多和田新也のニューアイテム診断室

単品発売も行なわれるマルチGPUビデオカード
「GeForce 7950 GX2」




 2006年1月のCESで存在が明らかにされ、本連載でも5月にベンチマークの結果をお届けした、4個のGPUを使用したビデオカード環境「Quad SLI」。この環境のネックは、コンプリートPCでしか入手できず、自作ユーザーなどがビデオカードを単品で入手する方法が存在しないことだった。

 しかしながら、NVIDIAは6月5日に2個のGPUを搭載したビデオカード「GeForce 7950 GX2」を発表。このビデオカードは単品発売も行なわれる予定となっている。ビデオカード単体としても性能も期待される本製品。今回はGeForce 7950 GX2のリファレンスカードを1枚のみ入手することができたので、まずは単体使用におけるベンチマーク結果をお届けしたい。

●GeForce 7950 GX2でのQuad SLIは新ドライバ待ち

 まずは、今回発表されたGeForce 7950 GX2のスペックを確認しておきたい。これまでに発表されたGeForce 7900シリーズとの比較を表1にまとめたが、基本的には従来のQuad SLIで使用された「GeForce 7900 GX2」と同じ仕様となっている。ただし、ビデオカードとしての設計を見直したことで消費電力が下がっているのが1つのポイントとなる。

【表1】GeForce 7900シリーズ仕様比較
 GeForce 7950 GX2GeForce 7900 GX2GeForce 7900 GTXGeForce 7900 GT
GPU数2個1個
コアクロック500MHz650MHz450MHz
メモリクロック/データレート600MHz/1.2GHz800MHz/1.6GHz660MHz/1.32GHz
メモリインターフェイス256ビット×2256ビット
メモリ容量512MB×2512MB256MB
バーテックスシェーダユニット数8個×28個
バーテックスシェーダクロック500MHz700MHz470MHz
ピクセルシェーダユニット数24個×224個
ROPユニット数16個×216個
公称消費電力143W150W120W82W

 コアクロック、メモリクロックは、GeForce 7900 GTXと比較すると両方とも低く、GeForce 7900 GTと比較した場合は、コアクロックは高く、メモリクロックは低く設定されている。バーテックス/ピクセル/ROPの各ユニット数も同数であるが、いずれもコア1つあたりの数値を表には示している。ビデオカード1枚という単位で考えれば、GPUコアを2つ持っているというメリットはあるわけで、これが性能にしっかり反映されるかは、後ほど行なうベンチマークで検証する。

【図1】GeForce 7950 GX2のブロックダイヤグラム。GeForce 7900 GX2と同様のPCI Expressスイッチを用いて2つのGPUを接続。各GPUごとに512MBのビデオメモリを搭載する

 さて、GeForce 7950 GX2のブロックダイヤグラムは図1のとおりで、これもまた、GeForce 7900 GX2と同様のブロックダイヤグラムとなっている。ただ、Quad SLIの記事で触れた、2つのGPU間を結ぶPCI Express x48スイッチについて補足がある。GPU自体がx48インターフェイスを持っているのではないかという推測について、同社のGeForce General ManagerであるUjesh Desai氏に尋ねる機会があったのだが、「GPU2本とスロットのためのPCI Express x16を3本でx48という意味だ。もちろん、今回のGeForce 7950 GX2ha 7900 GX2の間のスイッチと同じチップを使っている」という回答を得た。つまり、GPUとスイッチチップ間はPCI Express x16で接続されていることになるので、ここで訂正しておきたい。

 さて、このGeForce 7950 GX2を搭載するリファレンスカードが写真1である。ボートを2段スタックさせつつも、2スロットを占有するに留めるGeForce 7900 GX2同様の外観だ。ただし、そのボード長はGeForce 7900 GTXと同じサイズに変更されたほか、電源コネクタとSLIコネクタが、それぞれ1つに削減されている(写真2〜4)。ビデオカード2枚を積み重ねただけという印象すらあったGeForce 7900 GX2に比べると、1枚のビデオカード製品としてしっかり作りこまれてきた印象を受ける。


【写真1】GeForce 7950 GX2のリファレンスカード 【写真2】GeForce 7900 GTXとの比較。ボード長はまったく同じサイズに留まっており、フルサイズカードのGeForce 7900 GX2から小型化された
【写真3】GeForce 7900 GX2は各ボードに持っていた電源コネクタも、GeForce 7950 GX2では1つになっている 【写真4】GeForce 7900 GX2はSLIコネクタも各ボードに持っていたが、GeForce 7950 GX2では1つのみである

