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Spansion、会津若松に300mmウエハのフラッシュメモリ工場を建設
6月15日 米Spansionは15日、都内で記者会見を開催し、CEO バートランド・カンブー氏がフラッシュメモリ市場と同社の戦略について説明した。 Spansionは、AMDと富士通株式会社の合弁会社で、NOR型フラッシュメモリの開発/設計/製造を手がけている。中国、ヨーロッパ、アメリカなど世界各地に製造拠点を持つが、その最大の市場は日本。日本での販売は富士通が独占的に手がけている。 同氏は、「フラッシュメモリ市場は携帯電話や車載向けなどのインテグレート用途と、リムーバルメディアなどのコモデティ用途の2つのセグメントがあるが、コモデティ向けでは競合が激化しており、各企業は差別化に苦しんでいる。対してインテグレート向けでは多値化技術“MirrorBitテクノロジー”などの差別化技術を利用することで、競合他社が力を失ってきている」と状況を説明した。 次いで、インテグレート向けの市場規模は年間100億ドルを越え、数年のうちに150億ドルへと伸びるとの予測を示し、特に携帯電話市場向けに差別化したSIMを投入していくとした。
売上推移については、「2006年第1四半期は前期比で3,000万ドル減少したが、2006年第2四半期の売り上げは6億500万ドルに達する見込み。MirrorBitを利用した製品が伸びており、今後も加速して年末には50%を越えていくだろう」と予測を述べた。また、「ヘビーな設備投資の影響を受けて、2006年第1四半期は赤字となっているが、粗利益は順調に伸びており、収益性は上がってきている」と説明した。 なお、フラッシュメモリ市場における同社のシェアは、Samsung、東芝、Intelに次いで4位、2006年第1四半期のNOR型市場のシェアは27.9%で1位。 今後は、MirrorBitテクノロジーのコストパフォーマンスを生かして、他社と差別化した製品をより広範に投入していくとともに、2006年第2四半期より一般市場向けに2Gbit 3Vのメモリを、2006年第3四半期よりHigh Density-SIMをサンプル出荷して行くことを明らかにした。
●会津に準備中のフラッシュメモリ量産工場
会見では、福島県会津若松に準備中のフラッシュメモリ工場「SP1」を紹介し、次世代テクノロジの迅速な導入や、300mmウエハによる低コスト化を目的としていることが説明された。工場の建物は完成しており、現在はクリーンルームや生産施設の準備が行なわれている。 同工場では、65nmプロセスから生産をスタートし、2008年半ばまでには45nmプロセスでの量産を開始する予定。MirrorBitテクノロジーをフレームとして使用する最新鋭の設備となるという。 一方、従来型のフラッシュメモリについては、TSMCとのパートナーシップで柔軟な生産キャパシティを維持して行くとした。 □Spansionのホームページ(英語) (2006年6月15日) [Reported by matuyama@impress.co.jp]
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