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2006 International CESカンファレンスレポート【Dell編】
4.26GHz CPU/4 GPU搭載ゲーミングPC、WQXGA対応ワイド30型液晶など
価格:会期:1月5日~8日(現地時間) 会場:Las Vegas Convention Centerなど 世界のPC市場でシェアNo.1を誇っている米Dellは、その売り上げの約85%が法人や官公庁向け製品で占められる。そのため、同社が行なうプレスカンファレンスなどでは法人市場やビジネスモデルなどについて語られることが多い。しかし、今回は会場がCESということで、同社会長のマイケル・デル氏の講演で披露された新製品はいずれもコンシューマをターゲットとしたものばかり。しかも他に類を見ないようなユニークな製品が目白押しだった。 ●4.26GHzのデュアルコアプロセッサに、Quad SLIのゲーミングPC まず、デル氏が紹介したのはデスクトップPC「XPS 600 Renegade」の限定モデル。筐体の形状は、従来のXPSシリーズと同じだが、そのデザインは炎に包まれたドクロのイラスト、そして真紅のフロントパネルと、どちらかというと地味なデザインが多い同社製品とはかけ離れた強烈なものとなっている。 しかも、CPUは4.26GHzにオーバークロックされたPentium Extreme Edition 955(本来のクロックは3.46GHz)を採用。メモリはDDR-2 667を2GB搭載する。
GPUの解説へと移るところで、デル氏は、NVIDIAの社長兼CEOのジェンスン・フアン氏をゲストに招き入れた。Dellは、NVIDIAのnForce4 SLI X16チップセット発表と同時に搭載システムを発表した経緯がある。 今回の、XPS 600 Renegadeについても、両社は協力。フアン氏は「前回のシステムでは2つのGPUを搭載した。今回、それを上回るグラフィックスパワーを実現するにはどうしたらいいかと考えた。その答えはGPUを4個にする以外ないだろう」と語り、同PCが世界で初めて4つのGPUによる「Quad SLI」に対応していることを明かした。 今回採用されたのは、GeForce 7800をベースとしたQuad SLIカード。このカードは2枚のビデオカードを、ドーターカードのようにくっつけた形となっているが、PCI Expressのコネクタは片方のカードにのみついている構造をしている。このカードを2組使うことで、4GPUを実現する。 従来の、GeForce 7800カードのように、SLIブリッジのコネクタもあるが、上下のカードのコネクタの位置は若干ずれており、2つのSLIブリッジをはめられるようになっている。 GPUの詳細は公開されなかったが、ビデオメモリが2GB、フィルレートが41Gigapixel/secということから、GeForce 7800 GTX 512をほぼそのまま使用しているものと推測される。
通常、SLIは、ボトルネックによりカード単体の2倍までの性能はなかなか出せないが、このQuad SLIは巨大なビデオメモリを活用することで、メモリのアロケート性能を改善し、カード単体と比較して最大5倍程度の性能を発揮するという。 具体的に、フアン氏が示したグラフによれば、Quake 4は約4倍、DOOM 3は約4.6倍、FEARで約5倍の性能となっていた。 ちなみに、このQuad SLIの演算性能は5.2TFLOPSで、フアン氏は「この数値はスーパーコンピューターTOP500の70番目にランクインするのに相当する」と自らも苦笑しながら、並はずれた性能であることを紹介した。 また、アンチエイリアスは最大32x、異方性フィルタリングはx16に、表示解像度は2,560×1,600ドットへ引き上げられている。 PCのこれ以外の詳しい仕様や、価格は不明だが、米国では今春発売予定とされている。
●WQXGAのワイド30型液晶ディスプレイ XPS 600 Renegade専用というわけではないが、Dual Link DVI-D接続により、2,560×1,600ドット表示に対応するワイド30型液晶ディスプレイ「UltraSharp 3007WFP」も披露された。米国では同日付けで受注開始しており、価格は2,199ドル。 液晶サイズ、表示解像度ともAppleのCinema HDと同じで、価格は300ドル安い。Dellは、UXGA対応の20型で低価格化の先陣を切り、その後も他社に先駆け値下げを行なっていることから、30型でも同様のことが期待される。 そのほかの仕様は、応答速度が14ms(黒→白)/11ms(グレー→グレー)、輝度400cd/平方m、コントラスト比700:1、視野角上下/左右とも178度。本体サイズは約690×200×559mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約11.3kg。
●20型液晶付きノートPCのコンセプトモデル 現在、同社が開発を進めている、20型液晶付きノートPCのコンセプトモデル「XPS Mobile」も公開された。 XPSというシリーズ名が示すように、ハイエンド構成ながら、可搬性も欲しいユーザー層を狙ったノートPC。液晶の下に伸びた2本の足がヒンジで本体とつながっており、キーボード奥の表面に光学ドライブを搭載、そしてキーボードは着脱式と、利用時の外観はノートPCというより、液晶一体型のデスクトップPCに近いが、普通のノートPC同様、折りたたんで持ち歩ける。 本体部はメタリック調、液晶は日本の液晶TVを彷彿とさせるデザインで、こちらもこれまでの同社製品とは一線を画している。 そのほか、液晶部には8個のスピーカーとサブウーファーを内蔵し、光学ドライブはBlu-ray対応となっている。
●Intel Core Duo搭載ノートPC
コードネーム「Yonah」ことIntel Core Duo搭載ノートPC「Inspiron E1705」も発表された。 WUXGA表示対応17型液晶ディスプレイ、GeForce Go 7800(256MB)搭載のハイエンド2スピンドル機。価格は2,299ドルより。 □2006 International CESのホームページ(英文) (2006年1月7日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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