 もちろん、この1個のSLIコネクタを接続することで、Quad SLIも実現できるようになっている(写真5)。だが注意したいのは、現時点で提供されているForceWareでは対応できず、将来的にリリースされるForceWareが必要になる点である。そのため、Quad SLIのシステムに関して、しばらくは従来どおりコンプリートPCとしてしか入手はできない状況が続きそうだ。

 このほか、ブラケット部の構成はDual Link対応のDVI端子×2とHDTV対応のビデオ出力端子の構成となっている(写真6)。

【写真5】NVIDIAの説明会で展示されたGeForce 7950 GX2を用いたQuad SLI動作のデモ機 【写真6】 ブラケット部はDualLink対応DVI×2とビデオ出力の構成

●使用にあたっては専用BIOSが必要

 さて、このGeForce 7950 GX2を利用する場合には、使っているマザーボードのBIOSが対応している必要がある点に注意を要する。そのため、NVIDIAでは対応マザーボードの検証リストを提供していくとしており、原稿執筆時点では表2に記したマザーボードとBIOSが示されている。今後も追加されているものと思われるので、同社のWebサイトで確認することをお勧めしたい。

【表2】GeForce 7950 GX2対応マザーボード(原稿執筆時点)
メーカー名製品名搭載チップセット対応BIOSバージョン
ABITAW8Intel 955X1.4
AA8-DuraMAXIntel 925X2.4
Fatal1ty AN8 SLINVIDIA nForce4 SLI1.9
AlbatronK8SLINVIDIA nForce4 SLIR1.12
ASUSTeKA8R32-MVP DeluxeATI CrossFire Xpress 3200404
M2N32-SLI DeluxeNVIDIA nForce 590 SLI404
A8N32-SLI DeluxeNVIDIA nForce4 SLI X161205
A8N-SLI PremiumNVIDIA nForce4 SLI1013
A8N5XNVIDIA nForce4902
A8V-E DeluxeVIA K8T890/VT8237R1005
P5LD2-VMIntel 945G508
P5ND2-SLINVIDIA nForce4 SLI Intel Edition304
BIOSTARI945G-M7Intel 945G24F
DFIInfinity NF4 SLINVIDIA nForce4 SLI2006/4/10
ECSKN1 SLI LiteNVIDIA nForce4 SLI1.1d
NFORCE4-A939NVIDIA nForce41.1g
FOXCONNNF4SLI7AA-8EKRS2NVIDIA nForce4 SLI Intel Edition537F1P34
GIGABYTEGA-K8NXP-SLINVIDIA nForce4 SLIF11
GA-K8N PRO-SLINVIDIA nForce4 SLIF4
GA-K8N-SLINVIDIA nForce4 SLIF9
GA-K8NXP-9NVIDIA nForce4 UltraF9
GA-K8NF-9NVIDIA nForce4 4XF10
GA-K8N51PVM9-RHNVIDIA GeForce 6150/nForce 430F1
GA-8I945P PROIntel 945PF5
IntelD975XBXIntel 975X1073
D955XBKIntel 955X2036
SE7525GP2Intel E7525P08
MSIK8N Diamond PlusNVIDIA nForce4 SLI X16A7220NZ1 v1.22 4/18/06
K8N Neo4-FNVIDIA nForce45.2
TyanS2895 D/T(Thunder K8WE)NVIDIA nForce 2200/20502895_103

 ドライバについては、今回のテストではNVIDIAから合わせて提供されたForceWare 91.27を使用している。現在、nZoneでForceWare 91.28のベータドライバがダウンロード可能になっているが、こちらのバージョンではGeForce 7950 GX2を認識させることができなかったためである。

 このForceWare 91.27を用いてGeForce 7950 GX2を認識させ、NVIDIA ControlPanelのSystem Infomationを確認した結果が画面1だ。GeForce 7900 GX2+ForceWare 87.25と組み合わせではビデオメモリを512MBとしてしか認識しなかったが、今回のドライバではビデオメモリを1GBと正しく認識できている(画面1)。

 面白いのは、2個のGPUを連結しているのでビデオカード1枚でSLIを実現しているといった見方もできる本製品だが、SLIとは明確に表現を変えている点だ。GeForce 7950 GX2には「Multi-display Mode」と「Multi-GPU mode」の動作モードが用意されており、前者は文字通り複数のディスプレイをサポートするモードで、後者は2つのGPUを使って3Dレンダリングを行なうモードとなる(画面2〜5)。

