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Intelチャンドラシーカ氏基調講演

Intel 965チップセットを公式発表
ATIの物理演算デモや低電圧版Core Duoも

アナンド・チャンドラシーカ氏

会期:6月6日〜6月10日(現地時間)

会場:Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/2/3
   Taipei International Convention Center



 Intelは6日(現地時間)、COMPUTEX会場にて同社副社長のアナンド・チャンドラシーカ氏による基調講演を行なった。この中でチャンドラシーカ氏は、同社の今後を担う「Core 2 Duo」プロセッサに対応する「Intel 965 Express」チップセットを発表するとともに、各分野で新プラットフォームがもたらすメリットなどについて語った。

●巨額の費用を投じたプロモーション

 やや、主題から外れるが、Intelは今回のCOMPUTEXで多大な費用をかけて宣伝やプロモーションを行なっている。会場では建物の内外を問わず、いたるところに同社の垂れ幕やポスターなどが掲げられ、Intelのロゴを目にしない場所はないほどだ。実際、チャンドラシーカ氏によれば、今回のCOMPUTEXは史上最大規模だが、Intelも最大規模で出展を行なっているという。

 ここまで、同社が力を入れているのは、'93年以来10年以上に渡って続いてきたPentiumブランドに代わって、Coreマイクロアーキテクチャを採用するCore 2 Duoプロセッサがまさに出荷開始されようとしており、その認知度を一気に高めたいというのも大きな理由だろう。

 だが、それにもまして、AMDに対する牽制もあるようだ。基調講演では、何度かAMD製品に対する性能面での優位性を示すグラフが紹介されるなど、単に新製品が出るというだけでなく、それがAMD製品より優れているのだということを示すことで、勢いづくAMDに歯止めをかけ、Intelブランドの復権を狙っているものと思われる。

会場の至る所で目にするIntelの宣伝

●デュアルコア化でワットあたりの性能を向上

 チャンドラシーカ氏は冒頭、1枚のチャートを紹介した。初代Pentiumに始まり、Pentium Pro、Pentium 4へと移行するにつれ、CPUの性能は4倍に向上した。だが、それと同時に1命令あたりの消費電力も4倍にふくれあがり、限界にまで達してしまった。

 そこで同社(実際には他社もだが)が、打ち出したのがデュアルコア化による性能向上だ。今あるプロセッサを、単にクロックだけ上げた場合、2割のクロック向上で、性能は13%向上するが、消費電力は73%も増える。一方、2割クロックを落とした場合、性能の低下は13%だが、消費電力はほぼ半分に抑えられる。そこで、このクロックを落としたコアをデュアルコアにすることで、元のプロセッサとほぼ同じ消費電力で性能は73%向上させられる。

 実際の製品では過去のシングルコアとデュアルコアとで、アーキテクチャなどが異なるため、この図の通りの数値にはならないだろうが、電力あたりの性能を重視したPentium Mおよび、Core Duoは、Pentiumと同レベルの消費電力で、3〜4倍の性能向上を果たしているという。

 そしてCore 2 Duoシリーズはと言うと、消費電力を大きく押さえつつ、デスクトップ向けの「Conroe」(コードネーム)はPentium D 960に対して約4割、モバイル向けの「Merom」(同)はCore Duo T2600に対して約2割、サーバー向けの「Woodcrest」(同)はXeon 2.80GHzに対して約8割の性能向上があるという。

Pentium製品の変遷に伴う性能と電力の変化 クロックを落とし、デュアルコア化することで、消費電力を抑えつつ、性能を向上 各セグメントにおける、現行製品とCore 2 Duoシリーズの性能比較

●Intel 965 Expressチップセット発表

 プロセッサだけでなく、プラットフォーム、すなわちチップセットも併せて新製品が投入される。それが「Intel 965 Express」(コードネームBroadwater)ファミリーだ。現行のIntel 945 Expressの後継で、メインストリームデスクトップ向けのチップセットとなる。

 Intel 965 Expressは、DDR2-800に対応したほか、「Fast Memory Access」と呼ばれる新メモリコントローラによりメモリアクセス性能を向上。また、静音性を高める「Quiet System」技術や、ビデオ機能統合版では動画の品質を向上させる「Clear Video」技術などが追加されている。

 同社は2005年、チップセットの供給が追いつかず、ATI製チップセットを搭載した自社マザーボードを出すという異例の事態に発展した経緯があるが、チャンドラシーカ氏はこの点について、300mmウェハ製造能力を5倍に強化、またIntel 965 Expressは90nmプロセスへと微細化したことで、同社史上最速の立ち上げが可能だとし、供給能力に対する不安を払拭した。

