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Xilinx、世界初65nmプロセスのFPGA「Virtex-5」を発表5月16日 発表 ザイリンクス株式会社は16日、世界初となる65nmプロセスのFPGA「Virtex-5」シリーズを発表した。 FPGAとは、Field Programmable Gate Allayの略で、DSP(デジタル化)やデジタル処理、データの伝送などを行なうプログラマブルな半導体回路。主な用途としては、ネットワーク/通信のインフラ機器や、産業機器、医療機器で、そのほか自動車やポータブル機器での利用が見込まれている。ASIC(Application Specific Integrated Circuit)とは異なり、特定の用途向けではなく、プログラムによるカスタマイズが可能でさまざまな分野で利用できることが特徴。 Virtex-5搭載製品は、VmetroがPMC/PCI接続の開発キットの発売を表明している。Virtex-5では、Virtex-5 LX/LXT/SXT/FXTの4シリーズが用意され、LXの実動サンプル出荷が既に開始されている。LXT/SXT/FXTについては、2006年後半より順次出荷される予定。 Virtex-5 LXは、業界初となる65nmプロセスを採用したほか、トリプルオキサイド技術を踏襲し、12層メタル配線の構造になっている。90nmプロセスのVirtex-4と比べ、性能が30%向上するとともに、ダイナミック消費電力が35%減少。スタティック消費電力はVirtex-4から変更はない。
●プログラマブル・ソリューションへ市場のニーズが高まっている 15日に開かれた「Xilinx メディア・サミット」では、同社 プロダクト・テクノロジ部門 アドバンスト・プロダクツ・グループ担当副社長 ヴィンセント・トン氏が登場し、プログラマブル・ソリューションへのニーズの高まりを説明した。 同氏は、「音声、データ、ビデオのデジタル処理、デジタル化、データ転送などは高性能なソリューションが要求されるが、従来のDSPやASIC/ASSPでは進化していくアルゴリズムや規格に追随できない」とし、それらに対応できるのが同社のFPGAであると語った。
次いで、アドバンスト・プロダクツ部門 プロダクト・マーケティング部長 チャック・トラルカ氏が登場し、Virtex-5 LXプラットフォームについて語った。 同氏は、「お客様が求めているのは高性能・高機能、低消費電力、システムコストの削減、デザインサイクルの短縮である」とし、顧客の要求条件を満たすために、「プロセス、アーキテクチャ、ハードIP、パッケージング、ソリューションの、あらゆるレベルで技術革新を行なった」と語った。 65nmへのプロセス移行により、チップの面積縮小とともにキャパシティが増加し、ロジックセル数が65%、Select I/O端子数が25%増加。さらに、コア電圧が1.2Vから1.0Vに減少して消費電力が減少。また、FPGAにおいて最高クロックとなる550MHzでの動作を実現したほか、ECC機能付き36Kbitデュアルポート・ブロックを18×2の構造で搭載するが、その片方をOFFにすることで消費電力の縮小も可能にした。 また、「ソリューションの提供については、サードパーティーのESL/EDAソフトウェアの提供で優れた生産性の実現を目指し、評価キットとして低コストの汎用開発ボードを提供することでデザインサイクルの短縮を図る。ザイリンクスはこれまでロジックデザインの分野においてリーダーであったと自負している。さらに、今回導入された新たなツールとデバイスによって、DSP、Embeddedの分野においてもリーダーとしての地位を確立したい」と語った。
□Xilinxのホームページ (2006年5月16日) [Reported by matuyama@impress.co.jp]
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