【画面1】NVIDIA ControlPanelのSystem Infomationでも、ビデオメモリが1GBと正しく認識されている 【画面2】GeForce 7900 GX2ではMulti-display ModeとMulti-GPU modeの二つの動作モードを持っている
【画面3】2つのディスプレイを接続してMulti-GPU modeに設定した場合は、どちらのディスプレイに出力するかを選択する 【画面4】Multi-display mode時のマルチディスプレイ設定画面。コントロールパネルの画面は変わったが、nViewの機能は基本的に変わっていない 【画面5】Multi-GPU modeを選択した場合は、マルチディスプレイ設定画面においてシングルディスプレイしか選べなくなる。ただし、ここからも出力先のディスプレイを選択することは可能だ

 また、Multi-GPU mode時には、SLI AAと同等の8xAAや16xSuperSampleAAが利用可能であるし、SLIと同様にSplit Frame RenderingやAlternate Frame Renderingの選択が行なえるが、あくまでSLIという表現はなされていない(画面6、7)。前者についてはSLI構成でも有効にした場合はデュアルディスプレイを利用できなくなったのと同じことだし、後者も表現が違うだけで同等の機能が提供されていると考えていい。なお、参考までに新しいコントロールパネルにおける、SLI設定の画面を掲載しておく(画面8〜10)。

【画面6】Multi-GPU modeを選択した場合、アンチエイリアスの設定で「8x」「16xS」を選択できる 【画面7】SLI同様に、SFPやAFPといった2つのGPUへの描画を振り分けかたが複数サポートされており、設定画面から任意に選ぶこともできる
【画面8】SLI構成が利用可能な場合は従来どおり、SLIを有効にするか、無効にするか、といった選択肢から設定を行なう 【画面9】従来、SLI AAとなる「SLI 8x」「SLI 16xS」はSLIレンダリングモードをアンチエイリアスモードに設定した場合のみ選択できたが、新しいコントロールパネルでは、レンダリングモードを変更せずとも通常のアンチエイリアスと並んで表示されるようになった 【画面10】一方、レンダリングモードの設定画面にはアンチエイリアスの選択肢はなくなっている

 さて、GeForce 7950 GX2とは直接関係のないことではあるが、新しくなったコントロールパネルについて1点補足である。従来のコントロールパネルで利用できたCoolbitsの設定についてだが、これは同じ方法で利用可能だ。もちろん画面は異なっており、Coolbitsを有効にすると、NVIDIA ControlPanelの3D Setting内に「Change Overclocking Configration」という項が追加され、こちらから設定を変更することができる(画面11)。ただし、従来とは異なり2D/3D時のクロックを別々に変更するといったことはできないようで、そうしたニーズがあるのであれば、クラシックモードのコントロールパネルを利用したほうがいいだろう(画面12)。

【画面11】Coolbitsはこれまでと同様のレジストリ操作で有効にでき、新しいコントロールパネル上から設定が可能。画面はGeForce 7900 GX2動作環境のもので、コア500MHz、メモリ1.2GHz(600MHz DDR)で動作していることも確認できる 【画面12】従来どおりのコントロールパネルも「クラシックモード」として残されており、こちらは2D/3D時それぞれの動作状況に応じたクロック指定を行なえる

●GeForce 7900 GTXを安定して上回る性能

 それでは、ベンチマーク結果の紹介へと移りたい。用意した環境は表3のとおりだ。マザーボードはMSIのnForce 4 SLI X16搭載マザーである「K8N Diamond Plus」を使用(写真7)。また、比較対象として、GeForce 7900 GTXのリファレンスカード単体とSLIの各環境に加え、コア/メモリクロックが近いGeForce 7900 GTのSLI構成のテストも実施している。このGeForce 7900 GTのテストには、MSIの「NX7900GT-T2D256E」を使用した(写真8)。

【表3】テスト環境
 GeForce 7950 GX2(1GB)
GeForce 7900 GTX(512MB)
GeForce 7900 GTX SLI(512MB×2)
GeForce 7900 GT SLI(256MB×2)
VGA DriverForceWare 91.27
マザーボードMSI K8N Diamond Plus(nForce4 SLI X16)
CPUAthlon 64 FX-60
メモリPC3200 DDR SDRAM 512MB×2(CL=2)
HDDHGST Deskstar T7K250(HDT722525DLA380)
OSWindows XP Professional(SP2/DirectX 9.0c)

