Seagate、ハードウェアで暗号化を行なうセキュリティHDD
2007年第1四半期 発売 米Seagate Technologyは20日、ドライブに搭載したプロセッサでデータの暗号化を行なうセキュリティHDD「Momentus 5400 FDE.2」を発表した。出荷は2007年第1四半期の予定。 HDDに暗号化を行なうチップを搭載し、ドライブ内の全データを暗号化して読み書きする「DriveTrust」テクノロジーに対応した製品。HDD自体で暗号化を行なうため、ソフトウェア暗号化のようにCPUなどのリソースを消費せず、パフォーマンス低下がないことが特徴。 主な機能として、全データの暗号化のほか、ドライブとPCのペアリング、隠し領域の作成のほか、暗号化のキーを変更してすべてのデータを一瞬で消去する「Secure Erase」などを備える。また、OSがロードされる前に、HDDへのアクセスを認証する機能を備える。 主な仕様は、インターフェイスがシリアルATA(1.5Gb/sec)、キャッシュが8MB、平均シークタイムが12.5ms、回転速度が5,400rpm。暗号化は128bit AESを採用し、TPMに対応する。HDDのサイズは2.5インチ。容量は60GB/80GB/160GBが用意される。ドライブのベースは「Momentus 5400.3」を採用しており、暗号化の機能を追加したものとなっている。 価格については、同製品がOEM向けであるため公開されていないが、ソフトウェアによる暗号化ソリューション(99ドル~250ドル)と比較して競争力のある設定を行なうという。 DriveTrustテクノロジーの利用には、対応ソフトウェアをインストールするだけでよく、前モデルのようなBIOSやドライバなどの更新は必要としない。HDDを導入するには、PCにドライブを接続し、暗号化のキーとパスワードを管理するアプリケーションをインストール、その後暗号化のパスワードを設定することで終了する。 ●ハードウェア暗号化の優位性をアピール
同日行なわれた説明会では、プロダクトマーケティング マネージャーのジョニ・クラーク氏が、開発の経緯と機能面の優位性を説明した。 同氏は、「データの紛失や盗難はニュースとなってきている。財務面へのインパクトにつながることもあり、データの保護に対する要求が高まっている。また、コンテンツプロバイダーからは、新たなビジネスモデルに対応したテクノロジーへの要求が高まっており、セキュアなストレージに対するアプローチが増えてきている」と、現状をまとめる。 そういった要求へのアプローチは数多くあるが、多くはエンドポイントでのセキュリティを修正しないことや、ソフトウェアセキュリティの設定が複雑すぎること、ポイントセキュリティは統合化されていないといった問題があるとする。そういった問題を解決するのが、「ドライブレベルでセキュリティを提供するDrive Trustテクノロジー」だという。 DriveTrustテクノロジーの優位性としては、ハードウェアによるネイティブな全データの暗号化を挙げ、その安全性とパフォーマンスを強調。ソフトウェアによる暗号化に対して、パフォーマンスの低下や設定の複雑さなどを指摘し、簡単な手順で設定できるDriveTrustをアピールした。 同テクノロジはプラットフォームとして展開され、アプリケーション開発用のSDKが提供される。また、同社はコンピュータのセキュリティ向上を目指すワーキンググループ「Trusted Computing Group」をリードし、オープンなアーキテクチャとしてDriveTrustを展開していくという。 そのほか、質疑応答において、フラッシュメモリを搭載し、Ready Driveに対応した「Momentus 5400 PSD」を2007年3月に出荷すると明らかにした。これまでは2007年第1四半期に出荷予定としていた。 □Seagateのホームページ (2006年11月20日) [Reported by matuyama@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
|