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東工大、世界7位のスパコン「TSUBAME」を公開
7月3日 公開 国立大学法人 東京工業大学は3日、国内最大のスーパーコンピュータ「TSUBAME」(Tokyo-tech Supercomputer and UBiquitously Accessible Mass-storage Environment)の披露式をキャンパス内の百年記念館で開催。関係者向けにTSUBAMEの実機を公開した。TSUBAMEは、PCクラスタ型で、AMDのデュアルコアOpteronを5,240個(10,480コア)搭載していることで話題となったスパコン。
披露式では、東京工業大学長の相澤益男氏が開会の挨拶を行ない、「東工大が導入するスパコンは4台目で、性能向上が劇的に進んでおり、TOP500のランキングで世界7位となった。協力してくださった方々に、心からお礼を申し上げたい」と感謝の意を述べた。 また今後のTSUBAMEについて、「他を圧倒する性能を持つTSUBAMEを、さまざまな研究プロジェクトに積極的に活用したい。TSUBAMEの特筆すべきところは、“みんなのスパコン”と表現しているように、最前線の研究者たちに活用していただく道を開いていきたい。スパコンの新たな利用モデルを確立したい」と語った。 続いて、文部科学省、NEC、サン・マイクロシステムズ、日本AMDの来賓から祝辞が述べられ、「TSUBAME」と命名した学生を表彰し、記念品が贈られた。
見学会では、TSUBAMEを設置している建物の内部を公開。設置場所は、2階の2部屋と1階の1部屋で構成され、3部屋の合計面積は600平方m、設置面積は350平方m。76のラック、32の空調ユニットがあり、TSUBAMEと空調ユニットを合わせた最大消費電力は1.2MW(メガワット)、通常時で900KW(キロワット)程度という。 ノードのベースはサン・マイクロシステムズの「Sun Fire X4600」。1ノードに8つのデュアルコアOpteronを搭載し、計655ノードで10,480コアを実現している。各ノードにはCPUソケット×1とメモリスロット×4を装備したライザカードが8枚装着され、8ソケットと32本のメモリスロットを装備する。655ノードのうち、16ノードはOpteron 885(2.6GHz)/メモリ64GBを搭載。残りの639ノードは、Opteron 880(2.4GHz)/メモリ32GBを搭載する。
演算性能はCPUのみでピーク時50TFLOPS(テラフロップス)。5月にはLinpackの持続性能で38.18TFLOPSを達成し、TOP500の7位となった。公開マシンで、かつ、大学に置いてあるマシンとしては世界最速だという。また、6位とはわずかな差であるため、次回は雪辱を期したいとした。 ストレージ部のベースはサン・マイクロシステムズの「Thumper」。CPUにデュアルコアOpteron 280(2.4GHz)を採用する高性能ストレージサーバーで、500GB HDDを48台搭載し、計24TB。これを42台用意して1PB(ペタバイト)を作業領域として利用できる。また、NECの「iStorage S1800AT」を保存領域として用意。 400GB HDDを240台搭載し、信頼性の高いRAID6で構成している。総容量は96TB。
ノードとストレージの接続は、Voltaireの業界最大のInfiniBandスイッチ「ISR 9288」を8台採用。 また、PCI-Xバス対応の浮動小数点演算アクセラレータ「Dual CSX600 PCI-X Board」を360枚装着している。このアクセラレータ1枚で、96GFLOPSの演算性能を持ち、360枚で約35TFLOPS。CPUの50TFLOPSと合計すると、論理ピーク性能は85TFLOPSとなる。アクセラレータは1ノードあたり1枚装着されているため今後も増設が可能で、すべてのノードにアクセラレータを装着した場合には100TFLOPSを超える計算になる。
□東京工業大学のホームページ (2006年7月4日) [Reported by yamada-k@impress.co.jp]
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