【写真7】MSIのnForce4 SLI X16搭載マザーボード「K8N Diamond Plus」 【写真8】MSIのGeForce 7900 GT搭載ビデオカード「NX7900GT-T2D256E」

 ちなみに、ハイエンドビデオカード環境のテストを行なうにあたり、もう少しハイエンドユーザーを意識したメモリを使った環境を構築した。今回使用したメモリは、センチュリーから借用したCL=2のDDR400 512MBモジュールで、これを2枚用いてテストを行なっている(写真9、画面13)。

【写真9】センチュリーから借用したDDR400の512MBモジュール。Hynix製チップと8層基板を用いた製品で、CL=2に設定されている 【画面13】CPU-Zで確認できるメモリパラメータの設定

 それでは、実際に検証の結果を紹介していきたい。まずは、消費電力についてだ。前述のとおり、GeForce 7950 GX2の公称消費電力は143Wで、電源ユニットは27Aの12V系統を持つ、400W以上の電源が推奨されている。今回使用する各環境の消費電力をワットチェッカーで測定した結果を見てみると(グラフ1)、GPUを2個搭載しているとはいえ、ビデオカード1枚でピークが300W近くに達している。また、1枚当たり82Wが公称されているGeForce 7900 GTを2枚用いたSLI構成の環境よりも消費電力が多い。ビデオカードとしては1枚ではあるものの、すでにSLIやCrossFireなどを構築している人以外は、GeForce 7950 GX2導入に際して、もう一度電源ユニットを見直す必要に迫られるかも知れない。

【グラフ1】各ビデオカードの消費電力

 さて、ここからはベンチマークの結果である。まずは3DMark06の結果だ(グラフ2〜4)。このテストで見られるGeForce 7950 GX2の位置付けは、GeForce 7900 GTXのSLI構成よりも遅く、GeForce 7900 GTのSLI構成やGeForce 7900 GTXよりは速い、という傾向だ。

【グラフ2】3DMark06 Build 1.0.2
【グラフ3】3DMark06 Build 1.0.2(SM2.0)
【グラフ4】3DMark06 Build 1.0.2(HDR/SM3.0)

 この傾向は解像度やフィルタ適用を行なったほうがより顕著になり、性能比はより広がる。例えば、グラフ3に示したSM2.0テストの結果の一部を、GeForce 7950 GX2を100としたときの相対性能に直してみると、

・対GeForce 7900 GTX SLI
 1,024×768ドット/0xAA/0xAA:95
 1,920×1,200ドット/4xAA/8xAA:58

・対GeForce 7900 GTX
 1,024×768ドット/0xAA/0xAA:133
 1,920×1,200ドット/4xAA/8xAA:141

・対GeForce 7900 GT SLI
 1,024×768ドット/0xAA/0xAA:104
 1,920×1,200ドット/4xAA/8xAA:138

といった具合になる。負荷によって性能が逆転するといった劇的な結果はなく、はっきりとした上下関係を持っている。このあたりは、ユーザーにとって分かりやすい結果といえるだろう。

 3DMark05(グラフ5)、3DMark03(グラフ6)も性能比に違いはあるが、傾向としては同じである。GeForce 7900 GTXと比べて20〜40%強程度のスコア上昇を安定して見せており、単体ビデオカードとして見ると、安定して最上位の性能を得られそうである。

【グラフ5】3DMark05 Build 1.2.0
【グラフ6】3DMark03 Build 3.6.0

 一方、マルチGPUとしてみた場合、GeForce 7900 GTのSLI構成より高い性能を見せている。最大では38%の上昇が見られるものの、ほとんどのテストは10%未満。コアクロックの比率を考えれば、わりと無難なスコアを出している印象だ。ただ描画負荷が高まった場合でも差を広げるあたりは興味深い。GeForce 7950 GX2はコア1つあたりのメモリ帯域幅という点ではGeForce 7900 GTに劣っているし、2つのコアで処理するデータをPCI Express x16インターフェイス1本で処理しなければならない。ということは、処理するデータが増える高解像度やフィルタを適用した環境では、不利になるとも想像していたのだが、そうした傾向はまったく見えない。

