Itanium 9100番台

10月31日　発売

　インテル株式会社は10月31日、エンタープライズ/HPC向けCPU「Itanium 9100」シリーズを発売した。同日より出荷を開始する。

シングルコアモデルの9110N(コードネーム：Madison)

　Itanium 9100シリーズ(コードネーム：Montvale、モントベイル)は、IA-64アーキテクチャを採用したサーバー向けデュアルコアCPU。Itaniumシリーズの6世代目となる。9100シリーズは、コア間でデータを照合してデータの信頼性を高める「コアレベル・ロックステップ」を搭載。既存のソケットレベルでのロックステップ技術と組み合わせることで、ミッションクリティカルな分野での信頼性をさらに高めたことが特徴。

　また、Itaniumとして初めて、プロセッサの負荷に応じて消費電力を低減する「デマンド・ベース・スイッチング」機能を搭載した。9100シリーズの主な仕様は、最大1.66GHzで動作し、FSBは667MHz、TDPは104W。製造プロセスは65nm。

　デュアルコアCPUを6モデル、シングルコアCPUを1モデル(9110N)ラインナップした。主な仕様と価格は下表の通り。なお、コアレベル・ロックステップ機能を搭載したモデルは2008年第1四半期より出荷する予定。

米Intel カーク・スカウゲン氏

　同日、同社は、Itanium 9100シリーズの発表会を兼ねた、定例の記者向け説明会「インテル エンタープライズ・アップデート・ミーティング」を開催。米Intelより、コーポレーション デジタル・エンタープライズ事業本部 副社長兼サーバー・プラットフォーム事業部長 カーク・スカウゲン氏が来日し、製品発表を行なった。

　同氏は、「Itaniumはミッションクリティカル分野での利用を可能にし、メインフレームクラスの信頼性を提供するもの。性能と信頼性をRISC系より低いコストで提供し、選択の自由を実現するのが狙い」と語る。

　また、ロックステップによる信頼性の高さとコストの低さを強調するとともに、デマンド・ベース・スイッチングに触れ、「アメリカの2倍の電気代の日本では、これによりコスト低減効果がより高くなるだろう」とした。

　性能向上については、流体解析のStarCDで約19%、浮動小数点演算のSPECfp_base_rate2006では約11%の性能向上となった。これについては、「性能向上よりもミッションクリティカル分野におけるフィーチャーに集中したためで、次期製品(Tukwila、タクウィラ)では性能を倍にする」とコメントした。

　ミッションクリティカル分野での利用例として、日本の東京証券取引市場の売買システムに、Itaniumを搭載した富士通製マシンが利用されるという。

信頼性を高めるコアレベル・ロックステップ	デマンド・ベース・スイッチングで消費電力を低減	性能向上は最大19%を実現

　説明会ではこのほか、1年後に展開を予定しているItaniumの次期モデルTukwilaにも触れ、メモリの信頼性を高めるDDDCと新たなインターコネクトQuickPathの採用、チップセットがXeonと共有のものになることを紹介。次いで日本で初めてTukwilaのシリコンを公開した。

　また、11月12日には45nmプロセスで製造された、第2世代のクアッドコアCPU「Xeon 5400」シリーズを発表することを予告した。

45nm/クアッドコアのTukwila	Tukwilaのシリコン	Itaniumシリーズのロードマップ

□インテルのホームページ
http://www.intel.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2007/071031.htm
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【10月2日】【海外】デュアルコアからオクタコアまでスケーラブルなNehalem
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/1002/kaigai390.htm
【6月27日】インテル、vProとItanium 2のロードマップを解説
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0627/intel.htm

(2007年10月31日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]