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マイクロソフト、Windows Vista RC1の改善点を紹介
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Windows Vista RC1の起動画面 |
9月11日 実施
同社 Windows本部 本部長 ジェイ・ジェイミソン氏 |
マイクロソフト株式会社は12日、都内で報道関係者向け説明会を開催し、Windows Vista RC1(Release Candidate 1)に搭載された新機能、およびβ2からの改善点を紹介した。
冒頭では、同社 Windows本部 本部長 ジェイ・ジェイミソン氏が挨拶。同氏はまずWindows Vistaの提供開始までのタイムラインを示し、「RC1はロードマップの上で重要なマイルストーンと位置付けており、RTM(Release To Manufacturing)に一番近いビルドである。現在予定通りのスケジュールでリリースされており、開発は順調に推移している」とし、開発スケジュールに変更はないことを強調した。
RC1については、「パフォーマンスと安定性の改善を図っており、ロードマップ上で重要なマイルストーンとなる。ソフトウェアおよびハードウェア開発の各社にRC1上でテストをしてもらい、パフォーマンスや機能について十分に検証してもらいたい」とした。
また、RC1の提供方法については、開発者やIT技術者、PC習熟度の高い個人ユーザーを対象に、既存のCustomer Preview Program(CPP)の登録者に対して9月6日から提供開始しているほか、近日中に新たに150万部を募集し、配布する予定。また、10月以降はダウンロードやDVD送付による提供だけでなく、一部のPC専門誌に添付する形で配布を行なうという。
同氏は、「β2はすでに全世界で150万部、日本においても8万5千部配布されているが、RC1でより多くのユーザーに試してもらい、Vistaに対する意識や関心、評価を高めてもらいたい」と説明した。
製品リリースまでのスケジュールに新たな遅れはない。RC1も予定通り | RC1の提供方法 |
RC1で改善および追加された新機能について、同社 Windows本部 ビジネスWindows製品部 シニアプロダクトマネージャ 飯島圭一氏が説明に当たった。
RC1は、β2からパフォーマンスとセキュリティの改善を図っているほか、マルチメディアおよびネットワーク機能を強化している。また、正式版になる前の最終評価ビルドと位置付けており、以降はRTMのみとなる。
同社 Windows本部 ビジネスWindows製品部 シニアプロダクトマネージャ 飯島圭一氏 | β2からの主な改善点 |
パフォーマンスとセキュリティの改善点としては、インデックス作成がチューニングされ、CPUへの負荷を低減させたほか、Internet Explorer 7にあった日本語サーチエンジンの文字化け/日本語ドメインへのアクセスに関するバグの修正、BitLockerのドライブ暗号化時のTPMセキュリティチップの推奨、ユーザーアカウント制御(UAC)機能のポップアップのタイミングなどの改善を図った。
マルチメディアおよびネットワーク機能の強化では、メディアセンター/フォトギャラリー/ムービーメーカー/DVDメーカーのユーザーインターフェイスの改善、標準サポートドライバの追加などが挙げられる。特にドライバは新たに数千種類を追加し、合計で約18,000種類のドライバを収録した。
そのほかの新機能として、「ガイドヘルプ」、「パフォーマンスモニタ」、「信頼性モニタ」、「ボリュームシャドーコピー」の4つが追加されており、デモを交えて紹介された。
ガイドヘルプは、「Windowsヘルプとサポート」からアクセスできるインタラクティブなガイドを利用したヘルプ機能。これまでのヘルプはテキストベースのもので、説明だけが記載されていたが、ガイドヘルプは「手動モード」と「自動モード」の2種類が用意され、「手動モード」では画面上で操作すべき場所を手順に沿ってリアルタイムに矢印で示し、説明どおりにクリックしていくだけで問題を解決できる。
デモでは一例として、IEのテンポラリファイルを削除する手順が示され、スタートボタン→コントロールパネル→インターネットオプション→閲覧の履歴から削除ボタンを押すよう指示されることが示された。
一方「自動モード」は、実際にユーザーが操作を行なわなくても自動モードを選択するだけで、行ないたい操作が実行される。
Windows Vista RC1の「Windowsヘルプとサポート」 | IEでの履歴を削除する操作を行ないたいので、ここでは「Internet Delete」と検索している。後ろに(Guided Help)とあるのがガイドヘルプだ。なお、画面は英語版だが、製品版では日本語化される。 | 手動で行なうのか、また自動で行なうのかを選択可能 |
画面が転暗し、クリックすべき場所だけが明るくなり、緑枠で示される。スタートボタンを押すところから丁寧にガイドされる |
なお、製品出荷時には、これまでユーザーの問い合わせが多かった操作の上位30位までのガイドを収録する予定で、そのほかのガイドヘルプもオンラインを通して順次提供していくという。
パフォーマンスモニタは、リソースモニタに似た監視ツールで、CPU/メモリ/HDDの利用率をプロセスごとに表示できる。信頼性モニタは、エラー情報やアプリケーションのインストール情報をログに残し、問題があった場合、問題が発生する原因を履歴から突き止められるようにするユーティリティ。
パフォーマンスモニタでプロセスごとにCPU利用率を見たところ | 信頼性モニタは、アプリケーションのインストールも監視し、ソフトのインストールやエラーが出るたびに安定性の評価が下がる |
ボリュームシャドーコピーは、Windows Sever 2003に搭載されていた機能で、定期的にフォルダやファイルのスナップショットを取ることで、誤って消したファイルや上書きしたファイルを復元できる。
同氏は、「RC1ではパフォーマンスの向上および機能の改善を図ったが、RTMに向けてさらに改善していきたい」とした。
まっさらにしてしまったフォルダでも、プロパティ→以前のバージョンというタブで容易に復元できる |
□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□Windows Vistaの製品情報
http://www.microsoft.com/japan/windowsvista/default.aspx
□関連記事
【9月4日】【笠原】MicrosoftがWindows Vista RC1を公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0904/ubiq165.htm
【5月24日】【笠原】MicrosoftがWindows Vista β2を公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0524/ubiq156.htm
(2006年9月12日)
[Reported by ryu@impress.co.jp]