 こうした傾向を見せた理由の推測として、前者のメモリ帯域幅の点についてはSLIではスレーブ側のGPUがレンダリングしたデータをチップセットを介してマスター側のGPUに受け渡す際のオーバーヘッドが、ボード上で両GPUを接続するGeForce 7950 GX2に比べて大きいために、描画負荷が高まったときに、それが顕著になってしまったのではないかと考えている。また、後者については、PCI Express x16インターフェイスの帯域幅に、まだ余裕があるということだろう。筆者のテスト環境におけるディスプレイ環境の都合で1,920×1,200ドットまでしかテストが行なえていないが、さらに上の解像度を試すと、また違った結果が出るのかも知れない。

 もう1つのGeForce 7900 GTXのSLI構成には、はっきりと劣る結果を見せている。コア1つ当たりのコアクロック、メモリクロックが低いことが影響しているのだろう。NVIDIA製品における、2個のGPUを使った性能では、現時点でもGeForce 7900 GTXのSLI構成が最高峰ということになる。

 さて、残るは実際のゲームを利用したベンチマークとなる。テストしているのは、Splinter Cell Chaos Theory(グラフ7)、Call of Duty 2(グラフ8)、F.E.A.R.(グラフ9)、「DOOM3」(グラフ10)である。

【グラフ7】Splinter Cell Chaos Theory(HDR有効)
【グラフ8】Call of Duty 2
【グラフ9】F.E.A.R.
【グラフ10】DOOM3

 おおよその傾向は3DMarkシリーズの検証で見られたものと同様だ。低解像度のテストでは一部のテストで性能の逆転が見られるものの、その差は3%以下にとどまっており、これはCPUがボトルネックになっていることに起因する誤差が出てしまっているのだろう。

 また、Call of Duty2の結果が独特なものといえる。単体のGeForce 7900 GTXとほとんど変わらないスコアになっているのだ。残る2つのSLI構成時のスコアは、ほかのアプリケーションと似たような傾向を示しているので、GeForce 7900 GTXが他のアプリケーションで実行したときより良いスコアを出していると判断できるが、こうした特性を持ったアプリケーションもあるということだ。とはいっても、GeForce 7950 GX2がGeForce 7900 GTX単体に決定的に劣る場面は見せておらず、ビデオカード単品製品として、より高い性能を期待できるのは間違いなさそうである。

●GeForce 7900 GTXの後継として存在感のある製品

 結果を一通り見てくると、マルチGPUビデオカードという異端な進化の方向性ではあるものの、ビデオカード単体の性能としては、GeForce 7900 GTXを安定して上回る性能を持った製品といえるだろう。

 また、コア/メモリクロックの値が近いGeForce 7900 GTのSLI構成との比較も期待以上の性能を見せており、専用チップによるGPU間接続の効果も具間見られる。ただ、こちらは多くのテストが最大でも10%強程度の差になっており、すでにGeForce 7900 GTのSLI環境を持っている人が買い替えを行なうほどのインパクトは持っていない。

 ちなみに、このGeForce 7950 GX2のリテール販売におけるプライスポイントは599〜649ドルとされている。GeForce 7900 GTX登場時のプライスポイントは499ドル程度とされていたので、最大でも200ドル程度しか変わらないことになる。日本における出荷時期などは分からないが、おそらく初登場時で8万〜10万円、こなれてくると安いものでは7万台前半の製品が登場する可能性があるプライスポイントである。つまり、GeForce 7900 GTXの後釜となることが可能な価格設定となっているわけだ。

 GeForce 7900 GTXの後継製品として認識することもできるわけだが、そうした見方をしたとき、描画負荷が高まったときに見せる40%を超える性能向上というのは、かなり大きなものだ。エンスージアスト向けビデオカードの単体製品として、久々に大幅な性能向上が示せたといえる。

 となると問題は、Quad SLIが現在提供されているドライバでは利用できず、コンプリートPCでしか導入できないという点に尽きる。こうした方向性については、以前行なったQuad SLIのテストにおいても分かるとおり、Quad SLIの効果が発揮される場面は限られてしまっているのが理由の1つではないかと想像している。とりあえず今はGeForce 7950 GX2を単体で利用してもらうに留め、ディスプレイ環境や対応アプリケーションなど、さまざまな条件においてQuad SLIの効果が発揮できる状況になるのを、NVIDIAは待っているのではないだろうか。

□関連記事
【5月2日】【多和田】4個のGPUを使う新SLIシステム「Quad SLI」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0502/tawada74.htm
【1月7日】【CES】4.26GHz CPU/4 GPU搭載ゲーミングPC、WQXGA対応ワイド30型液晶など
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0107/ces05.htm

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(2006年6月5日)

[Text by 多和田新也]


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