤーの赤外線受光部へケーブルが延びているのも分かるが、これによりレシーバ側でリモコン操作が可能になる レシーバ側。受信したMPEG-2映像をデコードし、TVへ出力する。また赤外線受光部も備えており、受光した内容をトランスミッタ側へ送ることもできる

●コンセント直挿しのネットワークサーバーなど注目製品

X-Micro Technologyが展示した「WLAN mini NAS」。電源プラグに直挿しする形状がユニークで、ルーターや無線LANアクセスポイントとして機能するほか、NASやプリントサーバーを構築することもできる省スペースな機器

 X-Micro Technologyが展示した「WLAN mini NAS」は、電源プラグとLANポートを持った外観で一見するとPLCアダプタにも見えるが、実は小型のネットワークサーバーで、電源プラグはあくまで電源供給のために使われる。Ethernet×2、802.11g/b無線LAN、USB 2.0×2を備える。

 USB 2.0ポートにデバイスを接続して利用することもできる。対応するのはプリンタやマスストレージクラス準拠のHDDやメモリ、Webカメラなど。また、2個のLANポートを備える点からも分かるとおりルーターとして利用することもできるほか、無線LAN機能はアクセスポイントして利用することも、クライアントとして利用することもできる。発売は2月が予定されているが、価格はコメントできないとした。

 韓国のEmtrace Technologyが展示した「Widget Station」は、PC上で動作するようなウィジェットを利用するような専用ハードウェアで、ARM9をベースしたハードウェア上でLinuxを動作させて実現している。モノクロとカラーTFTの2つの液晶ディスプレイを備えており、このうえで、用意されたウィジェットを切り替えて表示させることができる。

 とくにカラー液晶のほうは、Yahoo! ニュースやウェザーニュース、GmailやFlickrといったインターネット上のコンテンツを表示することもでき、接続先は限定されるが簡易RSSリーダーといった使い方もできそう。ただし、ウィジェットはあらかじめ用意されたものしか利用できないとのこと。

 ネットワークからの情報取得については、Ethernetまたはオプションで用意されるIEEE 802.11g/b無線LANを利用。このほか、PCと接続するためのUSB 1.1ポートも備えており、ネットワーク機能を必要としないウィジェットについてはスタンドアロンで利用することもできる。このほか、MP3フォーマットの音楽再生機能も備えており、インターネットラジオなどの用途で利用されるとのこと。

 発売は2007年第2四半期が予定されており、価格は300ドル以下で提供したいとしている。本体色はホワイトとブラックの2色がラインナップされる予定。

Emtrace Technologyが展示した「Widget Station」。ウィジェットを表示するためのハードウェアで、モノクロとカラーの液晶にそれぞれ異なるウィジェットを表示させられる 背面には音声出力、Ethernet、USB 1.1 mini USBを備える パネルに示されたWidget Stationで表示可能なコンテンツの例。例の多くは時計やカレンダーだが、インターネットと連動させた機能も多く提供されるようだ

BELKINが展示した「Flip DVI」。PC切り替え器のスイッチのみを無線化して分離させている

 最後にちょっと地味ではあるがKVMスイッチの話題。BELKINが展示した「Flip DVI」は、DVI、USB、サウンドを切り替えられる2台PC切り替え器。ユニークなのは、切り替えスイッチが分離している点で、無線によってPC切り替えを行なえるのである。ケーブル類は机の下に置いておき、スイッチのみを机上に置いておくことができるわけだ。

 また、DVI切り替え器としては珍しく2,560×1,600ドットの解像度に対応しており、この解像度に対応する切り替え器が極めて珍しい点でも注目される。無線はRFIDによって個体識別が行なわれるので複数台を導入しても問題ないとのこと。本製品の発売日や価格は不明だが、同様のコンセプトで作られたスイッチ部が3m程度のケーブルで本体とつながっているワイヤードタイプはすでに出荷されており、149.99ドルで販売される。


□2007 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/
□関連記事
【1月9日】【CES】OQO、Vistaにも対応したUMPC“model02”を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0109/ces8.htm

(2007年1月12日)

[Reported by 多和田新也]

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