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ルネサス、マイコン市場で30%のシェアを狙う
株式会社ルネサス テクノロジは7月5日、報道機関向けにマイコン(マイクロコントローラ)事業の説明会を開催した。説明会には、マイコン事業部長で執行役員を務める武部秀治氏が出席。事業戦略、現状説明、業界における同社の立ち位置などが語られた。 マイコン事業は、同社の売上高の3割弱を占める基幹事業。ルネサスは世界最大のマイコンベンダーで、4bitから8bit、16bit、32bitまで300品種を超えるマイコン製品を提供している。 武部氏はルネサスの基本戦略について、「マイコンや液晶ドライバなど汎用製品事業と、ユーザーと連携して製品を開発するシステムソリューション事業を今後も発展させていく」方針を明らかにした。 また、「売上の過半数を占めるのは汎用製品事業で、マイコン事業はその中心的な存在」と分析した上で、今後も「マイコン事業に継続的にリソースを投入して競争力を維持拡大し、成長の牽引役にする」という 具体的には、設計リソースでは、ここ1年でマイコンの設計者数を1割程度増員したという。現在では、関連会社を含めて世界全体で約2,000名のマイコン設計者を擁している。
続いてマイコン市場におけるルネサスの位置付けと、マイコン事業の現状を説明した。 まず、位置づけについてだが、ルネサスの推定によると、同社はマイコンベンダーとして20%強のシェアを占め、トップの地位にあるという。 応用分野別では民生と産業、PC関連でトップを占め、自動車では2位。地域別では日本とアジアでトップ、米国と欧州で3位。また8bitマイコンでは2位、16bitマイコンでは首位、32bitマイコンでは3位につけている。16bitマイコンで特に強く、日本国内でのシェアは半数を超えるという。 次いで、マイコン事業の現状についてだが、同社のマイコン事業は大きく3つに分かれている。32bitコアを中核とした大規模マイコン(SOC:System On a Chip)の「CR(Customer Relation)」、16bit以上のマイコンを主体とする「ASSP(Application Specific Standard Product)」、8bitマイコンを中心とするローエンドの「GP(General Products)」である。 これらに加え、ルネサスは、セキュリティ機能を組み込んだマイコン「SecM(Secure マイコン)」を新事業として展開する予定だ。 また、加工線幅で150nm以下の製造プロセスによるマイコンはすべてフラッシュメモリを内蔵するフラッシュマイコンとし、マスクROM内蔵品は原則として製品化しない。一方、マイコンに搭載する周辺機能では、ネットワーク回路に力を入れる。こうしたネットワークとしては、電力線通信(PLC:Power Line Communication)、ZigBee、USB、FlexRayなどが挙げられる。 さらに今後は、「設計、製造、販売の各部門をそれぞれ強化し、競争力を高め、マイコンベンダー首位の地位を確実なものにしつつ、今後5年前後で、マイコン市場におけるシェアを30%に拡大したい」としている。 □ルネサス テクノロジのホームページ (2006年7月6日) [Reported by 福田昭]
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