 Core 2 Duoシリーズは、Woodcrestが今月にも出荷開始され、Conroeは7月、Meromは8月に続いて供給が始まる。これに合わせ、ブランドの位置づけも様変わりし、トップにはCore 2 Duoが位置し、PentiumはCeleronと同じバリュー向けの製品へと追いやられることになる。

90nmプロセスを採用するIntel 965 Expressチップセット 300mmウェハ製造能力の強化で、これまでにない立ち上げ速度を目指す Core 2 Duoシリーズのがハイエンド向けとなることで、Pentiumシリーズはバリューブランドに

●AMDを意識したベンチマーク

 講演後半の大部分はデモの実演で締められた。

 最初のデモはATIの「Radeon X1900 CrossFire Edition」を用いたもので、同社PC Business Unit上級副社長兼ジェネラルマネージャのリック・バーグマン氏が紹介した。

 Conroeは、Intel 965 Expressに加え、現行のIntel 975X Expressチップセットでもサポートされる。デモシステムは2枚のRadeon X1900を用いたCrossFire環境になっており、GPUを利用して物理演算のアクセラレーションを行なった。

 具体的には、床に散らばった缶をキャラクターが蹴飛ばすと、缶同士が相互干渉してあちこちに散らばるというもの。バーグマン氏から技術についての詳細な説明はなかったが、画面には「Havok」のロゴが表示されており、デモの内容はNVIDIAがGame Developers Conferenceで紹介したものと同じ。このことから、2枚の内、片方のGPUでグラフィックを描画し、もう片方で物理演算を行なっていると思われる。

 もともと、Havokはこの技術はNVIDIA以外のGPUにも適用可能であることを示唆していたが、今回のATIの披露は、予期せぬサプライズであった。

ATIリック・バーグマン氏 【デモ動画1】WMV/16MB 【デモ動画2】WMV/5MB

 この後、Core 2 Duoと現行CPUの性能比較のデモやグラフの紹介が行なわれたが、その一部はAMDの競合製品を引き合いに出したものであった。

 これによれば、Xeon 5160(Woodcrest)は、Opteron 285に対し、各種サーバー向けベンチマークにおいて、「システム消費電力あたりの性能」が約3割〜8割高いという。この点については、Xeon 5160が3GHzで、Opteron 285が2.6GHzと内部クロックが違うことなどを考慮する必要もあるが、システムの平均消費電力も1割程度優れているという。

 また、チャンドラシーカ氏は、これ以外にも多数のベンチマーク結果を見せ、「ここにある結果の大半は、以前はOpteronに劣っていたが、Woodcrestはその状況を塗り替えた」と語った。

 ゲーム環境においては、Core 2 Duo E6700(2.66GHz)が、Pentium Extreme Edition 965(3.73GHz)に対して、各種ゲームで5割近い性能向上があるとしたほか、実機を用いたデモも行なった。

 1つはCore 2 Duo 2.6GHzのシステムで、もう1つはAthlon 64 2.6GHz(Athlon 64はX2かFXかは不明だが、メモリはIntelシステムと同じとのことから、Socket AM2のものと思われる)とクロックを揃え、DOOM3でのフレームレートを計測。結果は約176fps対138fpsと、同クロックでもCore 2 Duoが勝った。

Xeon 5160とOpteron 285の性能比較。オレンジがワットあたりの性能で、緑が平均消費電力 そのほかのベンチマーク比較結果一覧
ゲームにおけるPentium Extreme Edition 965とCore 2 Duo E6700の比較 クロックを揃えたCore 2 DuoとAthlon 64によるDOOM3のフレームレート測定も行なわれた

 このほか、Core Duo U2500(コードネームYonah)が、初のノート向け低電圧版デュアルコアプロセッサとして今月より出荷開始されることが発表され、搭載機も披露された。CPUの詳細は語られなかったが、平均消費電力は1Wを切る0.75Wという。

低消費電力版Core Duo U2500を発表 HPの搭載機を紹介するチャンドラシーカ氏
第4世代のコンセプトPCも披露された。基本的にノートPCだが、デュアルヒンジとなっており、DVDを鑑賞したりする際はディスプレイを手前に引き出し、キーボードを使った作業をする際は、奥へやる。しまう際は、普通のノートPC同様にたたむことができる

□COMPUTEX TAIPEI 2006のホームページ(英文)
http://www.computextaipei.com.tw/
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http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20060326/gdc_ha.htm
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http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20060204/etc_d101ggc.html

(2006年6月6日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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